532 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:05:00.13
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
──────人と妖と人妖の、百鬼夜行にいざ参らん
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
533 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:05:52.13
ID:3r2/OEko /"'-..,;;;;;;;;;;;;;`''-..,,_;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;..|
ト:::::::::`''- ..,, ;;;;;;;;;;;;`'' -...., . .- ''´|
i:::::::::::::::::::三 `'' - ..,,;;;;;/;;;,,..-'イ;, さて、そうと決まれば善は急げじゃ。
/ニ、::::::::::::::::三 、;;;;;; `"´ ,,,,, i;
{ ( _',::::::::::/ "" |/ 麻呂は、夕方までに帰ってくるでおじゃる。
', '<i ヾ:::::::i 、、,,三、 ,,.-、 i
',、ヾヽi:::::i '-ヽソヾ /,'ッフ、i この家は好きに使ってくれ。食い物は冷蔵庫にある。
ヽ__.. i::::i 、  ̄ノ | ;ニ ノ.i
ノ,.-| i::i | i
. i,ィ''"', /、_ :::: / ───留守番は、頼んだぞ?
/',',', ', / ヽ_ノ /
. イ',',',',', ', ', ( ,.---::;;;;、_,. } /
/ '',',',',',', ', ',- 、 ,.__`ー´ノノ
,.-イ ''',',',.',', ',:', ,ノ /、,,、
( {´ ',',',',', :',.','---─ '´リ ', ヽ
''´´ヽ((''- .., ',',',',', .',.',ソ ./ / ',) }ー..,,,
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ お、おっちゃん!
/ o゚⌒ ⌒゚o \
| (__人__) | その……行ってらっしゃい。
\ ` ⌒´ /
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,l l:ヽ ────ああ。行ってくる。
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ
_,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'." / / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_
一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶、
ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
`丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '" /
534 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:06:43.34
ID:3r2/OEko |
| |
| |
| | _______
| ______ | || ̄ ̄ ̄||| ̄ ̄ ̄||
| || ̄ ̄ ̄ ̄|| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| || ||| ||
,'| | || || |l二二二二二l|| || ||| ||
|.| | || || ||_____||| || ||| ||
|,' | || .0 || ||_____||| || []|||[] ||
__ | ⊂⊃ || || ||_____||| || ||| ||
../ /.|――n| |___.||____||____|l_____l|| || ||| ||
/ //||_.n/||.ー‐' L二二二二二」|_||___|||___||_ …バタン!>
l'|  ̄| |、 /||. ||/||. ________,,
l.| | |/, '| ||レ!'|| ./ /l
,,l.|__|,,/ ,,l| ||/~ / //ll
| | l,, "/~ l二二二二二二二二l/ ~
| | |/ |_|,! |_|,!
____
/ \
/ ─ ─ \ (……やる夫は嬉しいとすぐ泣いちまうお。
/ (●) (●) \ いいかげん、このクセを直さないといけないお)
| (__人__) ゚o |
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
535 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:07:41.04
ID:3r2/OEko ,.__ -――‐- 、
r―<_ \ r― v‐ 、\
/\ \ `f_>‐┴<j‐v‐ト、
. / /\ \_に.| _,二、`い (……カナが、テレビを見ているお
|// \ 汀______厂|/ミい |-{
〈 / `丶、{__|_____人 いり} |-く{_ そういや、やる夫はカナの事全然知らないお。
. V ._ _,{ | ヽニ不、_|
|  ̄ `  ̄ `匸ト、_,.イし' | 考えてみりゃ、狐だと思っていろんな事喋ってた……
. | ,z=ミ、 ァ==、、 弋匸斗'|/,|
f|.仆メ小 イ|弌'小 _|, - 、l//ノ なんか恥ずかしくなってきたお……)
l| 辷.リ 辷_,リ }! 〃 ィ⌒|_,⊥ ┐
. ,-|.:.:.:.:.:. 、 :.:.:.:.:.:. { _)/ , ‐≦
. / 人 、_ _こ イ / /_,厶-┐
Y / \ ‘ _/ ヽ|/ , -_=ヨ
∨_/ /> .__,. ´/ \≦-┴‐-、
. 丿 \厶┴‐|-‐┬┬-ノ ヽ/_'三
_, -──‐- 、、
入 `ヽ ̄`ヽノ二ニy‐-、
,r' /.::::>、.:.:.:::::::{,/⌒Y⌒ヽト、
/ /.::::/ \.::::( ,〈薔〉、 / j〉
,′,イ/ \:ゝ彡ニミノ;::イ ん?どうかしたの、やる夫くん?
!レイ/ ``ヾ、 イ:::i:/
〈川j '" ̄` ´ ̄`` ゙,;;;;;;;リ カナに聞きたい事でもあるのかしら?
`ゞj! ,r=ュ ,r=ュ i;;;;/
}ト、 / / / 丶 / / / _ソ
_>‐ 、 l⌒7 /⌒〕
に 二ニ j>ュ、二 _, イ.:V⌒〕_
,ィ ´ ̄〔二_〕::,ィ仝>、::::リ〔二〕 \
〈/ に7::://::::l i::::::::に7 l
____
/_ノ ' ヽ_\
/(●) (●)\ あ、いや、そう、そうだお!
/ /// (__人__) ///\
| |r┬-| | 年上って言ってたけど、カナは何歳くらいなんだお?
\ ` ー'´ /
537 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:08:22.97
ID:3r2/OEko , :==‐
〃 `
ト、 /\_
ヾミx 1 \ ` 、
/ ;ハ \ _>n__
/ / 彡ヘ _y(X⌒fひyn、
/ 〃j/ ヽ \ 爿「Y,エミhニX_〕 んーと……ニンゲンの暦で言えば……
{ {/_,二ヽ、 \___〔ゞt{(kワ)リフ乃
! ]〕77なiy ´≧ミ てトゞfくスア´ ひとつ、ふたつ……
/)__y^N h__;:j 7´:5iYヒ!T^ハ〈
_ _ ///:,べヨ ー‐'′,. {└;りj片〉V }」 うん、200歳位かしら!
r;┤} } ハ:{ /rヘ ト- 、__  ̄ /ンkヘ〉
l^┴-'_厶__V>、ー->、_ | / /フ「ヽヽ
__l /´ ,-―ベ≧=ァ′`辷'y-r1 ´ 人 }:i
__ l卩-v‐く {≧ァ‐< _j_ 厶..「`て彡'丿jノ
____
/ \
/ ─ ─\
/ (○) (○) \ に、にひゃく……!?
| u (__人__) |
\ ` ⌒´ / ……ずっとあの森にいたのかお?
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
_,. -―- 、,.-‐、__
__ ,/.:.:.:.: ,-― ' ,.- ヮi {
〃、ヽ.:.:.:.:.:.: } ┌‐ヒ薔ハ y !{
亅/.:.:. 〉、.:.:. ヽ\へ〒ヽ_ノ、
……違う、かしら。あの森には200年の半分だけ。 亅i.: l.:.,' `  ̄ =--、l」ニ´i_〉!
∨:.{ _, /x‐=、i!ヘY.:.l!
その前は、別の場所で暮らしてたかしら…母様と。 ヽ:ヘ ,=、 弋_ソ l!ノ//
. ヽ: ゙ラ、i::リ /.:/.:i__
゙{::ハ、_ ` っ /シ.: ,イ ヽ
レ-{゙ー.i/jト、-‐ノ:/.ィ ',
/ 〈ニ/ノ}{ヽヾj .;.:. ノ ハ
. ,ハ >j 、 ' ,ヘ、`ヲ' _ _ ∠
. ,ハ >j 、 ' ,ヘ、`ヲ' _ _ ∠
538 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:09:15.26
ID:3r2/OEko ____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ (あっ、なんかやばい質問だったお?えと、……他の話題)
| u (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / そ、そういやカナの力、「言霊」を憑かせるって言ってたけど、
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | 他の能力はないのかお?
\ /___ /
__
「ヽ ̄\ ゞ_、__
/入 \ _jl´frォ j}
/ / ` ーヽハ-メ_jヽ. 他の能力?
' ,' ,. - ´`ヾヽ !
i イ , =、 ォ= 、 川! 母様は、色々使えたみたいだけど、
ゞハ, ハォ.j 辷j |メ. カナはまだ言霊だけかしら!
`ハ :::: ' :::: イ_ ヾ
,.,ゝゝ、 ` ´ イミミjノ 母様は、尻尾も沢山あって、すごく格好よかったかしら!
l!V:三} ゙>< ゝ-'⌒丶
/ ゝリ! jハ! レ′ l
く :.:! o 〈 - |
ゝ l:.:.|'\ o _ .人 l 〆ノ
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・
. | ( ●) ⌒) | (尻尾?)
. | (__ノ ̄ /
. | / カナは、そういえば何の妖怪なんだお?
\_ _ノ\
/´ |
. | / |
540 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:10:06.52
ID:3r2/OEko _ _ _
, -=ニ{ r┴、レ‐、ハ
f´ -―〈 {:;{@}、:}ソ1
/{ -― く/:.\>l ! だから狐だって言ってるかしら!
l| Y´ ̄ 二二ゝエソヘl |
ハl| /´_ ィr::ヘ >=V _
|ヾ fr:ヘ ゝ-' / ソ /⌒', 人に化けて、悪さをしたりする、
{ ∧ ー' _.、 { 厶〉__/ } いわゆる「妖狐」、バケギツネかしら!
{ 丶┌、{ノ イ三.} } i'ー、
\「/ 、_|7〉{二 」 イ r┤ /\
[ | __/ソl|/ て「 人 \.ノ_ノ
/}__∠リ \_}Y_}ゝ┘不
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ ん?カナは、何も悪いことしてないお?
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::\
|  ̄ |
\ /
l`ヽ、-―- 、 _
/| l \_ `ヽ、
{, '´い //⌒ヽ \
/ ム \{_レr行ミ⌒ヽ `、 ところがちゃんと悪い事もしてるのかしら!
l ー'´ ヽ、Vヘ_彡ヘ. ノ l
ノ 、_, `ヾヽ _>彳 | 今まさにその真っ最中なのかしら!
「 xx ̄xx _V l l
lr‐1 》⌒! | / まぁ、そのうちわかるわよ……うふふッ!
ヽ/7┐ ヾ==彳_,ノ ノ /
_rク/ / r'⌒ヽ、__ /
__/)'´ 丿rク{ ̄ _〕仁ニ、 \
/{{くヽ._,.ィ-‐兀/l:レ―ヘ / ̄`ー- 、
_, -‐'´ ||厶|¬t┴ / ゚/└rー、ノ, l
「 ll ノ|く rこ7 。//{三ヲ l n|
542 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:10:57.08
ID:3r2/OEko _____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・ ……ホントに分からないお。
. | ( ●) ⌒) |
. | (__ノ ̄ / あ、そういえば部屋の本棚に、「妖怪辞典」があるお。
. | /
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/:l lミミ ::::.. 二フ´ l ヽ、.ノ ,' 確かに人妖……いや悪い。
,.-‐フ:::::| |,ミ u l / ASSHS患者が妖怪の血を引いている、という説はあったし
/r‐'":::::::::| |ヾ /__. l / 麻呂の友人も一時期その考えに傾倒したが……
_,. -‐"i .|::::::::::::::::::',.',. \ ⌒ヽ、,ノ /ヽ,_
" l ヽ:::::::::::::::::ヽヽ. \ _,_,.、〃 /l | `゙'ー-、、 ────まさか本物の妖怪が実在するとはなぁ。
',\\:::::::::::::::ヽ\ \ 、. ̄⌒" ̄/:::::| | `ヽ、
\\\;::::::::::::\\ `、.__  ̄´ ̄/::::::::::l | \
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ (たぶん、おっちゃんの友人が持ってきたのかお)
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::\
|  ̄ | ちょっと見てみるお、妖狐、妖狐……と。
\ /
543 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:11:47.22
ID:3r2/OEko / ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ (絶世の美女に化け、男を誑かす……)
| (●) (●) |
\ ∩(__人/777/
/ (丶_//// \<ペラ…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【妖狐】
古来より、狐は百年を経ると(千年という説もあり)妖しく奇怪な力を得る。これが妖狐、もしくは化狐と呼ばれるものである。
妖狐には幾種類もの異なった形が存在する。空狐、白狐、地狐神、おさき狐、管狐、九尾の狐など。
注目すべき点は、妖と化した狐のほとんど全てが、人に化けて誑かすという点である。絶世の美女に化け、男を誑かす。
有名なのがたった一匹で三国を滅ぼしかけ、日本にやってきたという九尾の狐に関する逸話である。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ (絶世の美女……)
| u (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
r┐
{, --r 、 r=L.7
_ /.X\'ーヘ. l 〉
r' ̄「 \ {/f:i f:iYj }/ / ,r_‐-、
 ̄{L. t.fZ{ ¨r-┐「 } / ,ィ 了ー ヘマ >┴‐' (いろいろ、無理があるお……)
` ー 、` T T´ヘ} し' /: : : : : 「
\\'_}┐ /.:: : : : : ::/
丶└'´_/:.::.:: :; イ「
', 「::.:.ー.:イ::::〃
└」: : :  ̄{='
{:: : : : :.:|
\:. .::.ノ
└L. 」
| |
}ー1
{ーリ
└'
544 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:12:50.22
ID:3r2/OEko __ __
/(_` l⌒o }
. ,′/ `ヽミ-vイ
rv^O O'`r{ ああ、そういえばこれだけは言っておくかしら。
. ハヘ. l ̄| 厶
_/^>`ニ-ィ ハ
|__| l 仁l|V介イ 仁! 〉 これから、やる夫くんとカナは神沢市に行って、
r{_}`ヽ┬ 、_fニヽ | 普通に暮らすのよね?
<V厶′ / VL {| ∧
/ / ヽ └ '′ ヽ、
. / _,. -'´ヽ / `ヽ、 ___〉
____
/ \
/ ─ ─\
/ (ー) (ー) \ ……まだ、どうか分からないお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / おっちゃんに迷惑がかかるようなら、それはやめるお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | ただ、カナとは一緒に暮らしたいと思ってるお。
\ /___ /
_,. -―- 、,.-‐、__
__ ,/.:.:.:.: ,-― ' ,.- ヮi {
〃、ヽ.:.:.:.:.:.: } ┌‐ヒ薔ハ y !{
亅/.:.:. 〉、.:.:. ヽ\へ〒ヽ_ノ、
亅i.: l.:.,' `  ̄ =--、l」ニ´i_〉!
……それは別に構わないかしら。 ∨:.{ _, /x‐=、i!ヘY.:.l!
. ヽ:ヘ ,=、 弋_ソ l!ノ//
でも、カナは学校には行かない。 . ヽ: ゙ラ、i::リ /.:/.:i__
゙{::ハ、_ ` っ /シ.: ,イ ヽ
レ-{゙ー.i/jト、-‐ノ:/.ィ ',
/ 〈ニ/ノ}{ヽヾj .;.:. ノ ハ
545 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:13:49.59
ID:3r2/OEko ____
/⌒ ⌒\
(ヽ /( ●) (●)\ /) どうしてだお?
(((i ):::::: ⌒(__人__)⌒::::\ ( i)))
/∠ | |r┬-| |_ゝ\ 分からないけど、きっと楽しいお?学校。
(___ `ー'´ ____ )
| /
| /
,.'´ ,rー≧~~~`ヽ
<´: : : : : : :{ (⌒~'⌒ヽ.ム
. ,へ : : : : : :{ レ‐{薔}ニ].} ……分かってないみたいかしら。
l: : :i`゙ー- 、_ゝ、,く_l::!、∨ノ
'; : :! __ `゙=‐l::lハ:;〉 はっきり言わせてもらうけど、
. '; :ハ,.-r.、` ´ゞ' 7/)ヽ カナは、「ニンゲンという種」が大嫌い。
〃八. ゞ' , /'⌒ヽ
゙ '⌒ヽ、rvy.、_ィ_ |=シ いや、嫌いというより、憎い。
ヾ,-‐{y′ ´r‐'ヽ. ラ-、 ……殺したいくらいに、憎いかしら。
∧ラ ヽ、 ヽ.、-.!、 ヽ
.ハ └' r'7 { ヾ;j .! ハ
i {. ヽ バYヾ!| }
:、 ノ ヽ∨. ', }、. | 〈-┐
____
/⌒ ⌒\
(ヽ /( ○) (○)\ /)
(((i ):::::: ⌒(__人__)⌒::::\ ( i))) ……え。えっと……マジかお?なんで?
/∠ | u |r┬-| |_ゝ\
(___ `ー'´ ____ )
| /
546 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:15:12.76
ID:3r2/OEko ____
/´ ', ヽ \_f´ ̄`¨ヽ /
{! ,.-\ マ二) | . : :ヽ, -―- 、 ……大マジかしら。
ゞ、/ : .\ ::. L-- 、: :/
入 ̄ , -_‐≧:. 、 _ イ―-ゝ:_/ 理由は……教えなくても、
/ \/´ . : : 〉  ̄イ⌒ト| : :/ その事実で充分じゃないかしら?
| | ,_‐'´ ̄`ーく. TT L --、j
__ , -、 _/_ ` ヽト、| l  ̄:.| l
/_)__),><.`ヽ ヽ ト、 ! |ト、lー┬:」 {
/ ̄ヽヽ. // ̄ ヽV ハ } | ヽj/ | \/ \ ', ハ
____
/ \
. / \
. / ― ー \ ……人間の事、好きなんだと思ってたお。
| (●) (●) |
. \ (__人__) / やる夫の事、助けてくれたし……
. ノ ` ⌒´ \
/´ ヽ
/ィ' // \ `丶
/ ´\ / 〃  ̄ ̄ 丶、r~'_ー、,>ー-\
` ー─`-' {  ̄ `丶 f´ 〃Y≠ミヽ じ, ……好きだなんて、一言も言ってないかしら。
. ' /\ } {{ {{f泌}}ソ〉 ハ
|i l \ \ゝ_ ゞ ゝ=ーイ/ r┘ i やる夫くんの事だって、10年来の付き合いだから助けただけ。
!l | __ \ __\弋_`  ̄´_,.仆 l|
、い `ヾ '´-‐ ̄`ヽ`Y´ l 〝 それ以外の人なら、放っておいたかしら。
ゝ',圷、、 , r 〒 ア Y ⌒Yl //
〃´i `┘ ー┴'′ /ム^} /イ
547 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:16:11.48
ID:3r2/OEko _-─―─- 、._
,-"´ ゝ \
/ ヽ
/ ::::/::::::::\::ヽ
| / ヽ `::::´ /`ヽ ……
l ( ○ノ::::::::::ヽ○.;l
` 、 (__人_) .;/
`ー,、_ /゚
/ `''ー─‐─''"´\
,. -―‐ ー- 、
_ / \
/ ` ー- 、 iソ´ヾl ,、_ ハ
// ,〃 \ 、 >!<,j- 、__ヽァ ', だ、だから安心するかしら。
l/ l/ ` ー=(,〉 {薔}-' ノr' ハ
丶 !i ゝ'i_ィ、‐、" .} その、やる夫くんは嫌いじゃないから。
', -' `ー >-、 /
! ━ ━ r=っ У 10年以上の付き合いだし、弟みたいなものかしら。
. /ハ |l _'_
゙ 「 、 n ,.ィ゙_ i そんな、捨てられた子狐みたいな顔しないの。
´ニユ_>-rr彡´ノt=ュァ_´ー 、
. /└‐、7((ニアトゝ) 'ーァ‐' ハ
,'⌒ /`´ /`イll ! ̄ テ ハ
ヽ_ノ i / l ljl.j / / ハ
く | ヽ _ _ノ ', 〈
. / ! i彡ア、< / ヽ
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\
/ (__人__) u \ そ、そんな顔してねーお!
| ヽ |!!il|!|!l| / |
\ |ェェェェ| /
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
でも、それはカナにとって、人生の20分の1でしかないんじゃないか?と、……聞こうとして、やめた。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
548 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:17:05.15
ID:3r2/OEko ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
どうして、と聞きたかった。人間の事を、嫌う理由を教えてほしかった。いつかやる夫も、嫌われてしまうのか?
────聞く勇気が、ない。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. \ : : : : . .( j ) u /
\: : :: : >ー-‐'=ー-ー< /
/ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ\
: : : : : : : : :``ー- -‐'"´ \
: : : : . : : . : : . \
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
森に居続けた謎。母親が見えない謎。彼女自身の謎。
……全てが、やる夫の手に余る。考える余裕が、なかった───────自分が、無力だと思う。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
549 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:17:57.73
ID:3r2/OEko ,〔 < / ,.-r‐、. `゙<}
/ \ `ー {|v‐fi、{薔}i ,l}
i 7ー--、 ヾヘ二ニ!\∠} だ、だからそういう目をしないでほしいかしら。
! ,/ `゙ー\,,..-‐'" !
', ,/ ,..-‐ ー‐`゙ー-、 | 別に、いますぐやる夫くんの前から消えたりしないし……
! ,/ ,.- 、 ィ´;;;`ヽ,!,-、 !
レi /ト;;;;i.j. 弋z_ ノ i リ′
. ⊂ ヾ! 弋zノ 、 ` ´ .!ノ そんなダンボールに捨てられた
⊂ i ト、 /! ̄`) __ 涙浮かべる子犬のような顔はやめてほしいかしら…
ヾ > 、⌒ヽ ィ'i-r==ニニ´
r‐、 / _〕ー rァ、イ‐-〔_,,.-―|
r 、. ヽ \/!ヽ,ァフ `ヽУ .〉!Ti--' i´,==′
ゝ \\ ヾ i、ヽ,.-‐⌒!∨| !。!.! `‐ア |
_> `゙ ヽ `ーァニ´7 | !。'ハ `〈.}
Zr ! \ ,. ) Z〔 ! ! ! ヽヽ ,リ
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\ だ、だからそんな顔してねーお!
/ (__人__) \
| ヽ |!!il|!|!l| / |
\ |ェェェェ| /
550 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:19:10.09
ID:3r2/OEko ___
/ \
/:::::::::::::::: \
/:::::::::::::::: \
|:::::::::::::::::::::::: | ……変な例え、すんじゃねーお。
\:::::::::::::::: /
| ::::::::::::::: | iヘ
| ::::::::::::: ゝ__/
| :::::::::: /
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
─────きっと、この世の終わりのような顔をしていたんだろう。
やる夫は、本当に無力だ。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
551 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:20:07.96
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第三話 『やる夫』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
553 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:20:47.36
ID:3r2/OEko |
| |
| |
| | _______
| ______ | || ̄ ̄ ̄||| ̄ ̄ ̄||
| || ̄ ̄ ̄ ̄|| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| || ||| ||
,'| | || || |l二二二二二l|| || ||| || 『名前?』
|.| | || || ||_____||| || ||| ||
|,' | || .0 || ||_____||| || []|||[] ||
__ | ⊂⊃ || || ||_____||| || ||| ||
../ /.|――n| |___.||____||____|l_____l|| || ||| ||
/ //||_.n/||.ー‐' L二二二二二」|_||___|||___||_
l'|  ̄| |、 /||. ||/||. ________,,
l.| | |/, '| ||レ!'|| ./ /l
,,l.|__|,,/ ,,l| ||/~ / //ll
| | l,, "/~ l二二二二二二二二l/ ~
| | |/ |_|,! |_|,!
|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:;」
├r―――┴――一 ''' ""三 ̄´::::::ヾ
/::{ ィ'三) (三ヽ ,ッミ::::::::::::::::ヽ うむ。苗字と名前を決めてくれ。
{:::シ ~´ `ヾ、:::::::::::::::::l 流石に本名のままでは色々と都合が悪かろう。
l:::l ,. ニ 、 :. .: ,r ニ 、 ミ:::::::::::::ム、
l:::! 'イでiン、 : :. ,イでiンゞ:.:. ミ::::::::::/^い 出生証明書の欄は書き換えてくれるそうだから問題ない。
. l::l :.`^"´ノ.: :. ヽ`~´ノ:.:.:. ミ:::::::イ リl
. ヾ! ` " ´ / ::. ` ´ ミ:::::/ム_ノ/ 麻呂は少し休むから、その間に決めるでおじゃる。
'i, ,' '^ヽ ミ::::l 'ー' /
'i ヾ'ー ''"く、 j::::クーf′
554 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:21:39.82
ID:3r2/OEko ___
/ \
/ _ノ '' 'ー \
/ (⌒) (⌒) \ 分かりましたお……その、本当に、ありがとうございます!
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、 ……なに、朝飯前だ。
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,l l:ヽ
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、 気にするでない。じゃあ、決めておけよ。
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ
_,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'." / / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_
一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶、
ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
`丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '" /
___
/ \
/ _ノ '' 'ー \ (感謝してもし足りねぇお……起きたら、もう一度お礼を言わないと)
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
____
/ ⌒ ⌒\
/ (● ) (●)、 それじゃあ、名前を決めるお!
/::::::::⌒ (__人__)⌒\
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
> <
555 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:22:33.68
ID:3r2/OEko ☆ 。 ; ’
゜・。゜゜. . ’
。. ; ; 。
,.
☆ . ::゜.゜。・゜゜゜゜
+ : ::.゜。 ゜・。゜゜.
☆
; ’
゜・。゜゜. . ’
゜。. ;
☆ 。
。 ☆ . ::゜.゜。・゜゜
; ’
。 ゜・。゜゜. . ’
。☆ ・゜゜゜。. ;
.゜。 ゜・。゜゜. . ★ ・゜゜゜ . ,.
_______________ ☆ . ::゜.゜。・゜゜゜゜ 。 ・
./\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ + : ::.゜。 ゜・。゜゜. . .
/ /\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ 。 : ::.゜ ゜ ゜゜。・。゜゜... ゚
./ / /\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ . .: ::.゜゜゜゜・゜ +
/_/_/__. \ \ \ \ \ \ \ \ \ \
/}
_ !l ,.- 、
//|| ̄ `ヽ⌒',
/ / ヘ入ヽ ∨
!| //ー, \, } ……やる夫くん、一言いいかしら。
l .// ○ ○{
\(⌒リ" △"ノ
{こ.フ>、ー,.イ
〈二}/ ∞Y_〉
└ 〉 ハ〈┘
/ ヘ
/ ̄ ̄ ̄\
γ⌒) (⌒ヽ
/ _ノ ノ \ \ `、 『悩みすぎ』
( < (●) (●) | )
\ ヽ (__人__) u/ /
557 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:23:20.31
ID:3r2/OEko ____
/ ∪ \
γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ んなこと言われても、一生の名前だお!
/ _ノ (>)三(●) \ `、
( <:::∪:::::(__人__):::::∪| ) ……そういや、カナはいいのかお?名前。
\ ヽ ::∪::::` ⌒´∪:://
__ __
/(_` l⌒o }
. ,′/ `ヽミ-vイ
rv^O O'`r{ カナは別に名前を変える必要ないかしら?
. ハヘ. l ̄| 厶
_/^>`ニ-ィ ハ
|__| l 仁l|V介イ 仁! 〉
r{_}`ヽ┬ 、_fニヽ |
<V厶′ / VL {| ∧
/ / ヽ └ '′ ヽ、
. / _,. -'´ヽ / `ヽ、 ___〉
____
/ー ─\
/ (●) (●) \ あれ?そういえば、カナにも本当の名前、あるんだお?
/ .(__人__) \
| `⌒´ | カナって名前は、やる夫がつけたんだし。
\ _/
ノ . 厂
559 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:24:02.31
ID:3r2/OEko ヒ=ニム u ,Tー-->
( 三三.> 、 ´ ̄` (三三)
レ' /{ i≧ ー t≦'´ > '//
. / ̄!v.//_ r'⌒ ̄| ̄⌒t__レ//― 、 え、えーとその、あるはずなんだけど……
/ i! Yi >< ,√ロ弋、 | .〃 ヽ
. / ヽ, | / /| |ハ \ !'./ ハ 実は、覚えてないかしら。
. / 'i >-, / ,! !. |y‐、! ノ/ ',
/ 丿 / /)___|. |_/ヽ、\/ ハ
i /i ' /) O .}- 、 } ,i
ヘ / / ! ' , } !,__ ハ、 /
} ,イ }y. /-' O ヽ、 .// `ヽ、 ヽ、
! / | ハ /\ 入 // | ハ
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ まぁ、200年も生きてればそういう事もあるのかお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / じゃあ、カナはカナのままで、いいのかお?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
ィ , / 、 、 rヘ_ -、゙r,。ミ}i}
/ | / , / \\´:::_;ィ、__ンぐ
! レ′//_ --- ‐ \_ Lヽ 〉:)
! i! i ,.-、 、 \`} レィ-/'´ やる夫くんがつけてくれた、この名前
l 〃`=, イ辷.ソ ` __ -ヽ 7У とっても気に入ってるの!
ヽ! リ〃 ヾ- ' ィ升iy'/´
,〉-i! "" , ゙--"〈)
,/ ヾ--t‐' ー - ""/´゙ヽ だから、このままでいいかしら。
,' ,-=V-、 ,.---, __,/`ヽ }
ヽ、,ノム´ ,.イフ´ .‐夭´`_r、=、_ノ´
560 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:24:55.46
ID:3r2/OEko ト:::::::::`''- ..,, ;;;;;;;;;;;;`'' -...., . .- ''´|
i:::::::::::::::::::三 `'' - ..,,;;;;;/;;;,,..-'イ;,
/ニ、::::::::::::::::三 、;;;;;; `"´ ,,,,, i;;;i
{ ( _',::::::::::/ "" |/
', '<i ヾ:::::::i 、、,,三、 ,,.-、 i ふあーぁ……よく寝たでおじゃる。
',、ヾヽi:::::i '-ヽソヾ /,'ッフ、i
ヽ__.. i::::i 、  ̄ノ | ;ニ ノ.i 名前は決まったか?
ノ,.-| i::i | i
. i,ィ''"', /、_ :::: /
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (ー) \ あ、おはようございますお。
| u (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / それが、まだ決まってないお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
|:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::|
|_____________,l_|
,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::|
/_,, --―――‐t―――----┴-{
/三ミミ三三三三三 r―、 rミ、 ふむ。何か身近なものをヒントにするのも手でおじゃる。
,'三ミミ三三三三三彡' ` ̄ ヾ'i
,'三ミミ三三三三シ´ _,. - 、 : _ l、 家の中のものは自由に使っていいぞ?
,'ミミ.r==、三三三ミ .:.:.:.:ィ'ら"i、.:. :,らッ' そうじゃ、そのPCなどどうじゃ?
l三{/ノ入 \三三ミ .:.:.:.:.``=゙^ .: 'iー{
',三!l fラ人 ヾ三ミ ', ゙', まぁ、今日一日はゆっくり考えるといい。
ヾ:tヽんぅ ',三シ ,r __ ) ! 麻呂は買い物に言ってくるでおじゃる。
丶丶二,ノ l三'゙ / ,. `´ 'ーイ,'
561 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:25:50.15
ID:3r2/OEko / ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ (身近なもの……)
| (●) (●) |
\ ∩(__人/777/ なるほど。いってらっしゃいだお、おっちゃん。
/ (丶_//// \
-――- 、
, ヽ \ \ ヽ
/ /ヘ 、 , _‐_-、, -_-、
,. / ヘ { l , rー┐、!}
| l´` \ く 人_人 > ……やる夫くん、それは何かしら?
l l \ | |l |/!
{!| O O lL!L!.ノ}
Yヽ" 、_ " .ノ{_.」
「二} r― 、/ ̄」ー{_}
〔二!└‐ イl ̄ l {._」
,ィ/`i {._/_|_.ノ r-、}ト、
//!_ ,イ / | L Y}ハ
{ ∟イ 」} ハ 匕ノ_丿
____
/ \ これはパソコンと言って、男の夢が詰まってる機械だお。
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ そのうち、カナにも教えてあげるお。
| (__人__) | ___________
\ ` ⌒´ ,/ | | |
ノ \ .| | | (デスクトップがZIPだらけだお……
/´ | | |
| l | | | おっちゃんも一人身で寂しかったんだお)
ヽ -一ー_~、⌒)^),-、 .|_|___________|
ヽ ____,ノγ⌒ヽ)ニニニニ _|_|__|_
563 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:26:50.60
ID:3r2/OEko /}
_ !l ,.- 、
//|| ̄ `ヽ⌒',
/ / ヘ入ヽ ∨
!| //ー, \, } ニンゲンの機械かしら。
l .// ○ ○{
\(⌒リ" △"ノ やる夫くん、そういう特技もあったのかしら。
{こ.フ>、ー,.イ
〈二}/ ∞Y_〉
└ 〉 ハ〈┘
/ ヘ
____
/ \
/ ─ ─\ むかし、先生に習ったんだお。つっても、病院のPCでできるのは
/ (⌒) (⌒) \ 単純なネットサーフィンと備えつきのゲームくらいだお。
| (__人__) | ___________ まぁ、他にも色々習ったけど。
\ ` ⌒´ ,/ | | |
ノ \ .| | | (姫騎士アンジェリカ……
/´ | | |
| l | | | おっちゃんも一人身で寂しかったんだお)
ヽ -一ー_~、⌒)^),-、 .|_|___________|
ヽ ____,ノγ⌒ヽ)ニニニニ _|_|__|_<カチカチカチ……
564 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:27:45.20
ID:3r2/OEko ________
| ______ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| | / .::::::::::::::::::::::\
| | / ..::::::::::::::::::::::::| (2ちゃんねるだお……人妖板もまだあるお
| | .| ...:::::::::::::::::::::::::| 子供の頃、ここ見てひどく落ち込んだもんだったお
| | | ....:::::::::::::::::::/
| |____ ヽ .....:::::::::::::::::::::::< ニュースは……相変わらず人妖関連。
└___/ ̄ ̄ :::::::::::::::::::::::::| 「前原圭一」がドミニオンに「処理」された……
|\ | :::::::::::::::::::::|
\ \ \___ :::::: なんか祭りになってるお。
____
/ \
/ ─ ─\ (ニュース速報……)
/ (●) (●) \
| (__人__) | ___________
\ ` ⌒´ ,/ | | | ニュー速……なんか胸打つ響きだお
___/ \ | | |
| | / , | | | ニュー速…入速出…ニュー速で…
| | / ./ | | |
| | | ⌒ ーnnn |_|___________| ……これだお!
 ̄ \__、("二) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _|_|__|_<カカカカカカカカ……
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ (入速出 やる夫!)
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\
| |r┬-| | 決めたお!「入速出 やる夫」だお!
\ `ー'´ /
566 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:28:16.69
ID:3r2/OEko _____
,r< `¨ー- 、
,.-' ´ ヽ. `ヽ、_ rヘ-、_,
/ ヽ、 ヽ `ヽ、 ,}i'⌒'¨ヽ
/ ト、 {l ヽ,_rェノ、
. / i `ー'‐―、 ヾ、彡!薇i〉
. l| ,′ 丿 `ヽ、kソi〉)」 入速出……やる夫。
| / / / '´ ̄` ,.-、l∨ lj′
l li / / 、y'ー,ヽ | ii「^ あれ、じゃあやる夫くんの呼び方は、
i ヽ ! r-、l| (if(Jl〉 ,r'ー、ヾソ あんまり変わらないのかしら?
ヽ ヽ | 6.ノ 、、, ̄ !iノ/ /
\ハ `ゞ、 丿 ̄ l==、
`ヽ,.-'⌒! _, ノ .))
/::.:.. ト、 ` / _,ン
,.厶--、r‐'彡〉!> rーr‐ <
. / \ィ!Zニソ ハ!二ニIー'^ヽ、
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | | もともと「やる夫」は患者番号をもじったあだ名だお!
/( ●) (●)\ ! !
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l この呼び方を知ってるのは、今じゃカナくらいだお。
| |r┬-| | /
\ ` ー'´ // だから、やる夫は本当の意味で、やる夫になるんだお。
/ __ /
(___) /
_, -──‐- 、、
入 `ヽ ̄`ヽノ二ニy‐-、
,r' /.::::>、.:.:.:::::::{,/⌒Y⌒ヽト、
/ /.::::/ \.::::( ,〈薔〉、 / j〉
,′,イ/ \:ゝ彡ニミノ;::イ それじゃあ、カナは……
!レイ/ ``ヾ、 イ:::i:/
〈川j '" ̄` ´ ̄`` ゙,;;;;;;;リ 入速出 カナかしら。
`ゞj! ,r=ュ ,r=ュ i;;;;/
}ト、 / / / 丶 / / / _ソ ……うん。悪くないかしら。
_>‐ 、 l⌒7 /⌒〕
に 二ニ j>ュ、二 _, イ.:V⌒〕_ ちょっと変わった名前だけれど。
,ィ ´ ̄〔二_〕::,ィ仝>、::::リ〔二〕 \
〈/ に7::://::::l i::::::::に7 l
567 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:29:12.60
ID:3r2/OEko |
| i'i~7ニニニニニニ }II{ ニニニニニニi~i'i
| |,lll::::::::::::::::::::::::::::::::| ||:::::::::://:::::::::::::||l |
| | l|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::::::::::::::::::|i l
| lニ|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::/ /::|ニl
| |li|::::::::::::::::::::::::::::::: | ||::::::::::::::::::::::::::::::::::l l|
| l. | ::::::::::::::::::::::::::::: | ||:::::::::::::::::::::::::::::::::|| l|
| ______|,l|l ::::::::::::::::::::::::::::: |_||://:::::::::::::::::::/ i i|___ 『ふ~む』
^ー'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ^ー'
. /´`l
// .l__ ,. ── / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /l───‐- ,
l`ヽ / /l. / //」 . /
| |/ / / / // /
|  ̄ ゙̄l/ l二二二二二二二二二二二二l/ /
 ̄ ̄ ̄ |_|,l |_|,l /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【麻呂邸宅 居間】
./ミミミミミ、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ー-;:;、;:_;:;_:;::-‐'"´i
lミミミミミミミミミー-::、;;;;_;:;:;:;:;:;i;:;:;:;:;:;:;:;:i
,!ミミミミミミミミミ _;`-、;;;!:-‐'''´|ミi
//`,ヾミミミミシ‐'″ 'ー‐' : 'ニフ' i;/
l l ,rヾミミミ _,,,,, ノ _,,_ l なるほど。患者番号をもじって「やる夫」と呼ばれていたのか。
',ヽヾ、ヾミミ ィで)ヽ、 r';ィび、.ノ
ヽ、__,, ミミ `゙゙'''"フ` | `゙'''フ'i それを、自分の名前にすると。
〃 i l ミミ /´ | `ー'´l ……知るものもほとんどおらんとは言え、手がかりは残す事になるのう。
/ヾ.l ミミ /' | /
. /:::::',ヽヽ` / ` `゙ー-' / 追う身からすれば、患者番号から結びつける事は難しい事ではないかもしれん。
r/::::::::::',ヽヽ i:i ', /
/::::::::::::::ヽヽ\ '"ー===-'/ ……なぜ、そのような名前をつけようとしたでおじゃるか?
ヽ:::::::::::::::::ヾ、 ` 、 ゙'一''ー'ノ′
、 \:::::::::::::::ヽ ` ー‐-t't::i´゙ー-、
.`-、 `ー-:、::::::ヾ'、 //:::l ヽ `゙ー- 、
569 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:30:08.36
ID:3r2/OEko ____
/ \
/ ─ ─ \ ……名前を何もかも変えてしまうと、過去を断ち切られる気がするんだお。
/ (ー) (ー) \
| u (__人__) | 「あの病院」での10数年が、全部無駄になってしまうようで……
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ 嫌な思い出も、沢山あるけど、捨てたくないお。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 | うん、我ながら、馬鹿な思い込みだと思ってるお。
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
l`ヽ、-―- 、 _
/| l \_ `ヽ、
{, '´い //⌒ヽ \
/ ム \{_レr行ミ⌒ヽ `、 やる夫くんの好きにするといいかしら!
l ー'´ ヽ、Vヘ_彡ヘ. ノ l
ノ 、_, `ヾヽ _>彳 | 追っ手なら、何人来てもカナ様が皆殺しにしてやるかしら!
「 xx ̄xx _V l l
lr‐1 》⌒! | /
ヽ/7┐ ヾ==彳_,ノ ノ /
_rク/ / r'⌒ヽ、__ /
__/)'´ 丿rク{ ̄ _〕仁ニ、 \
/{{くヽ._,.ィ-‐兀/l:レ―ヘ / ̄`ー- 、
_, -‐'´ ||厶|¬t┴ / ゚/└rー、ノ, l
「 ll ノ|く rこ7 。//{三ヲ l n|
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\ ありがとう……じゃねーお!
/ (__人__) \
| ヽ |!!il|!|!l| / | サラっと恐ろしい事言うなお!絶対ダメだからな!
\ |ェェェェ| /
570 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:30:59.96
ID:3r2/OEko ', /.: ミツ/ー'′
', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、 まぁ、麻呂の意見に全て賛同する事はない。
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,l l:ヽ 大事なのは、「お主がどうしたいか」でおじゃる。
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ お主が決めろ。リスクを背負うも背負わないも、
_,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'." / / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_ お主が決める事だ。
一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶、
ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
`丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '" /
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ
| (●) (●) | (……やる夫は)
\ ∩(__人/777/
/ (丶_//// \
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ
| (ー) (ー) | (……過去を内包させた名でありたいお)
\ ∩(__人/777/
/ (丶_//// \
571 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:31:58.23
ID:3r2/OEko ∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ } ・
/⌒ ⌒\ | | 俺は……今日この時から「入速出やる夫」だお!
/( ●) (●)\ ! !
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | / (自分で自分の道を決める……
\ ` ー'´ // こんなに楽しいなんて、思わなかったお!)
/ __ /
(___) /
/:::、::::::、::::::、::::/::::jL、
/:::/::/\:::\:::辻-く仁、
i::::i::/__ ` ー ミ _∧ ニ/{
l::::レ.ァニ、ヽ ィニ、ヘ_ノレ' それじゃあカナは、入速出カナ、かしら!
゙:」 ´込ソ . 込ソ i::/
/∧  ̄ r==┐ ̄ ∧ヽ
, --、 {!`ーヽ. 、___ノ メー' i}、
/ ̄>-、」::_:_:_-:i>┬<!:-:_:_:_:」i
/ / / ト、7∠イ::i⌒i:::iヽ:ニ:ニ:ノ\
_ヽ ´/、 __ニ」:::! ゚ i:::l〉=:、. .ヽ \
572 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:33:00.70
ID:3r2/OEko 「;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:}
ト、;:;:;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:;: --―;:''"´;:_」
{::ト、:;:;:;:;:;:` '' ー―――;:;: '' "´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_ ,.ィ彡!
l::l 丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -r==ニ二三三 }
',:i r- 、、` ' ―――― '' "´ ,ィ彡三三三三三/、 ホッホッホ。
|| ヾ三) ,ィ三ミヲ `丶三三三三三ん',
lj ゙' ― '′ ヾ三三三ミ/ )} それもよかろう。
| , --:.:、:.. .:.:.:.:..:.:... 三三三ツ ) /
| fr‐t-、ヽ. .:.:. '",二ニ、、 三三シ,rく / だが、見つかる可能性は減らす努力はせんとな。
l 丶‐三' ノ :ヾイ、弋::ノ`:.:. 三シ r'‐' /
', ゙'ー-‐' イ: : 丶三-‐'":.:.:.. 三! ,' /
', /.: ミツ/ー'′
', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::\ ……努力?
|  ̄ |
\ /
____
/ u \
/ / \\ !?
/ し (○) (○) \ 『整形でおじゃる』
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ /
574 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:34:13.74
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
. // | | /| | // | | /| |
.// | | /. //| | // | | /. //| |
| | // / .| | / | | //. | |
| |/ | | /| |/ | | 『いらっしゃいませ』
| | | | //| | | |
| | _ | | _ | | | |__
三三三三三三三三三三三 ..|\\蒜蒜\\.三三三三三三三三三三三三三..|\\
\ 日 \ :| \\蒜蒜\\ \ 日 \ | \\
\. \ \ \ \\蒜蒜\\ \ 日 \ \ .\\
 ̄|ヽ \ \ \ ..| ̄|ニニニ| ̄|\ \ \ \ | ̄|
| \ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||\ ゙\| |.. ..| | \ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||\ .\| |
 ̄ ̄| || ||\| ̄ ̄ | |  ̄ ̄| || ||\| ̄ ̄ |
 ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
【???? 喫茶店】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
575 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:35:05.39
ID:3r2/OEko ヾ、 } ∧ _ _ | { | ( ヽ
}) ,′ /ヽ. ∠大、__ヽ `ー \
/' ,′ , }>、 __r―' /⌒{_∠ヘ丶 ヽ\
/ / / | << _/} ノ \>――-、ヽ \ ……紅茶をひとつ。
〃 / / | <⌒Y / ≦== ” ___/⌒、_> )
. // / / j _ケい / }>、´
. // / // ̄`>‐'《薔)'〈 ___ _,/ // ヽ
(〈 / >ャー―' _/ / // 丶
\ / / {\__ィ、__入ノ`ーソ \ >、(_ ハ カシコマリマシタ>
))' / ヽ / 廴 ゞ、/ く { | {`ミ 、 '
/ソ / / / } ノ }! | ∧| \ {
. // / リ { :::::::::...ヾ、_ ::::::::::::::: 八 レ' ト’ \{
───────────────────────────────────────────────
「……雨が降ってきたわね」 『ええ。この雨は、当分止みそうにないですね』
───────────────────────────────────────────────
,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/,
:'/ /' / / ,:'//,: ' / ' / / ,:'/ , :'/ /' / / ,:'/ ,: ' / ' / / ,:'
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, / / ,:'/,: ' / ' /
:'/ /' / / ,:'//,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/ / ,:'/,: ' / ' / / ,:'' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/ / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/,
:'/ /' / / ,:'/ /,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:' /,: ' / ' / / ,:'
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / '
───────────────────────────────────────────────
「……緊急という事だったけど?」
───────────────────────────────────────────────
l|.ノ::|::::l:::|i::::|/:::| /、 /:::::::/.|::l.|:: l
,ィ''〈 |::::j:::l !:::::::::| ヽ./:::::::/ jノ.l::/ ・ ・ ・ ・
/,.;:;:;:;//jメ ヽ:::::| -‐.T:::::/ j/ 病院から、叔父さんが退院したそうです。
/{,.;.;.;.;.;.;゙ヽ, \.ヽ;::ト、 `ー-- -‐ ,:イ l::::/
/,.;:;:;l,.;.;.;.;.;.;.;.;ヽ, \N. ` 、 ー /|/ .|::/ 医者はまだいいって言ってたんですが、
;:;:;:;:;:;:;:l,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.ヽ. ヾ、 /、゙ ー ' |/ ・ ・
:;:;:;:;:;:;:;:;l,.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;:ヽ、 \__. ヽ、::,\ ……強引に退院しちゃったみたいですね。
;.;.;.;.;.;.;.;.;.l:;.;.;.;.;.;.;.;.;.;:;:;:;\ /-、{;:;:;:,.ヽ、
577 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:36:01.46
ID:3r2/OEko / / / / / l | l } ヽ\ ヽ -─-ニ / 、\
/ | / /.// ! l | l | l ヽ ! /ヽ l\\_ それは一大事ね。
イ /// / /'j l | l .ノ/ /ヽ ヽ `ー-、ヽ 後でお医者様にお詫びしておかないと。
/ |// / //l | / l ! | / __ / \ \ | |
/ / / //l / l l/ /''‐-‐┴-、ノ⌒''ー'´ヽ、ヽ \ | | ・ ・ ・ ・ ・ ・
/ / // / / / / /;;;::-、_;;;::-‐、_::::::;、::::::::::>、 ヽ \| | そう言えば、叔父さんは、歩く事ができたの?
/ / /'/ // / /:::::::::::::::::::::::::::::::: ̄::::ヾ<,_ヽ \ | |、
/ // / / // /、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_;;;/_>、 、 | |、\
/ / / / // /::::: ̄`ヽ、_::::::::::::::::::/ ̄:::::::::::::::::::\\ | | ヽ
/ / / / /l 、 〈:::::::::::::::::::::::::`ヽ:;:::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ | |
、:.:.:..!:.lハ l /:.:.:|':l ヽ:!
ヽ:.:..|!:.:.ヽ ! /i:.:.:.i:.:! ヽ ────!
ヽ:.l.、:.:.:.ト、 ―‐ ―‐ イ:,l:.:./l:.'
:! ヽ:.:.:l \ ー- イ:.:./.l:/ .|'
ⅵ| 丶 / |ハ:! '
ハl ` __ ´ !ハ
/ l l ヽ
r‐--- ==..,
/:::::;;;;:::::::::::::/
/::::;;;;;;;;::::::::::/
/:::::;;;;;;;::::::::::/
/::::::;;;;;;;;;:::::::/
'┬-7¨t:;;:::/ <スッ… ……いまの所は。
___ / / / ̄
ヽ `y ./ /
l / / / __
. i.' / l/ j
| " ,, 〃ノ-、
| '‐'' ,r 丶
| イ `, '
_l /‐'
r‐{丶、 /
| l:::: `-.、_|_
578 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:36:54.45
ID:3r2/OEko // ./ / i |;ゝ , ヾYイ ' !`ト、\
i { / / ,' |', `‐-, - ,/| .| ! `‐`: 、
l ヽ / / / !ゞ、ヽ |`ト .. イゝ !__,,_」-+t_,, -‐二ゝ そう……ごちそうさま。
ヽ ヽ、/ _.ム‐/ /" \__,,へヘ-イ-‐" /ヽ-‐"
\ \,-' `‐- ' <ィ泌>.〉 -‐--,-,./. iヘ
/ 丶 ゞ ヽ、 _,,-、 `ゞXノ' _ /|`' } ヽ
/ )ヽ. ヽ__,, -‐< `ヽ|` T´ `" 〈 i`‐-二‐-- 、
. / _, ´ _入: : . . . . . . / └、ヽ|r´ ',: : : : ._,人t‐--、 ̄ ` >)<サッ…
,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/,
:'/ /' / / ,:'//,: ' / ' / / ,:'/ , :'/ /' / / ,:'/ ,: ' / ' / / ,:'
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, / / ,:'/,: ' / ' /
:'/ /' / / ,:'//,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/ / ,:'/,: ' / ' / / ,:'' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/ / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
/' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/,
:'/ /' / / ,:'/ /,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:' /,: ' / ' / / ,:'
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'
,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / '
I員TTTTTTTTTTTI _|_ ______ |FF|ニ|
_____________ /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~! iニi . .| FFFFFFFFF | /二ニ,ハ
. |IIIIlミ|三三|゙ ____|ミ| LL LL LL LL LL | iニi,___| FFFFFFFFF | |EEE|日
 ̄ ̄|!|IIIIlミ|三三| |田田田田|ミ| LL LL LL LL LL |ll.|__|.|==/\==|.| ̄ ̄|「| ̄ ̄
lllllllll |!|IIIIlミ|三三| |田田田田|ミ| LL LL LL LL LL |ll.| ロ ロ 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | 田 |「| 田
 ̄ ̄. |IIIIlミ|三三| | ̄ ̄: ̄ ゙̄|ミi LL LL LL LL LL |ll.| ロ ロ .|.l⌒l l⌒l l⌒l l´| | |「|
. . . |IIIIlミ|三三|| : :゙| | LL LL LL LL LL |ll.| ロ ロ .|.l⌒l l⌒l l⌒l l´| | 田 |「| 田
579 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:37:52.39
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
// ゝ \ ハ ヽ ヒイ!:: !::: \ \ \<フゥ……
, ' / __ .. --ュ/ \ | ハ _ -_, /!::::::!:: i::::: \ \ \
. / _,.. -‐_ ニ ― テ /' ::| ::::ハ ー /::|::::: !:. i::::::::. \ \ \
/´ , - '′ /// .:::| :::::/:::ゝ、 イ__::| :::::!:: |::::::::__ゝ_.. -──‐rー、 \, '
/ .// ./ .::::::| :::/::::::::::|::>-__ r⌒フ__ ヽ:::!:: レ ´: : : : : : : : : : : ノ:: ̄: \
/ // / ::::::::| :::イ :::::::: |::/ ノ_>ーr-√ __∠_ : : : `フヽ:::::/: : : : : : : : : : : : : :|: : : : :
/:: ' / :::::::::|::::/::::::::::::::,::::〉:⌒≦_ー-`V´: : : ::/: : : ∠::::::/: : : : : : : : : : : : : __ノ: : : : :
/ ::/ ./ :::::::::::::|:/:::::::::::::://_:_:_ rィt二フ<::: : : : /: : :/' ´: : : : : :----__-、_ノ : : : : : : :: : :/ /
/ :::::/ / ::::::: __ _::::::: / ::::::: く''弋<rー' イ: : : :ー ': : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : / /
:: , / |ヽ-- ' ´: : : : : : : `ー── ⌒ くメー‐ イ: : : : :: ⌒ヽ__ : _: : : : /: : : : : : : : :: : : : :/ /:
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
────冷たい雨は、嫌い。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
580 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:38:45.63
ID:3r2/OEko |
| i'i~7ニニニニニニ }II{ ニニニニニニi~i'i
| |,lll::::::::::::::::::::::::::::::::| ||:::::::::://:::::::::::::||l |
| | l|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::::::::::::::::::|i l
| lニ|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::/ /::|ニl
| |li|::::::::::::::::::::::::::::::: | ||::::::::::::::::::::::::::::::::::l l|
| l. | ::::::::::::::::::::::::::::: | ||:::::::::::::::::::::::::::::::::|| l|
| ______|,l|l ::::::::::::::::::::::::::::: |_||://:::::::::::::::::::/ i i|___ 『ホッホ、冗談でおじゃる』
^ー'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ^ー'
. /´`l
// .l__ ,. ── / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /l───‐- ,
l`ヽ / /l. / //」 . /
| |/ / / / // /
|  ̄ ゙̄l/ l二二二二二二二二二二二二l/ /
 ̄ ̄ ̄ |_|,l |_|,l /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
, 、、 ,,
, ' ____ " 、、
, ' /⌒三 ⌒\ ',
; /( @)三(@)\ ; 『実際は整形なんて大掛かりなものではない。
; /::::::⌒(__人__)⌒:::::\ ;
| u |r┬-| u | ; そうじゃな、簡単な変装じゃの。
\ u `,. -'"´´ ̄`ヽ ;
_ / (___ | ', 単純にカツラや化粧だけでも充分効果は期待できる』
,、' / | ;
、 ( ̄ | ;
 ̄ ̄ ̄| | ;
581 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:39:41.04
ID:3r2/OEko /、;:;:;:;:;:;:;:;:;ー-:;、_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
./ミミミミミ、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ー-;:;、;:_;:;_:;::-‐'"´i
lミミミミミミミミミー-::、;;;;_;:;:;:;:;:;i;:;:;:;:;:;:;:;:i
,!ミミミミミミミミミ _;`-、;;;!:-‐'''´|ミi
//`,ヾミミミミシ‐'″ 'ー‐' : 'ニフ' i;/ 検問にはカメラもある。
l l ,rヾミミミ _,,,,, ノ _,,_ l
',ヽヾ、ヾミミ ィで)ヽ、 r';ィび、.ノ シークレットブーツなどで充分じゃろうが、問題は歩き方の方だ。
ヽ、__,, ミミ `゙゙'''"フ` | `゙'''フ'i
〃 i l ミミ /´ | `ー'´l 顔はシリコン注入くらいしたいが……ダメか。
/ヾ.l ミミ /' | /
. /:::::',ヽヽ` / ` `゙ー-' / まぁ、それはこちらでなんとかしよう。
r/::::::::::',ヽヽ i:i ', /
/::::::::::::::ヽヽ\ '"ー===-'/
ヽ:::::::::::::::::ヾ、 ` 、 ゙'一''ー'ノ′ 一番重要なのは、「なりきること」でおじゃる。
、 \:::::::::::::::ヽ ` ー‐-t't::i´゙ー-、 少し練習していくとよい。
.`-、 `ー-:、::::::ヾ'、 //:::l ヽ `゙ー- 、
___
/ \
/ ⌒ ⌒\
/ u ( ⌒) (⌒)\ 『どれ、まずはカツラなんぞつけて変装してみるか』
i ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i
ヽ、 `ー ' /
/ ┌─┐
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ (あ、焦ったお……)
r ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と_____ノ_ノ
583 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:40:37.04
ID:3r2/OEko , '´ 、 `ヽ `丶、 ト、、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -‐ '":;:;:;:;:;:;:;_,.ノミ'、
, '´ / ,'^丶、 丶 ヽrvx_rx |:;:;:;:``'ー:;:;:;:''"´:;:;:;:;:;:;:_,. -‐='二三シハ
. / / ′ ,′ `丶、 \ { /了示k ト、_:;:;:;;l:;:;:;:;:;__,. - '"´ 三三三三彡ノ!
/ 〃 l| `丶、 {ヘ({_乂X} l:::l 二、― 'r―-,_ _三三三彡彡ニヽ
. ,' / リ __ \ {/:7^ハ::〉 ヾi `ー′:. `""´ ` ̄'三三彡片ヽl|
′ { l , /´ ̄ ̄ 、 `ヽ、ヽく∨r┘ '、 , - 、、 __,.. .. ,、_, '三彡'^> ノリ
. l l | ′/ >,ニ弌xヽ ィニン∨彳 l イで>、ヽ ':,ィ'で'>'" 三シ' f ノ /
. { 、 | l レ'´ 〃{フ癶j}` /斤!Fハ / …… l ヾ二フ ,! ヽ二彡'´ }ツリ ,、_ノ
. ! ヽレー、j l|l cゞ=′ 辷j ル'__ '、 l ,.、 u i 川 ├ミ'、
! {∠、 川l / ∨ / ヽ ,' '__)ヽ、 /``7>、
ヽ弋/__ / ___ u } レ'´ ̄ヽ ヽ /`ー'i´ \ / ///>、
厶イ,ゝ-‐¬ に= ―-′ , ′ / ヽ'、 、_,==ァ=-、_,} / /./////ト、
, ' ´ ̄ ̄` く _厶 ∠--、ヽ、_ / \ヾ二"´_,. ‐-.:.:/ /.//////:.:ヽ
`く彡,二フヽ / -‐=厶 ,. -/ゝ、':、_:' :、_ _:/ / //////:.:.:.:.ヽ‐- 、
/ ∨ ム=ミ>:-r‐Fマ´イ_ ̄`Y `丶 / /:.:.'、 ヾ"゙´ ̄ / / /////'′:.:.:.:.:.ソ ノ )
_____
,.≠´三三三三三三三ニ=-___
/三三三三ニr´ ̄ヽ三三三三二ニ=─-
/三三三三ニ/ ` ̄ ̄=ニ三三三ニ/
/三三三三三ム、 ´ ̄ ̄`ヽ `!/
/三三三三三ニ7 /´⌒ヽ._ j '´ 、
/三三三三三ニノ '´⌒ヽ三ニ`ヽ.__ ' _,.ィ'ヘ}
ハ三三三三三/´ !、 _ニ\三三ニ=〉 〉三ニ=1
!三ニ/^ヽ.三 | `ー`´ ̄ヽァ <j /‐、,-、/
、三イi´ノ!| }三.! / / | |ヽ ̄ ! (どうしてこうなった……)
ヽニ| / /1三.| / ' 1 | ヽ |
ヽ !、ん_ソ{三.1 / ! l ヽ.│
ヽニ\`ーl三 | / -__ナ_`.〉 |
Y´ `ー>‐' ' ' -ヽ/ ./
/ ヽ _,.==、 /
r-'7 `、 ,.ィ/´ ソ`ヽ. /
,ノ キ \ 、_,. ⌒ヽ /
\ `\ /
\ \ ! /
`ヽ ヽ.____ソ
 ̄``ー、 ``ー、 三三フ|`ヽ.
\ \ ./ | \ ※やる夫
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 19:41:14.03 ID:rDG18pEo
変わりすぎwwwwwwwwwwwwwwww
586 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:41:36.04
ID:3r2/OEko _r 、
, -_'゙ノ\`_f_ヽ_
/'´ヽ、!l_.>、_|)
, - ―‐:,○ ○――-'、 やる夫くんがいなくなっちゃったかしら!
ゝ_, ィ´__ ///// \ r'i
__ r、i「l /L`二二 ̄ヽ ヽ」ム _ ニンゲン!やる夫くんを返すかしら!
(__// {|´il , ―‐;----! 、/丶ノ イ l--、
// に)ゝ、 ____ ノ 入__〕 ヽヽ._ノ こんなのカナのやる夫くんじゃないかしら!!!
 ̄ ̄´《 / ┛┗ | l !_」 l |
イ | : / ト、_〃 ´ ̄ ̄
/ \../ ヽ
/ ,┻、 \
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,__;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l.
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_..-''"゛ `''│;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,..-'''" `<;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
:|;;;;;,iー-- ..---‐''″ ._........、 !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| どうしたお?カナ。
.!;;./ / ,,,,、 .i!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
|;;;| .../ ''ー、, ..‐゛ ../ :::::.゙,゙;;、, ヽ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.l___ やる夫はここにいるお。
|;;;.l ."._,..,、 . ` , ./ :::::::./ .゙'ミ'ッ.\;;;;;;;;;;;/´ ヽ
|;;;;;.!./:::::::゙'-、._,, .l .r‐-‐゙:::::::::./ _,.___./ .ヽ;;;;;;.! ,i-、 !
.!;;;;;l / ''''、:::::::"::} l .\,,,,....;;r'"´ .!彡- |;;;;;.! / . l !
.l;;;;;l/ l.:::::,/゙, ."` .、 ゛ ー'''" . !;;;;| .7゙ .ヽ| | おっちゃん、どうだお?
. , |..,!.ゝ..-''"´ .,ル‐.| ., `''-..、 l;;;;| .ゝ ./ │
.ヽ. |  ̄´ ,-| .,! .`゙'ー、 l;;;;! .゙''i ! │<ギロ
r‐┐ r、 _ _
r「l , -┤ \- 、 r'_`'´_ヘ
r/ ̄/ 、/\ \ {L._fこ}_ 」 }
r/ /_ /\ \ _ V|l 〈/ ヽ〉/ ヒイ!こっち見ないで欲しいかしら!
V⌒イ ○ -\ ! ヽ、 /
_{>L| , - _ ○ ヽ / `´ヽ} 超長距離から仕留めそうな顔つきかしら!
r「_}| |l_ト/ |ll⌒ムイ lj
{_j┘  ̄{. └- _ ,!, -- イ――… '´
Y/{二{j\ 「´ {__ 」
_/〈 〈/l_|ヽl | l_{-、┘
_r┘-_\__,. - ' |、〈_ ソ
, '´ L/l__ゝ 丶 \ソ
588 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:42:41.34
ID:3r2/OEko ',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡' _,,,,,,、ヽ;:;ィ''|
彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄ `゙゙ー' ;;;:|
. 彡i、ヾ (' ヾミニ三' __,,、 ....ノ / か、完璧な変装でおじゃるが、
彡ゝ `'' " |ミミミ' ‐'"ひi,;'´ ,ィ;;ァ'
'彳`ー‐i |ミミミ' `゙ーシ' |、ニ' 別な意味で検問を突破できるか不安でおじゃる……
--、/ i |ミミ u .,,r‐''" | ノ
く'ノ :i ミミ ´ ., ' |' ち、ちょっと変装の方向性を見直すでおじゃるよ。
、\ .l ヾ .ノ(_,,、. |
:\ヽ, ヽ / `t‐一'
./..../ / /:: | :|: | :∧、 :::::ヾ
.// // /:: | | : | |:: ::|、 :::ヽ
. / /: /./::: | :| | |: __;:|、 :::|
/.../../ \|/::: |:|__, -||' __,-l、 :::|
///:: \| \ _,- '| __,-|‐' ::::::\.. :::| これで、どうだお・・・?
/ | ___\|| |||: _二____ :::::::| :::|
.. |  ̄ ̄ ̄oラ ≡  ̄ ̄ ̄o ̄ ̄ :::::::|.../⌒i :::| この変装なら、完璧っ・・・!
| ` ‐--‐/,::::::: ` ‐---‐ '´ :::::::::| .|l⌒l:| :::|
. | ::/,::::::::::: :::u:::::|..|l⌒l:| :::| 誰にも見破られる事はないっ・・・!
. | :/,::::::::::::::: U ::::::::::| ||6: | ::::::|
. │ /,::::::::::::_::) :::::::::::::|.|__ノ :::::|
.. | .(.:: ' ______ ::::::::::/l ::::|
| (______) :::::::::/:::/ :::|
. | :::::::::/: :::/ :::l
l ━━ ::::::::/:: ::/ ::::: :::l
/l :::::/:: ::/ :::/\:: :::|
/. ヽ ::::/::: :/ :::::::/ \ ::|
.. / ヽ ::/:::: ::;/ :::::::/ \ :|
. / ヽ :/|::::: ,-‐'/ :::::::/_,‐' 〉:|
※やる夫
/}
_ !l ,.- 、
//|| ̄ `ヽ⌒',
/ / ヘ入ヽ ∨
!| //ー, \, } 迫力が無くなった代わりにアゴと鼻がとんがってるかしら……
l .// ○ ○{
\(⌒リ" △"ノ やる夫くんって、もしかしたら変化できる妖怪かしら……
{こ.フ>、ー,.イ
〈二}/ ∞Y_〉 口調まで変わっちゃって……
└ 〉 ハ〈┘
/ ヘ
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 19:43:20.58 ID:rDG18pEo
やる夫骨格どうなってやがるwwwwwwww
593 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:43:53.63
ID:3r2/OEko |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ|
|丶、 ;;; __;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,: ィ";;_|
ト、;;;;;;;;;;;;;;;` ` '' ー -- ‐ '' ";;;;;;;;;,:ィ;:;!
,';:``' ‐ョ 、 ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - '"l;:;:;:;:l (恐るべき才能でおじゃる)
l;:;:;:;:;:;:;ミ ` ` '' ー -‐ '" ,リ;:;:;:l
l;:;:;:;:;:;:;:ゝ く三) (三シ `ヾ;:t、
fミ{;:;:;:;:f'´ , ---_,, _,ィ 、_,,ィ,.--、 };f } う、うむ、口調まで変わって完璧でおじゃる。
l トl;:;:;:;:l 、,ィ或tュ、゙:ミ {,'ィt或アチ l:l,/
゙i,tヾ:;:;:! `ヽ 二ノ ト ` ‐''"´ l:l:f ダメそうな男に見事になりきってるでおじゃるな……
ヽ`ー};:l u ,r'、 ヽ リ_)
`"^l:l ,/゙ー、 ,r'ヽ u l 問題無さすぎでおじゃるよ…
゙i ,ノ `'" 丶. ,'
「;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:}
ト、;:;:;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:;: --―;:''"´;:_」
{::ト、:;:;:;:;:;:` '' ー―――;:;: '' "´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_ ,.ィ彡!
l::l 丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -r==ニ二三三 }
',:i r- 、、` ' ―――― '' "´ ,ィ彡三三三三三/、 それと、出生証明書などの書類や、
|| ヾ三) ,ィ三ミヲ `丶三三三三三ん', 予備の服は、アタッシュケースに詰めておく。
lj ゙' ― '′ ヾ三三三ミ/ )}
| , --:.:、:.. .:.:.:.:..:.:... 三三三ツ ) / 神沢市は日本、ではあるがほぼ独立国家でおじゃる。
| fr‐t-、ヽ. .:.:. '",二ニ、、 三三シ,rく /
l 丶‐三' ノ :ヾイ、弋::ノ`:.:. 三シ r'‐' / 出てこなければ、誰が入り込もうとどうでもいいらしい。
', ゙'ー-‐' イ: : 丶三-‐'":.:.:.. 三! ,' /
', /.: ミツ/ー'′ 住所、年齢、電話番号を書けば誰でも入り込める。
', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、 今のうちに考えておけ。デタラメでも問題ない。
_、─-v-─;z_
>:::::`::::::::::::::::: :::::\
/:::::::::.. .:::::::.. ..::::::::::ヽ
イ:::::::::::::::::::::::;、::::::::::::::::::::::l
. l::::::::::::::;:イ::/v:ヘ::lヽ、:::::::::|! つまり・・・入ってしまえばコチラのものっ・・・!
. |:::::::/|/ニ|/ュ ┌リ_ニヘl::::::::|
j::r=i|==。=,, _=。==|r=、:| なるほどっ・・・よくできた作戦・・・!
|::|ヒ'|| ` ー":|.|:`ー ' ||J:|::|
. |:::ヾ;l| u r:|」:、 u :|レ'::::| 完全に政府の盲点を突いた、完璧な潜入案だ・・・
. ノ::::::::::\ (二ニニ二) ,イ:::::::::::ヽ、
_,∠:-‐ァi:::::::!\ == ./ |:::::::ハ''ー-ゝ、._ ・・・もうひとつ、聞いていいかお。これは?
-‐'''": : : : :/,/|::::::| ::::\_/ |::::::ハ ヽ: : : : : :``'''‐
594 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:44:57.68
ID:3r2/OEko ,.
/ | l マ
___f | | | |- j}___
. / L廴! ! ム-1 \
. │ ./ ̄.「 し1ノ ̄.\ |
┌────────┴┴──────┴┴────────┐
| / /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: :\ \. |
|. / /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ \. |『ああ、それには狐の嬢ちゃんが入ってもらうでおじゃる』
|/ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ \|
| /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: \ |
| /:::::::::::::::::::::::: | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|:::::::::::::::::::::::: \ | 「えぇ!?」
|::::::::::::::::::::::::::::::: | |::::::::::::::::::::::::::::::: |
|::::::::::::::::::::::::::::::: | |::::::::::::::::::::::::::::::: |
|::::::::::::::::::::::::::::::: | |::::::::::::::::::::::::::::::: | 『何を驚いておる。狐に変身すれば容易かろう。
|::::::::::::::::::::::::::::::: | |::::::::::::::::::::::::::::::: | いちおうサイズ的には合うはずでおじゃる…』
| \:::::::::::::::::::::::: |______________|:::::::::::::::::::::::: / |
| \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: / |
|\ \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: / /|
| \ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /. |
| \ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: : / /. |
└──────────────────────────┘
595 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:45:57.16
ID:3r2/OEko ,. ‐ァ, -''7_
/ " .<`
∠..⌒‘ \
. / ,ィ 、 ヽ (値札がついてるお・・・おっちゃん・・・わざわざケースまで買ってきてくれたのかお)
∠.-ァ /_,,ゝト|\ l
/レ'\ `´‐''ラ l f⌒i |
/ ’ ´,ノ l.| 6リ l 二人組が一人になるだけで、怪しまれる可能性は激減・・・
/ _っ ´u l|_ン l
ー''∠.ィ--一 ,! ∧、 ヽ. まさに上策・・・カナっ!このケースでいいよなっ?これに決める・・・!
. └-ァ / //ヽ ヽ
! / ,/'´ /ヽ l これに、命運を託すっ・・・!
!、__/ / / ヽト、l
,.イ /ヽ、 ト、!
|/ ヽ._ ヽ
/}
_ !l ,.- 、
//|| ̄ `ヽ⌒',
/ / ヘ入ヽ ∨
!| //ー, \, } え?う、うん……構わないかしら。
l .// ○ ○{
\(⌒リ" △"ノ やる夫くん、そろそろ元に戻ってほしいかしら……
{こ.フ>、ー,.イ
〈二}/ ∞Y_〉 その姿だと果てしなく不安になるんだけど……
└ 〉 ハ〈┘ 最終的に賭け事で負けそうな顔かしら……
/ ヘ
596 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:46:58.90
ID:3r2/OEko ト、;:;:;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:;: --―;:''"´;:_」
{::ト、:;:;:;:;:;:` '' ー―――;:;: '' "´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_ ,.ィ彡!
l::l 丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -r==ニ二三三 }
',:i r- 、、` ' ―――― '' "´ ,ィ彡三三三三三/、
|| ヾ三) ,ィ三ミヲ `丶三三三三三ん',
lj ゙' ― '′ ヾ三三三ミ/ )} ホッホ、それじゃあ話は決まりじゃな。
| , --:.:、:.. .:.:.:.:..:.:... 三三三ツ ) /
| fr‐t-、ヽ. .:.:. '",二ニ、、 三三シ,rく / 今日は前祝いといくか。
l 丶‐三' ノ :ヾイ、弋::ノ`:.:. 三シ r'‐' /
', ゙'ー-‐' イ: : 丶三-‐'":.:.:.. 三! ,' / どれ、やる夫くん。手伝ってたもれ。
', /.: ミツ/ー'′
', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,l l:ヽ
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ
_,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'." / / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_
一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶、
ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
`丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '" /
|
| i'i~7ニニニニニニ }II{ ニニニニニニi~i'i
| |,lll::::::::::::::::::::::::::::::::| ||:::::::::://:::::::::::::||l |
| | l|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::::::::::::::::::|i l
| lニ|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::/ /::|ニl
| |li|::::::::::::::::::::::::::::::: | ||::::::::::::::::::::::::::::::::::l l|
| l. | ::::::::::::::::::::::::::::: | ||:::::::::::::::::::::::::::::::::|| l|
| ______|,l|l ::::::::::::::::::::::::::::: |_||://:::::::::::::::::::/ i i|___ 『前祝い?』
^ー'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ^ー'
. /´`l
// .l__ ,. ── / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /l───‐- ,
l`ヽ / /l. / //」 . /
| |/ / / / // /
|  ̄ ゙̄l/ l二二二二二二二二二二二二l/ /
 ̄ ̄ ̄ |_|,l |_|,l /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
597 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:47:53.73
ID:3r2/OEko ∬
∫ ∫
⊂ニニニニニニニニニ⊃ <グツグツ…
ゞ、::;;; ;;::ノ
/ ̄ └─────-┘  ̄\
/ ⊆⊇ ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ⊆⊇\
/ ┻┻┻┻┻┻】 \_
___
/ \
/ 一' `ー\
/ ( ○) (○)\ (これが、鍋料理……生まれて始めて、見るお)
i (__人__) i
ヽ、 |r┬-| /
/ `ー'´ く
i 丶 ヽ ヽ
r ヽ、__) (_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と_____ノ_ノ
598 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:48:54.61
ID:3r2/OEko ヘ / / , r_¬‐'二. ヽ ヽ
. ヘ / i ̄ { / ̄ ハYこ┐ヽ〕 ',
! l. ヘ /' | \ \ 弋心ソ ム」 |
', l l , ト、 丶 \  ̄ /丁
ハ l l l | | ` 、 x ―- ≧:、/┘ fl「l「|fl
', l l V! l , - 、 ` ー_--- ヽ, - |l !|l |l| ……やる夫くん、ボーっとしてないで、早く食べるかしら……
'. l L V! | __ 〃f::::ハヽ | り!l」lj |j:!
ゝ ヘ ト、l _/f::::ハ 弋.:ソ ノ | ヘ| :|
\ ヘ ハヽゝソ 、 / / / /イ{ ノ
', ヘ-、 /ハ/// r┬ 、 /{こスフ /
V ', ヽ , ヘー> 、 ヽ!_) //´ ヽl! |  ̄\
V ', \ /\- 「 二 T フ/ヽ‐、 ,|! |、_ }
/'、_ ', V | ̄ヽ / lく Y }_:」! | V}_ \
_ ゝ、_} l r┘ }ーイ /ヽ ヽ |/ L.ノ ! _) \
 ̄/ L._) 〉 匕´l /r〉 |-」_/「ヽ _ } 「l \
____
. / \
/ u ノ \ あ、うん、ごめん。
/ u (●) \
| (__人__)| (そうか、カナは食べ方を知らないんだお、
\ u .` ⌒/ やる夫の真似をするつもりなんだ……
ノ \ ……と、とは言っても、これ取っていいのかお!?)
/´ ヽ
600 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:49:43.02
ID:3r2/OEko ', /.: ミツ/ー'′
', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、 なんじゃ、遠慮する事はない。
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,l l:ヽ ホレ、取ってやろう……さぁ食え。
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ
_,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'." / / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_
一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶、
ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
`丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '" / <ヒョイヒョイ……
_r 、
, -_'゙ノ\`_f_ヽ_
/'´ヽ、!l_.>、_|)
, - ―‐:,○ ○――-'、 あ、熱いかしら!
ゝ_, ィ´__ ///// \ r'i なんなのかしらこれ!狐に優しくない料理かしら!!
__ r、i「l /L`二二 ̄ヽ ヽ」ム _
(__// {|´il , ―‐;----! 、/丶ノ イ l--、
// に)ゝ、 ____ ノ 入__〕 ヽヽ._ノ
 ̄ ̄´《 / ┛┗ | l !_」 l |
イ | : / ト、_〃 ´ ̄ ̄
/ \../ ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
─────ああ。そういえば。これもまた、小さいささやかな夢だった。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
,ト--ミ、、_:::::::::::::::::`:"'':―┼――――l
/ミミ三三ミ'ー‐-- 、、_:::::::|:::::::::::::::::::::::j
{ミミミ三三、 、ー=、`'┴―――fミ',
,..、ミミミミミ三シ . . . . `―' l ii l (ヲ lミil
//う{ミミミミf'" _,,.,,_:.:.:.:.. _j_ .:.:.:. lミリ
l V }ミミミミ ',ィでiンミ、:.:.、__, -,ィも=、',l:l′ ホッホ、そういうときはの、
'i l ,ノヾミミ' ´ ̄`゙`ラ .:. 三 f"´ ̄`' lj ホレ、「ふーふー」と息を吹きかけるでおじゃる。
-、 ヽヽへ}ミミ `二ニノ ,、 jl ',` ―''" ,l!
ヽ、 ヽ二ノミ' / / / / ,ィ'" ト、/ / /.,! このように、ホレ、ふーっ!ふーっ!
、 ヽ , f-、、!'ミ / `^ヽ,_ノi ,'
ヽ、 ヾ /i,ミ' " / 、l /
ヽ ,‐ヽ__,ノ lN :: / イエエェェェェエイ, ,} ::,/
、 ヾヽ__) ヽ ', ヽ { " |⌒'ー'‐'‐'‐',リ l /
ヽ、 ,.-ヾ, \ ヽ'、 ヽ l {,ゝ、‐r‐'ン-i/ ,/ ,イ丶、、
_ >、 _ノ、\\ヽヽ丶 丶 ヾ Zェェェシ' ノ ,i'lヽ、 `ヾー-- 、
(`'''ヽ'---'、\\\.ヽ 丶、 ` ` ‐ -- ‐'"/ノ ,l \___ ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
マンガとかで読んだ鍋料理は、凄くおいしそうだった。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
601 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:50:36.47
ID:3r2/OEko !|`ヾ.、,.ィ ,.´ー-、 :: ::`ヽ、
':、 >く::丶、 :: ::」WL,、_rvト、
゙x/::/゙\、:: ::>fー-.,-、_ニ 'ー,
i:メ/ `ヽ.>)r‐ッ薔}::ij∠
レ'、_ __,-゙i_`'Tfイ 7< ……ふーっ!ふーっ!
l:i ,ィー、 イ;゚ヾ,レi:H:ir‐'リ
/ン,辷リ 弋り' /ソ !トi::/
// ,.i"" ', -、 "" / _,=ミ,く
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
カナと二人で、ずっとそのページを見つめてた記憶があるお。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
, - 、 _ ____
//⌒ゝ'´ ̄ `丶、`ヽ_, へ
,.レ / 〈_ /´ ヽ_|
/ / /  ̄ヽ \ ム卯.〉
,' / , ' \ \ |
_ l , / V ∨
, _‐‥'´ ハ l | l '´ ̄` ´ ̄`' l l | ……
{-、  ̄ ´ { '. l !z==ミ 彡==j l/
|〈 | _, -‐' 'ハ | /// . ///|/ )
ヾ イ´|l |l r人l t._‐( ノ厶〉
lLjLj | {ミ ト イミ_ソ
 ̄ヘヽ __ / Y彡 〉__.}>n<{__{ 彡ノ
/ ヽ/ 匕彡 〈_| |_〉 {ミフ  ̄ ヽ
/ ´ 〕 トゝ c =彳 ヘ
ヽ r、〉 ヽ c / ',
∬
∫ ∫
⊂ニニニニニニニニニ⊃ <グツグツ……
ゞ、::;;; ;;::ノ
/ ̄ └─────-┘  ̄\
/ ⊆⊇ ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ⊆⊇\
/ ┻┻┻┻┻┻】 \_
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 19:51:25.86 ID:jpFK.D.o
やべぇ、泣きそう
603 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:51:29.57
ID:3r2/OEko ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
────温かかった。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ \
/ ――― ――― \
/ _ _ \
/ /´ ,..::::::::::.ヽ ヽ /´ ,..:::::::::::.ヽ ヽ \
/ ,' ,;::::::::::::::::::', ', ,' ,;:::::::::::::::::::', ', \
/ { {:::::::::::::::::::::} } { {::::::::::::::::::::::} } \
/ '、 ヽ::::::::::::::/ / '、 ヽ::::::::::::::/ / \
| (;;;;;;;;;;)) ̄ / | \  ̄ |
| /' / ∧ ', |
| {{ { / ヽ } |
| ヽ ヽ___/ __ \___ノ |
\ 人 ヽ ´ ` ' /
\ ( し.) / <ポロ…
\ `¨ /
/ \
/ \
604 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:52:26.87
ID:3r2/OEko ヽ l三三ニゞ ,r==、  ̄ ,-‐=、 ゙ヾニ三三lr, l
l l三シ´ `゙゙゙゙゙′ `ー'''" ``彡=l: /
',.lミミ 、....__,,,..,,,,,,,_ 丿 、 _,,,,,,..,,,,,,_. l三/./ ど、どうした?熱かったでおじゃるか?
l.ヾミ '《_ヾ゚ツヽ、 : i:"´,ィ'ヾ゚ツ_,,ゝ lミi l
ヽ_ヾ. ヽ、 `゙'''"´ノ l l::. ヽ``'''" .ノ lミl,ノ
`ミ, `゙゙゙゙゙"´ , .l |::. `゙゙'''''" u .lミ'
'ミ ィ .:: l:::.、 lツ
___ / j| ヽ.
,. '´ ,二ニ>、 / ハ \ 、 r冖,ュニ
. / / , -‐ヘ / / ヽ. \ \匸 /
/ /,. -¬| l / / \ \r┘|
'´ / //rー┐ ! {/r'′ \ 勺」___
. / // // ||  ̄二ニ´ \ {::.::.::.: やる夫くん……
, ′ // // /Vrグ示. \ \ 弋「 ̄
| /〃 // ,. -{‐j 辷夕ト へ ヽ、\仏 本当に、泣き虫かしら。
`ヽ」_ | { // / ∨ ヾ-‐′ ,ィーテ=ミ >‐{」
` ー‐-彳|r┐ r|レ'  ̄丨〝″ トrタリハ ヾL
/ } | | l∥ l ′ ヽ辷ジノ 厶-、
. r'´ _ノ| ヽ `ヽ | `= ヽ ト、 〃 ` ″ rへ、
j-―-、」 ! レヘ />ー==ミ \ ヽ、 > __ノ
__{__ `ヽ| } } | ヽ /\ 、/´ ̄` ー―¬
く l `¬1 ∧/「ト<二ニヽ//__>┬―┬-- /\___/
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚((●)) ((●))゚o \ う、うるせぇお……体が勝手に出しちまうんだから、しょうがねえお……
| (__人__) |
\ ` ⌒´ / 鍋料理なんて、始めて食ったんだし……
/´ `\
605 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:53:20.81
ID:3r2/OEko | , --:.:、:.. .:.:.:.:..:.:... 三三三ツ ) /
| fr‐t-、ヽ. .:.:. '",二ニ、、 三三シ,rく /
l 丶‐三' ノ :ヾイ、弋::ノ`:.:. 三シ r'‐' / ───美味いか?
', ゙'ー-‐' イ: : 丶三-‐'":.:.:.. 三! ,' /
', /.: ミツ/ー'′
', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,l l:ヽ
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ
_,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'." / / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_
一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ ……うん。
/ /⌒) ⌒゚o \
| / /(__人__) | (……明日の朝、やる夫達は神沢市に出かける。
\/ / ` ⌒´ / おっちゃんとも、最初で最後の食事だお)
606 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:54:12.66
ID:3r2/OEko 〈::::::::::::::::::::`丶、/_:_:_:_:_:_:::::::::::::::::::::::::::
/ミ了`ー- 、::::::/:::::::::::::::::::::::: ̄:::::`::::―‐
lミミ (三シ`‐--- ___:::::::::::::::::
lミシ ,. ヾ三) }三三三
若いうちから、好き嫌いはいかんぞ。 fi7 . " `、 : _ _ ヾ三ミ三
| ! ' 、==z、ヽ|: , '" 丶 `}ミミミ
肉も野菜も、たんと食え。 |i| ` `二彡/ 、ー==、、: |ミミミ
lリ _/ `二ニ`` |ミミ/
,. ''´ ̄ ̄ ̄`ヾ!:、 f´'′ :^ヽ ,.lミ/
/ l ` :r '´`^'、__,.-、ノヽ、 ,. " }シ
/ _,. -‐ '゙´ヽ { 、-- 、:.:__ ヽ... ' /}\
___/ _,. -‐ ''"´ /,ハ ヾ`ヾエエェェェ>- , 'ノ ハ、
_,. - '"´ //'´ ,. -, {{( ヽ `丶`二ニ´ /´ | |
,. '´ / / i //ヽヽ、 ,ヘ , '´ //
'´ / / 、ヾ、 \\| ヽ、 ,. -,:'´ //
/ / /ヽ、``ー`、_`丶>---_彡'"´ //
/ / / ` ‐- 、` ‐--`ニ==----――'´/
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
607 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:55:06.39
ID:3r2/OEko ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
温かい湯気が、心に沁みた。妙にくすぐったくて、悲しい感じ────やる夫はやっぱり、人間が好きだ。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
|
| i'i~7ニニニニニニ }II{ ニニニニニニi~i'i
| |,lll::::::::::::::::::::::::::::::::| ||:::::::::://:::::::::::::||l |
| | l|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::::::::::::::::::|i l
| lニ|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::/ /::|ニl
| |li|::::::::::::::::::::::::::::::: | ||::::::::::::::::::::::::::::::::::l l|
| l. | ::::::::::::::::::::::::::::: | ||:::::::::::::::::::::::::::::::::|| l|
| ______|,l|l ::::::::::::::::::::::::::::: |_||://:::::::::::::::::::/ i i|___ 『……うん!』
^ー'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ^ー'
. /´`l
// .l__ ,. ── / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /l───‐- ,
l`ヽ / /l. / //」 . /
| |/ / / / // /
|  ̄ ゙̄l/ l二二二二二二二二二二二二l/ /
 ̄ ̄ ̄ |_|,l |_|,l /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 19:55:21.05 ID:OpP5iIoo
こう感動を素直に表されると、このやる夫には優しくしがいがあるな…。
609 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:56:09.13
ID:3r2/OEko ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::: :::::::::::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::: :::::::::::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;: : ...: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :::
: :::::::::::::::: : : : :,/゙` ``''-、:: : : : : : : : ..: : : : : : : : : : : : : : : :::::::::::::: : : : : : : :::::
.: : : : : : : ,i´ ゙l:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :::::::::::
: : : : : : : :::| .l゙:: ::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::: : : : : : :: : : : : : : : : : : ::::::::::
: : : : : : : :ヽ、 : ::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;::::;: : : : : : : : : : : : : : : .: : :::::::::::::::
: : : : : : : : :`'----‐′:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;: : : : : : : : : : : : : : : : : ::::::::::::::::: : : :::::::::
: : .: : : : ::: ::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;: : : : : : ....: : : ::::::::::::::: : : : : : : : : : : ::::::::::
: : .: : : : ::: ::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;: : : : : : ....: : : ::::::::::::::: : : : : : : : : : : ::::::::::
i;:、;:;:;:;:_:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i,
/三、;:;:;:;:;`;:‐-;、、l_,;:;-‐;:';:´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ィ彡ニ、
l三三^'ー-:、、;:;:;:;:j::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:-‐イ彡三三i
i'l三Ξ. ,.=ミ`'ー-‐'";ニこ´ ィ彡三三7,.、 ……よし。これが風邪薬と頭痛薬。
',lミシ" ` ̄´ `¨"´ `ーミ三彡7-ヽ
lミミ, :. _,.=、、 . ..: _,.〟、、..: ヾ彡〃// 明日は麻呂の車で送ろう。
〉l; ::.彳ヾ゚;ハ、:、 ,:' ,.ィヘ;゚ツゞ::' .::彡/ノ/ 昼頃には、着くでおじゃる。
ヽli. :ヽ.`゙'''"フ`.: l::. ヽ`゙゙"´.:' .::::::彡ゝ/
`li. `゙ " .:: l:::. ` ゙ "´ ..::::::::彡ー'′
_,.ト:.. .:' : :::::.、 .::::::::::彡′ それでは、また明日じゃな。
,ィ'´r'"::ヘ:::.. /`'=、__,.ィ'' ' ヽ ..:::::::::::;ヲ おやすみ。
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ ……ありがとう、おっちゃん。
| |r┬-| | ……おやすみなさい。
\ `ー'´ /
610 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:57:03.10
ID:3r2/OEko ____
/ \
/─ ─ \ (明日から、新しい生活が始まるお……
/ (●) (●) \ 神沢市は、やる夫を、カナを、受け入れてくれるかお?
__ | (__人__) | __
| |= \ ` ⌒´ _/====| | 人妖追跡機関は……振り切れるのか?
| | / l ヽ | | ……病院を抜け出すには、脱走しかなかった。
| | / /l 丶 .l .| |
| | / / l } l ̄ヽ___.| | いや、もう一つ、方法はあったけど。
/ ̄ーユ¨‐‐- 、_ l !__ノ /| | あの人のように────いや、考えるのはやめるお)
_ / ` ヽ__ `- {し| ./ | |
___ / ヽ `ヽー、} / /| |_____
ノ ヽ__ `ヽ./ / |_|
/ ノ| /
/ / |/
r─--‐'"´: : : : : : ``ヽ、
入: : : : : : : : : : : :r'´ ̄`ヽ`ヽ
/: : :\.:.:.:.:.:. : : : :/ /´ ̄`ヽ V ニニヽ
/. : : : : : : ,ィ、.:.:.:.:.:.:.〈 〈 rニュ ハ
/. : : :〃:::::/ `ヾ;:;:;:;:;) ヽ 〈{薔}〉V/ 〉 (カナは人間が嫌いで、憎んでると言うお。
i: : : :.//::::/ `ヾ;入 V / // /
i: : :.//::/ `ヾ入`ヽ_ / /: :! やる夫だけは特別なのは、
!:.//'´ _, -‐ ー‐- 、`ヽ V /: : :! ……嬉しいけど、このままでいいわけないお)
V〈 ´ ` ´ ` `「`ヽ: :!
い - 、 rー i.:.:.:.V
i弋j ァ=='^ '`==ャ. i.:.:./
l い ..::::::. , .:::::::... ) ノノ
/ ヽ ', __ ノハ
〈 ,r ‐┴-、. n / ̄`ヽノ
V 二二> .. .___ _ ,.. ィ´ ==、.:/
V´二二ヽ _ノ>介< L : .:.:.〉<ZZZ…
/^ヽ _ _// / /八ト、`ヽ ニニヽ.:/ ``ヽ
/ > =く L /l 。 Vl l/ ヽ
/ ´了ノl. l:::l 。 ´了ソ ヽ
l く .l l::」.。 l ノ l
611 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:57:54.77
ID:3r2/OEko __ ______ __
| |/─ ─ \ ======| | (やる夫は、おっちゃんが好きだし、銀姉ちゃんも好きだったし、
|/ (●) (●) \ | | いく夫や、やらない子ちゃんも好きだったし、
/ (__人__) ヽ | | 闘う術を教えてくれた、先生も好きだった)
|___ ` ⌒´ / ̄ヽ____| |
/ ̄JJJJ‐‐- 、_ _/__ノ /| |
_ / ` ヽ__ `- ⌒ヽ / | | (もしかしたら、これからも好きになる人間が増えていくかも、
/ ヽ `ヽ、} ./ /| | ……いや。そうでありたい)
ノ ヽ__ `ヽ./ / .|_|
/ ノ | /
/ |/
__ ______ __
| |/─ ─ \ ======| |
|/ (ー) (ー) \ .| | (だから、カナにも、人間を好きになって、ほ、し─────
/ (__人__) ヽ .| |
_rーー‐‐- 、_ / ̄ヽ___| |
__ノ ̄ ̄ ̄ ̄` ヽ__`-ー´⌒ヽ_ノ /| |
/ ̄ ヽ_ _ ーー ヽ__ ヽ、. / | |
ノ `ヽ/| /| |
/ ) |/ |_|
/ | |
/ |/
__ ______ __
| |/─ ─ \ ======| |
|/ (ー) (ー) \ .| |
/ (__人__) ヽ .| |
_rーー‐‐- 、_ / ̄ヽ___| |
__ノ ̄ ̄ ̄ ̄` ヽ__`-ー´⌒ヽ_ノ /| |
/ ̄ ヽ_ _ ーー ヽ__ ヽ、. / | |
ノ `ヽ/| /| |
/ ) |/ |_|
/ | |
/ |/
613 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:58:46.89
ID:3r2/OEko _______________________________________________
───────────────────────────────────────────────
おさないころの、ゆめをみた。
───────────────────────────────────────────────
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
615 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 19:59:28.75
ID:3r2/OEko . / / | | l | | | | | | | l\\____丿 ノ
/ ′ | | | | | | | l l| | ヽニニイ
. ′l | || | / | ノ 厶|-/ 十| ┼- 、// |
l l| l | ||| / .|イ´ / / ― トL| // l|
| l | l | | ||| l ′ ノ/ //___l/l | l:::| l|
| | | | | | || >、 | | / 彡===キ≦ |:::| '| やる夫くん。
| | | | | | |/ へ\ | l |l| |:::| / |
| l∧ || | |、/| l/ __ ||| \〉 | 人から好かれたいならまず、
ヽ \|| | | ヽ〈 彡'" ̄ l|| /| | 人を好きにならなきゃ駄目よぉ。
|::::|\|::l├ヘ、 、l \ 〃 || ' |
|::::| レ\ | \\ ∧ ヽ l | | | /
|::::| | |l | ` \ トヘ _,. ‐ ノ八 | |./
|::::| | | l| |l| \ - ´ ヽ| |′
└┘ | |∧l ||| ト 二|
八 | ヽ ||l | |> . _ ´ //..::.:|
\ \ |リ | | `T爪_//..::.::.::.:|
\ | | |>〔]‐< ::.::.::.::.:/
ノ | /イ/^l ト、\::.::./
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
銀姉ちゃんは、優しかった。いつでもニコニコしていて、やる夫が寝るときも側にいてくれた。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
___
/ \
/ ⌒ ⌒\ 銀ねえちゃんは、おかあさんみたいだお……
/ ( ⌒) (⌒)\
i ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i ……だいすきだお。
ヽ、 `ー ' /
616 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:00:22.13
ID:3r2/OEko , -- ―- 、
/ l \
/ , : : :: ::::::ト::: : : !: : ヽ
/ / l : : ::| ',:::l :|',: :l: . ',
,'. : ::l : :|'、: :: ::|'´,:.l|:! l: l: : i
l::: : :| : : ::| ヽ:: :! |:l|;= i:|: l: : | 私もやる夫くんが、だぁーい好きよぉ。
, l::: :: :i . : : ::l i:::| 〃 l:|/!: ::l ───ね、今日は何して遊ぶ?
/{. |:: :. :.', l. .: .::|, = l:' 、 '|' i:l :l
!;:;: l::: :. ::.、 ヽ: .:li . -┐lイ/
i:;:;:;:; l:|::: :. ::.ト、: :.\ .:::: /  ̄ | イ
、 |;:;:;:;:;. ';l: : :. ::| i:\.: .::ヽ \_ ノ l|
|;:';:;:;:;:;:;:;., ヽ: :. ::| :.ト、.: .:-::.\ー --- イl i ,:'{
丶:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,.| . :| / ̄ ̄ 丶::.ヽVー、r'〉:.',ヽ\ /:;:;
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
銀姉ちゃんがだいすきだった。人を好きになる事を教えてくれたのは、銀姉ちゃん。
────だから、やる夫は人を好きであろうと思った。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
617 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:01:15.15
ID:3r2/OEko ───────────────────────────────────────────────
─────そのはずなのに。誰かが傍らで囁く。
───────────────────────────────────────────────
618 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:02:15.68
ID:3r2/OEko ───────────────────────────────────────────────
あの病院で、お前は人を避け続けたじゃないか。嫌いはしなかったが、好きでもなかったんじゃないか?
───そんな「お前」が、どうしてカナに、人を好きでいて欲しいなんて言えるんだ?
───────────────────────────────────────────────
| (__人__) |
\ `⌒ ´ /
/´ ̄ ィヽ
〈  ̄ ‐- 、 i
`ー,‐ -、_ ヽ | l
/ ヽ.て 〉 .| l
l | 、彡イ ヽ_⊥-‐ 、
l _,l  ̄/ l
γ ト、_ / ̄ `l_-‐ ´
(___〉  ̄ヽ --‐'
───────────────────────────────────────────────
そもそも根本的に。……やる夫はどうして、あの病院で人を避け続けた?
人を、好きでいようと決めたのに。
───────────────────────────────────────────────
619 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:03:13.33
ID:3r2/OEko ┌―――――‐‐:、 ヽ.:.:._:_:.:.:.:.___:::.:.:.:.:..:::.:.:ノ
| 織 崎 病 院 | \
| | | o
TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTネTTTiヽ、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\
冂冂 冂冂 | || 冂冂 冂冂 冂冂 冂冂 .| \
二二二二二| |l二二二二二二二二二二二二! |
冂冂 冂冂 | || 冂冂 冂冂 冂冂 冂冂 .| |
二二二二二| |l二二二二二二二二二二二二! |
───────────────────────────────────────────────
───記憶の中を、検索する。見つからない。見つからない。問いに答える術がない。
覚えていたのは、触覚だけ。
───────────────────────────────────────────────
/ | | |
| | | |
|ー | .l ー- l
/⌒ヽ | | .l .l
l l | | | .|
| l | ー- | .l - l
| -‐| | | | | /⌒ヽ
| | | | | l | ヽ
l _! | !__,! ‐ 一 | l ヽ、
/⌒ヽ l ‐ \ |, l 〉-‐ l
l〉 )ヽ、 ヽノ o ヽ、 | |
/ 人 ヽ、 ゝ;:ヽ-‐―r;;, ヽノ |
l ヽ、\, ,,_____冫;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\ ノ/ l
ヽ ノ \,/ "`ヽ;:;:;;;:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:从 l
\ / 〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:) 0 |
ヽ、 /,,__);:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ |
ヽ、 / (;:;:ノr-´^~;;r-ー⌒` l
ヽ、 l /
ヽ、 | /
ヽ l /
───────────────────────────────────────────────
おっちゃんに撃たれた傷など、問題にならないくらいの衝撃。
文字通り、腹から背中に穴が空いた、衝撃だけ──────
───────────────────────────────────────────────
620 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:04:04.83
ID:3r2/OEko |
| i'i~7ニニニニニニ }II{ ニニニニニニi~i'i
| |,lll::::::::::::::::::::::::::::::::| ||:::::::::://:::::::::::::||l |
| | l|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::::::::::::::::::|i l
| lニ|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::/ /::|ニl
| |li|::::::::::::::::::::::::::::::: | ||::::::::::::::::::::::::::::::::::l l|
| l. | ::::::::::::::::::::::::::::: | ||:::::::::::::::::::::::::::::::::|| l|
| ______|,l|l ::::::::::::::::::::::::::::: |_||://:::::::::::::::::::/ i i|___ 『やる夫くん!やる夫くん!起きるかしら!』
^ー'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ^ー'
. /´`l
// .l__ ,. ── / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /l───‐- ,
l`ヽ / /l. / //」 . /
| |/ / / / // /
|  ̄ ゙̄l/ l二二二二二二二二二二二二l/ /
 ̄ ̄ ̄ |_|,l |_|,l /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__ ______ __
| |/─ ─ \ ======| |
|/ (ー) (●) \ .| | むにゃ……なんだお、カナ。
/ (__人__) u ヽ .| |
_rーー‐‐- 、_ / ̄ヽ___| | まだ朝じゃないお……
__ノ ̄ ̄ ̄ ̄` ヽ__`-ー´⌒ヽ_ノ /| |
/ ̄ ヽ_ _ ーー ヽ__ ヽ、. / | |
ノ `ヽ/| /| |
/ ) |/ |_|
/ | |
/ |/
621 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:05:00.43
ID:3r2/OEko , -_―-、 _
//´ , -)'´__ `>y'´ ̄ ヽ、
{ r-くr ¬j´ _} _, ハ ヽ /イ
¨'入 {, イtろハ_〉 / ハ /' _ {
! - \/l¨TK.\ /,' Y / _〉 ……そ、その、厠の使い方がわからなくて……
! ,_ `| ト、j\/ // |.}' /_
Yヘ::ハ L.」/こY / ,' く´ ̄ ヽ い、いいからついてくるかしら!
ノ ゞ' 〃 ┘ノ / 〉 丶、 }
丶, _ "" ゞ=' ´'ヘ., / 厶:―、jノ 命令よ!教えるかしら!
\ _ ´/-、 〈r<´`
`天Y/`ヽ._{⌒ヽ └ 、 \
/\' /、 , \} { ) ,ノ
フイ__| 、_ _ / 〉 ゝ=
622 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:05:57.17
ID:3r2/OEko ____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ というわけで200歳の少女の排尿を介助する事になったお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/ んーと、洋式だからここに座って、しーしーするお。んじゃ。
/ ー‐ \
,ィ/// 、 /// _ノ/ ´ _>
/ ,∧ A _r ー'ヽ/,/_i-─、< うう……待って。
ヽ、イ> 、 _ イ ` く , ―r_
/´f rー/`7ーr....√_:./ `f´ ̄ _)
/ ヽ´三匕メ-イL./ |ヽ-ニ-、
/ f rj lil::|o |::|入 ) `-ノ
ゝヽ ffノi |L! oL:i \| ノ rー、_'
`7 /ノノ o ノノ | rイV ノ
l く > == =‐' ,| L_-L--<二`─--
623 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:06:49.89
ID:3r2/OEko ____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ はい?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ー‐ \
j|:::::!::::::/ / `^| レ/
ヽ|::::::!' / _ /,..==と._ | //
ヽ::::l _ゝ== -` イ:三三::ヽ` レ/ヽ ……で、出ないかしら。姿勢が慣れなくて
イ_ゝ メ' /_三三ヽ ⊃ゝノク _∧| | ト 、
, -‐':| //! つゝニ!ク `ー‐' / ,| ト、 !\_\ そ、その、擦ってほしいかしら。
/ レ / j ゝ--‐ ' i l ! ヽ レ'/| | \__`_フ
./::::::: / /ーヽ / l ! ヽ ! /_∠.| | \ えと、その…アソコを……
!:::::::::::::| |ノ\_ヽ , ── 、 / // \
.`ヽ :::::l l::/ \ ` ── ′ _∠--、 /´ :\ ヽ
\:レ:::::::: > 、 _ イ\::::` ̄\\..::::::::! |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (○) (○) \
| (__人__) u |
\ ` ⌒´ ,/
/ ー‐ \
624 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:07:52.80
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※突然ですがキングクリムゾンの時間です。
当スレは一応18歳以上を推奨してますが全例年齢向けを目指してます。
_,、=:ニ;‐、、--――‐y、,_ ,,r;;;;''''=―--、、,_
/´ ヽ,ヽ,.゙'l,.゙Y;--',r'゙'ヾ;'V.j /∠,,.r_;'゙-‐-,<゙゙ヽ,'i、'‐、,
./_ .,,_j ゙l l,. Y/゙'ヾ、;、ノ,r;'| /jフ,r-、ヽ、 _,,>.゙'ー;゙' ーi,. |'i,
j.ヾ! ト‐! | .| .|,_ ./,.〈. 〉| ./ .(゙ _>゙'゙ r''゙´'i,゙l, ,j レ! .|:|
.|il, __ j .j゙ .l ト,゙',/ j.゙ r;| .レ'゙''‐ニ'''゙r''゙´ .゙l,ヽ,. ,ノ ゙ r''1.jノ
.|.l,゙l, ゙ー゙.ノノ / / ゙l ゙l,ヽr',r'l ゙;| .ト、,. /./´゙ヽ;.、 ノ ,゙rッ .,Y';V
| l,.゙ヽ--'゙ ,ノ / l, ゙'゙,,.l, ,j ゙| l,ヾ,、--、,,,、'_, r''゙ l / li,;) 『あっ……やっ……どこ触ってるのかしら!
l,. ゙'i, / ,rシ-、,ィ) l,゙i,V/゙j゙ /゙,,、、、,_ ゙\!.レ゙ .| Y゙ ちょ、やる夫、くん……んっ……変態っ!』
゙l゙i,・ヾi, ,/ィl、・_ノ ,;:: ゙シ'i.l,ノ ./゙ \ ゙Y: .l /
| `ラ´゙'''´ ''"'´ .| |:.r'`V'''" ̄`゙ヽ、 ゙'i, |. ' /
゙'i, u .j |./ ∧、, ゙̄ヽ、. \ ゙l. |\ ./ 『いや、んな事言われても……』
゙i,. r、,,,.、,_ / ノメ、 .j |ヾヽ,゙'ー---‐'''''ヾ-、,‐'
.゙i,ヾ'-'ニワ. / ./ノ .V j゙ |'i,. ヽ;-‐-、,_::::__ ::..>
/:::l,〈` //‐'´ ./.ヽ/ .j.ノ .:ヾ、;:) ゙'i `ヽ、 『ダ、ダメ……もう出ちゃう…かしら…
/::::::::|ヾ‐;<;/__,、r'´ ./ .)='゙ ..:: ,ソ .(:: _,,r‐''゙⌒`゙ヽ、, あっ…イヤ!出る!出ちゃう……バカぁっ…!』
/ l;::::::::::Y゙人゙l;:. .,/,r'ニ゙ _,、r''´ ..:: ゙ヾ、 :: ヽ,
l /,r:| j‐゙''l; ゙ニー‐'゙ (`l.(_,r‐'''゙´__,, ....::::: .`ヽ、,....:::::.. ゙l,
┌────────────────────────────────┐
│「やる夫は復讐の鬼と化すようです」 やる夫萌えにて好評?掲載中! ....│
│ ttp://yaruomoe.blog45.fc2.com/blog-category-37.html ......│
└────────────────────────────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
625 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:08:48.78
ID:3r2/OEko _ __ _
, .:.´:.:.:..:.::::::::::::::::``ヽ、
,r'´.: .:.:.::::::::::::::::ー -、r」⌒Y⌒Y^ヽ
/ .:.: .:.:.:::::::::::::::::::.:.:.,r'´ ソ^ヽこ イ ヽ
/ .:. /ミヽ::::::::::::::::::::.:.:.:.> > ,ィ二ヽ ¨ヽ
,'.:.:::/.:::`ヾ、::::::::::::::::::::.:.:`フ } ,イイ薔薇カ )
i:.::/:::/``ヽ、`.:、::::::::`:.:、.:フ L入ハ三 ソ <
|/.::,イ} ``丶、.:.:.:.:.:ヽゝ `ゝl;;|二ノヽノ ……そ、その、ありがとう。
.レイ/リ `ヽ 、.:.:> Y!;;| ヽソ
i彡 ``ー' '' ー-‐`ヾ ノ|;;;| _ソー─ -、
<ミフh ‐- 、 、 __ ミミYスメ/ 」,イ,ィ \
, イ三ミゝ、弋弍。テ ヾ圭。テナ V ソ彡厂 ̄ ̄``ヽノュ、
, イ,ィ´ ̄ ̄`ヽ //// , //// / - ─-、 ̄`ヽ - 、 \ _
,rソ^Y^Y ヽ ヽ\つ ,,_ _ / , ト、 \
Y^X^X(_ ノ ノ _ ノ`ゝ、 _ ___ , イ !_/_ノ! ! ノ メこスーュ、_ _ _
_ノ__人_ノヽ _/ ヽ二二フ不< _ _ __ `^ー‐'^ー
/ /´ ̄  ̄ ̄`7 7
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (ー) (ー) \ ……いや、その、ごめんだお。
| /// (__人__)/// |
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
629 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:09:44.84
ID:3r2/OEko ィ , / 、 、 rヘ_ -、゙r,。ミ}i}
/ | / , / \\´:::_;ィ、__ンぐ
! レ′//_ --- ‐ \_ Lヽ 〉:) や、やる夫くん……質問があるんだけど…
! i! i ,.-、 、 \`} レィ-/'´
l 〃`=, イ辷.ソ ` __ -ヽ 7У もしかして、興奮した?
ヽ! リ〃 ヾ- ' ィ升iy'/´
,〉-i! "" , ゙--"〈)
,/ ヾ--t‐' ー - ""/´゙ヽ
,' ,-=V-、 ,.---, __,/`ヽ }
ヽ、,ノム´ ,.イフ´ .‐夭´`_r、=、_ノ´
| /// (__人__)/// |
\ ` ⌒´ ,/ ……してないお。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
/!ハ.` ̄´ """ _ ノ ノ
〃. `圦""" _`_ {、「´  ̄`ヽ. なぁんだ……残念かしら。
{l ,.´ ̄ゝ、 ー‐ ′〉!_ /
く´ _ > - -./ `ヽ. /‐ヘ
,.>1 _ `ンフ l__ト、r三ー、,/ \
/ r―'-,.ハ // .| ヒー、/ \
r'′ 二ア/ / / ゚ .| Yミ}' / ノ
', `フ}/ / /。 .! .!"´/ /
', ラ{ ` "´ノ人 ム / /
__ ______ __
| |/─ ─ \ ======| |
|/ (ー) (ー) \ .| | (何が残念なんだお……
/ (__人__) u ヽ .| | つ、疲れたお……もう寝るお)
_rーー‐‐- 、_ / ̄ヽ___| |
__ノ ̄ ̄ ̄ ̄` ヽ__`-ー´⌒ヽ_ノ /| |
/ ̄ ヽ_ _ ーー ヽ__ ヽ、. / | |
ノ `ヽ/| /| |
/ ) |/ |_|
/ | |
/ |/
630 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:11:13.80
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_┌-.. __ _
i=|=|‐--ニi=|_
il=|=| 8 o' l=|i|
i;|=|=|l/|ill|=|i|
...___ i;;;|=|==/|、il=|i| 『備武手さん、和厳オプーナが逃亡して何時間経ったかしら?』
┌'┌- ニニi_ i":|=|==/|、il=|i|
lヨヨ|o。 ::|ヨi| |iii|/「 |:"|、il=|i|
lヨヨ| ,へ: |ヨi| |iil/::|=|:"|、|三|`i 『前々日の午前二時と仮定して……ざっと四十時間ってとこだろ』
_.|i三l_/|:、\i| |ii|/ |=|."|、|三|=|
|iii|三:l_/|、|三`、 |ii|/ |=|."|、|三|=|
|/|≡|/|、|- 、i| |ii|/ |_-、.|、|三|=| 『四十時間が経過して、手がかりらしいものは一つもなし、ねぇ』
|/|≡|/|、|=|iiii| |i_.-三 |=|ii|`i'"|\
|/|≡|/|、|=|iiii|_..||_.-=i|=|ii|、i'"|、|、|
|/|≡|/|_,,.‐'ニiiiii:|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、| 『ふむ、いつもの事だろ』
|/|≡|=|-'''"iiiiiiiii|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、|
|/|≡|=|iiiiiiiiiiiiiiiiii|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、|
|/|≡|=|iiiiiiiiiiiiiiiiii|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、|
|/|≡|=|:-‐ii"iiiiiii|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、|
|/::|` |=|iiiiiiiiiiiiiiiiii|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、|
|/::|、 |=|iiiiiiiiiiiiiiiiii|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、|
|/::|、 |=|iiiiiiiiiiiiiiiiii|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、|
|.-'"|、 |=|iiiiiiiiiiiiiiiiii|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、|
|.-‐'|、_|=|iiiiiiiiiiiiiiiiii|_.-=i|=|ii|、l-'|、|、|
|.-‐:|、_|=|iiiiiiiiiiiiiiiii|'" ̄ ̄|`i"|`i":|`‐┐
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ドミニオン本部 時刻:午後六時十五分
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
631 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:12:09.32
ID:3r2/OEko ,. -ュ,ニニ弌垳ト、
/r'^ _rヘ-ヘ/^ヽr宀、
/!7ト、7′ 〃 l ヽ ヽ
、 / l//L」| ∧l | ! |l | ! ヽ
|:l / 〃 ||丁l トH、lV| |l /l } l | もうすぐ時間だけど。
ヾヽ / 〃 |l | l抔卞`ヽ{ /-ト/ //リ ……ブリーフィングルームには、何人集まってると思う?
\ ヽ:∨ |」 /l| lトヽ ̄ レ'戎シ' / ′
⌒ヽ!ヽ._j\\ / 八 |ヽ __ ' ∠r1=彳
::..::..::..::..::..`::..::ヽ/ ハ ヽ‐ >、 ,. イ| }::..`ヽ、
::..::..::..::. /⌒ヽ、ヽjノヽ.∨r 芥、/:./ /::..::..::.、\
::..::..::.::./:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ⌒Tlヽ}l,ハ/-/ 〈::..::..::.`ヾ\ヽ
::..::../:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨_ || ヽ:レ':.:ヽ::..::..::.くヽ.j
::.r'´.:.:.:..::.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨_ ||ーrヘ.:.:、:.:.\ヽヽ:〉
/ ̄ ̄\
/ _ノ√ \
| ={:::::} (●
. |==√ (__人__) 三人。レヴィが遅刻しなければ、四人だろ。
|, ` ⌒´ノ
│ }
ヽ、 ソ
イ斗┴r┐` .;
/ ̄`ーゞ、 / |__ 〈ー─r、
/ \ ∨\ |,ベ._ / |
632 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:13:47.86
ID:3r2/OEko ______| ""''、|"';|/
....| |ヽ___________;| :::|
::::| |:::|""''' ''' '''' ''' '''' ''' '''''''.:::;;| :::|
....| |:::| ...:::;;| :::|
::::| |:::| . 口 ..:::::::::| :::|
....| |:::|二二二ニ┻ニ二二二,| :::|
::::| |:::| ._____|≡≡≡≡| :::|
....| |:::|___/l l\ ___,|_,,,| ,,,......_
..::|______.|,/ I::/ーーーヽ::I \...::;;l"' 、,"' 、,
:|_|ニニニニ|_| ,.'ニニニニニ| "' 、,"' 、,
L_____,i "' 、, "' 、,
__________ l\ :: "' 、, "' 、, "' 、
/ \ \ "' 、, ' / |
/ \ \ /二二二二二" .:|
/ \ \ ::| ...::::|
/ \ \| ...::::|
\.::L, -──── -、_|
【ブリーフィングルーム】
ヾ:.、 l::{ / / l ト 、 ' / /|:l |:|
\ト、}:ヽ|::::∨/ | | \ ``;' / | ` |:|
::::::::::::::::::::::::〈 l |___\ <| | ` (まぁ、予想通り────ね)
::::::____:::\ ∧ |::::;;==≧ー< | ,'
/, ――― 、く::::::〉、 l{:{.::.::/;小`l:l | /
/.::.::.::.::.::.::.::.::\\ `\ lヾ='イ |:ト='' /l /
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::\ l:::.`ヽ、ー'|:| |:|\___/ l /
.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.:..\ノ:|⌒Y^y'ヽく:.\
二.,,_ ―- ::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.:..\ | く({廻}>::.:.\
::.::.::.::.:: ̄ ''ー- >::.::.|::.::.::.::.::.::.::.:..\ `¬くヽ::.::.:.\
.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.丶 ハ| l \::.::.ヽ
.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.丶 ハ| l \ 、::.:.ヽ
633 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:14:40.86
ID:3r2/OEko _ ,、lヽ
ヽ`゙ヾ`゙゛ヾ ヽ ヽ、
, -‐'" 、 lヽ、
`゙/ _, 、_ヽ l //l
/. l `ヽノ_ , '
∠, /`゙゛‐-、_ l l
/ ,-,/ 〈l;d`゙ヽヽ __`l ……隊長。それで、事件とは?
'"/l`i  ̄ `゙ lrr、/
ヽヽ l`゙/
ll'ヽ __ ' , '
_l__ ヽ、 /
/:::::::::├┐ヽ _, '_n
, -――――,'"`゙‐―┴/ ̄ ̄`l;;;l:l_
l" ̄ ̄ヽ 、::::ヽ:ヽ::::::::::ヽ:::::::l―-┘ヽ-,:l―- 、
l:::::::::::::::::::::::::ヽ::ヽ::ヽ::::::::::i'`i:l;;;;ヽ:::ヽ'::::ll:::::::::l:l::`ヽ
.
l _ - ´ `丶 、 !
| / _, -┬r - __ \ |
/ ∠二≧|ム::V ,>、___ ィ::::\ j
L /t「 /辷jリ ヽ! 辷j_` 「|::::|:i::::{ うーん、蒼星石ちゃん、どう?
|:::::l L___ノ! ヽ---- ' |:i::l::|:l::|
|l:::ハ 、 |从ハV 一枚撮らせてくれないかな?
ヘ l ____ ″ ノ
,....、 ____ ヽ! ∨ У ,ィ7/
/ ヽ..._/二二二ト、 r‐ュ\ ` 二 ´ _ - |イ'
/ r┴┴‐┼──‐弋三三マヽヽ ___ / , l あ、隊長もどうですか?
j  ̄>──┴─ 、:.:.:.|─‐9|<7|l / ヽ、
f' 7´ ´¨`ヽ`ヽヽ:::::::__ヽ|}}─ j|^:|Yl / ィ::::| `ヽ、___
j 、l::;′ Y:::::l:::l::::{ ヾ!|!ュ:.:.:l|:::V ′ /:|:::::l: : :/
/ /.:::;′,.::/.:.::://.::l::i .:.:.:.:::::::::::i:::i .:.:.:::::::.:.`ヽ __/
,' /.:.:;′/:/.:.:::/:/!::::|::ト、 .:.:.:.:::::::|::|::i .:.::::::::::::::.:「
l/.:.::;'.:.:/./.:::ノ::/ |:::::|::ト、ヽ.:.::::::|:::|::|::| .:.::::.:::::::::::|
|:l:::::l::::|:::レ':ナナヽ|:::::l::l\ヽ.:‐:十:|十!、.::::::::::::::/
lハ::l::::|:::レ'´ ‐- |:::/l/ \::::::|:::|::|::| .:.::::.:::|:./
',l::::|:::| _ |/ `` ``7!.:.:::::.:::|/ どうも、隊長。
ト、ト::ト、´ ̄`ヽ ‐==ミ、 ./:!:.:.::::::::|
ヽ:|:::|::! /./.:.:::::::::;′ 富竹さん、やめてください。
`l:::|::ト、 _`_ /::/.:::::::/l/ 氷漬けにしますよ?
|:::!.l.:::>、 ` ,..イ::/::::::::/
|.::::::/:::/ニ>.--‐ <ニ7⌒:::::/ _ _
,r‐r‐- 、|::::/´l/ L_ / |::/ ̄`ヽ `」
ノ:いぃ ̄|:/ヽ `ーrrrt7′ l/ V ̄``
634 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:15:34.55
ID:3r2/OEko /// / イ l | | | | ヽ ヽ ヽ、
ィニニ〔ゝノ_ノ / ヽ\ヽヽ | l |l |l ヽ
'´/ /| |7 r/'´ ̄ヽゝニヽ-ヽヽ │ | | ヽ ヽ
イ/ / ! | | ||-ャ─-,ニ、ミ‐`ヽ、ヽヽ / / / | ヽヽ
/ / / j | l| `ー='-ニゝヽ` |ノメ、/l │ l | l ご苦労様。それで、あの二人は─
./ / / ヽ l| ィ_ミヽ`リ ハ || |
' / / ヽ l l、'rヽj`ァ' メ | / リ
`,´l lヽ ヽ /ノ `'’,イ /イ
/| | | `丶ゝ ー、ー- 、 lノ ,イノ
. /│| | ニ ´ ノ イ |
/ ! | ! 、 ィニィ | |lハ
| ! | _`ト_、 _ , イ ! |ル' ,イ
ハ ヘ |‐'  ̄,.ィ´ヘ` ー- イ | |l | /│ ガチャ!>
ノ ヘ ヘ | <´ィ´ /介「`ヽヽ│ ハ l / ノ _,
ゞ、_ゝヽ ! \ー´/ハ トニノノ ! / ハ ト、//,ィ _ ,.-ィ´
ヾゝヽ.ヽ lー-、  ̄ 1 |│|ヽハ 」 / _ハ _/ イィニィ'´ <
ヾゝヽ. l^ーィ- 、|│ ! ト、>-リ イニィー '^ヽ、
ヾヽヽゝ  ̄! | | lヽヾ/ / ヽ
__...ノ∨´::ヾ"´ ̄ヽー::、__
/::::::/:::::jヘ::::::\:::::::::\::::::\
/:::::::::/::/ヾ/ヘ\::::ヽ、::::::::::::::::::::`\
. //:::::::::¦ハj ∨ヘ:ヘ \:::::::::::::::::::::::\
¦l::/::::::::トレヘ ',i⌒リ ̄`ヽ\:::::::::::::\`ヽ
|:i:::|、:::i´ヤx、\ リイ必アゝ}::::\::::::::::トヽ
リ∨ヘ::!{弋ヌ ゞー ′/イ::::ノ\リノ }
すまねェすまねェ、遅れちまった。 ∨ヘ\ / u / /イリヽヘ
ヾ;:::! ヽ ` ____, ∨:::::ヘ
;'八 ヤ二三_ア こV::::::}
!::::::ヽ イ!:::::l:::::::j
∨::∧\ / ト;:::::!::::::>ー一
__ ヽ:::∧ iヽ __ <:::::::: l ',:::!\::::::::>.、、
/((ノ)>\ヽム !\:l::::::\::::::::::::::ヽ
635 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:16:27.29
ID:3r2/OEko / / i/ /i ハ. ヽ \、 ヽ . i i i
′ i′' j ' \ ヽ丶、\ ┼f ┼ :! :i i
i i / /_/_/__ ヽ \ >x≧f斗} i i i
l |i / イノ∠_云ミ、 \、 イ_ぃハ 癶 / l i あ、あれ?翠星石は?
{ ハノ´ 小 {_氿゚} 弋__ノ イ i l l
V i \ ヽ 弋ノ /i ! | ! てっきり一緒だと思ってたんだけど……
i i ハ\_ ' u ハ i li .′
i l l ヽ '- ’ ィ .ハi //
l ト、 ハヽ > _ _. イ/j/川 / ′
|l } ./ ヽ>ヽハ`¨´ _⊥` 、 l′
i/ .:i.:./!/ |ハ .:.:|. i | ヽ i i:.:. ヽ:.',
// .:.:i|/´|! ̄` ,i .:i| ´il ̄∨|ハ: V
iハ :.:.:|.ィて::卞` ∨ ィて::ヾ | /: ', ん?悪いが知らねぇよ、あたしは。
', .:|  ̄  ̄ ´/イ: .i !
/\ゝ 〈! ` /〉 /ィ/|リ 個室をノックしたけど、誰も出なかったぞ。
i ハ __// イ|: |
/ ヘ ´  ̄`´ / ,|:. |
. i .:.:ヘ ´` イ二|:. |_
. | :.:.:| \ / |:.:.:.:|:. : .| ̄`
\,__ヾヘ::::i:::レ:レ′ / ミ{ (、 )}:::::::ヾゝ
\`:.:.:ヘヾ" ,、<,rャソ ) ノ!::::::!:::i
`\ヘ _/<弋歹 ソ::::::::iヘゝ
ヾ、 ヾ彡"´` iヽ::::::::',
弋心 ! ヘ!レヘ
`'" } , ルヘ
どうする隊長?待つか? ヽ !、_,,,、 _/ / >ヘ、__
` 、 ー " / ,、'´;;;;;;;\>.、
\ / _,、-';;;;;;;;;;;;,、-'´::::::ヘ_
___> 〈 ┌''´;;;;;;;;;,、-'":::::::::::::_,、;'´`ヽ
.l i iゝ イ/ l::l.l:::::lヽ.l ! \.! ! ヽ-‐、 .ヽ
、 .l i .i .〃 l::l l:::::l,、_l .! ヾ、ヽ ' .'´ /
;;\ .l.i i .,〃 .// .フ:::::::l .! .l 、_`ヽ -‐ ´.' ./ ……仕方ないわねぇ。
;;;;;;;ヾ! .i .,'l.l // /::::::::::::l .! l‐-、_‐, .__ _/ /
;;;;;;;;l ,' .,' l l ./// ̄\::::::::l ! l:::::::::ゝヽ:::::::T _,'、 待つとしましょう。
;;;;;;;l .,' .,' l l /::::::::::::::::,\::::l l:::::::/::l、ヽ:::ヽ`‐--‐'´.ト.、
;;;;;;l ,' .,' , .`/::,::::::::::::::::::::':,::\:l l::::イ:::l:::ハ:::ヽヽ .ヽ:`-、_
;;;;;l .,' .,' ,' /:::,':::::::::,:::::::::::::::':,:::ヽ .l/J:::l:::l .lヽ__,ゝ ヽ::::::::l
;;;;l ,' .,' .i ./:::::'::::::::::::',::::::::::::::::',::::ヽ lヽ-イ:::l l::l ヽヽ .ヽ_,-l
;/,.' .,' i./:::::::':::::::::::::::',::::::::::::::::',:::::ヽ.l'´ l::::l l::l ヽヽ ヽ ヽ、
',.' ,' .i l:::::::,'::::::::::::::::::',::::::::::::::::',::::::i l .ヾ_l ヾl .ヽヽ ヽ .l
637 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:17:33.08
ID:3r2/OEko /
|
\ ..::::| 『ちょ、ちょっと翠星石さん?こんな事してる場合じゃ』
\ /| ̄ ̄ |
\ / | : ::::::::|
| \ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| :| : ::::::::| 『んふ……別にいいじゃねえですか、
|::: : | |::::| ̄ ̄| ̄ ̄| :| :| : ::::::::| 翠はここんとこストレスが溜まっちまってるですよ……
|::: : | |::::|._____゙|._____゙| :| :| : ::::::::| それとも、こういうの、イヤ?』
|::: : | |;;::|!iiiiiiii!|!iiiiiiii!| :| :| : ::::::::|
| )::::| / \ | : ::::::::|
|::: : |/ \|__ |
|:::./:::.. ..::::::::::|
|/:::::::... ..::|
/::::::::::::...... \
| 〈 イ/イ´ / ∧
-―ヘ u ″'´ノ / ', い、イヤって言うか嫌じゃありませんけど……
, ´ -― ヽ L 、____ _、 rイ「 ハ |
′/ ', `ー==ニ彡´ ノ´ ノ | | | こ、こういうのは、ねぇ……
| ′ ! ` ´ /イ | l |
|| イ州」厶ィ´ ノイ}ハレ/ ′
┤|  ̄「 / // /
 ̄  ̄\ ヘ / / ' / |
\ / 〉 .′ / // |
. \ / / / / /∠ -‐ ニ>ー- _
\ / / -‐' /-‐  ̄ -‐ 二 ---\
/ZL 、 `ヽ、
、_ __/ /_{_ } } \
`ーァ′ ̄ / //_ノ} / _ノ八 ,_∧
{ / / /_//´ ノヘ{_´ vVW} ,
∨ / { 7i丁[ ̄`ヽ ` } 、_ ト='′ そ、それに三人いっぺんなんて……
}/∧ lVィ恭ミミ` ‐‐ 、_ノ从iリ
〔 {〈、` Ltタ′ ィ=ミ、// / む、無茶ですよ……
ヽトヘ {tVハ/´ /
_} 、u __ { `¨ 厶ィ
/\ 、 ヽ、 ` _ア´ /
/__FL 〉\ \ _ . ´
_ -─── ´ {h7rv//^ー`=ァ′
/ 、 _/り// rく
638 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:18:55.54
ID:3r2/OEko ヽ:', ,,. |: /ン
,一´、:', 、 /:: / (お、俺には妻が…)
, ' / l::ヽ u ,.' 、
, '. / ,!, ,' ヽ ー ―――― , ' 、 \
/. イ// '. ヽ ゙゙゙゙ , 'ト l ' ,<ゴクリ……
l ! ヽ , ' l \ l ',
. |. ', ヽ _ _, ' / | ',`‐
| l | l ' , \
| | l \. \
', / /, `ヽ \ \
i/ // \ i:.:.:}イ´ んふ……いっぺんに相手してやるですよ…任務ですぅ!
::.{,// / / l \ ', {:/ l
::l / :/ / :l::.l ト、 ::.'、: V } ト:', ,. -‐ 、 ほら、準備は出来てるですぅ……
l/ .:/ .:/ :::!.:.l ::i \::. _ -:',::. ハ }:i l ', >'´ ヽ
/! .:i .::l:. .::j ::l| ::l >'´ト、::.. }:.: l | | i \ / , ', 早くぅ……
/i | l ::l:: /! :|l ::| / ヽ ,不}:.|: .:i:!i / / / | |__,. -――、
/ :l | :l :l.: /:イ::!:! i:l /,ィし'ツj:イ: .:,.- レ〃´ ! u | \
l :l :! :.、:l:.イi ノ'_!:l| u  ̄ /} .:イjィ´ f!i ! ゝ | \
| :ト ヽ :{犬ヘしツ{' ''''' /イ厶'/ ! !!ヽ /ヾ、 |、 _,. ヽ \
l :i \ ヽ:.、_´ '''' 、 丶 / / ヽヽヽ_ィ'´ ,__ヽ !,.コ´ \ ヽ
ヽ:l |::`ト、二 ィ´u r-、´ / イ `ー-イ FF=! !、 ` 、 ,.. \
\ ヽ:. ヽ ト  ̄ 下 ー -- イy1 / ヽヽ ! ` 、 ` Y \
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 20:19:24.46 ID:PvUiS/so
……背徳的でいいね!
643 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:20:17.10
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※またもやキングクリムゾンの時間です。当スレは全年齢向けを目指してましたがもういいです。18歳未満禁止。
ガッツリ見にくい形で音声のみお楽しみください。
_,、=:ニ;‐、、--――‐y、,_ ,,r;;;;''''=―--、、,_
/´ ヽ,ヽ,.゙'l,.゙Y;--',r'゙'ヾ;'V.j /∠,,.r_;'゙-‐-,<゙゙ヽ,'i、'‐、,
./_ .,,_j ゙l l,. Y/゙'ヾ、;、ノ,r;'| /jフ,r-、ヽ、 _,,>.゙'ー;゙' ーi,. |'i,
j.ヾ! ト‐! | .| .|,_ ./,.〈. 〉| ./ .(゙ _>゙'゙ r''゙´'i,゙l, ,j レ! .|:| 『んむ……お前のこれ……結構でかいです……
.|il, __ j .j゙ .l ト,゙',/ j.゙ r;| .レ'゙''‐ニ'''゙r''゙´ .゙l,ヽ,. ,ノ ゙ r''1.jノ これを早く……捻じ込むですよ……』
.|.l,゙l, ゙ー゙.ノノ / / ゙l ゙l,ヽr',r'l ゙;| .ト、,. /./´゙ヽ;.、 ノ ,゙rッ .,Y';V
| l,.゙ヽ--'゙ ,ノ / l, ゙'゙,,.l, ,j ゙| l,ヾ,、--、,,,、'_, r''゙ l / li,;) 『どうですか……翠の手は、気持ちいいですか…?』
l,. ゙'i, / ,rシ-、,ィ) l,゙i,V/゙j゙ /゙,,、、、,_ ゙\!.レ゙ .| Y゙
゙l゙i,・ヾi, ,/ィl、・_ノ ,;:: ゙シ'i.l,ノ ./゙ \ ゙Y: .l / 『あん……いいですよ……その動き、もっと早くですぅ…』
| `ラ´゙'''´ ''"'´ .| |:.r'`V'''" ̄`゙ヽ、 ゙'i, |. ' /
゙'i, u .j |./ ∧、, ゙̄ヽ、. \ ゙l. |\ ./ 『あ!はぁっ……凄い!翠の○○○の○で一杯○○ますぅ!』
゙i,. r、,,,.、,_ / ノメ、 .j |ヾヽ,゙'ー---‐'''''ヾ-、,‐'
.゙i,ヾ'-'ニワ. / ./ノ .V j゙ |'i,. ヽ;-‐-、,_::::__ ::..> 『ん…口に入りきらないですぅ……んむ……』
/:::l,〈` //‐'´ ./.ヽ/ .j.ノ .:ヾ、;:) ゙'i `ヽ、
/::::::::|ヾ‐;<;/__,、r'´ ./ .)='゙ ..:: ,ソ .(:: _,,r‐''゙⌒`゙ヽ、, 『あっ…!あっ!あっ!いいですよ!
/ l;::::::::::Y゙人゙l;:. .,/,r'ニ゙ _,、r''´ ..:: ゙ヾ、 :: ヽ, もっと○○の○○○に○○○○○───
l /,r:| j‐゙''l; ゙ニー‐'゙ (`l.(_,r‐'''゙´__,, ....::::: .`ヽ、,....:::::.. ゙l,
┌────────────────────────────────┐
│「やる夫は復讐の鬼と化すようです」 やる夫萌えにて好評?掲載中! ....│
│ ttp://yaruomoe.blog45.fc2.com/blog-category-37.html ......│
└────────────────────────────────┘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
646 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:20:54.88
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【一時間後】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
648 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:21:51.63
ID:3r2/OEko ______| ""''、|"';|/
....| |ヽ___________;| :::|
::::| |:::|""''' ''' '''' ''' '''' ''' '''''''.:::;;| :::|
....| |:::| ...:::;;| :::|
::::| |:::| . 口 ..:::::::::| :::|
....| |:::|二二二ニ┻ニ二二二,| :::|
::::| |:::| ._____|≡≡≡≡| :::|
....| |:::|___/l l\ ___,|_,,,| ,,,......_
..::|______.|,/ I::/ーーーヽ::I \...::;;l"' 、,"' 、,
:|_|ニニニニ|_| ,.'ニニニニニ| "' 、,"' 、,
L_____,i "' 、, "' 、,
__________ l\ :: "' 、, "' 、, "' 、
/ \ \ "' 、, ' / |
/ \ \ /二二二二二" .:|
/ \ \ ::| ...::::|
/ \ \| ...::::|
\.::L, -──── -、_| ガラッ……>
/ V´ *_rー'  ̄ ̄ i :Tヽ、* ヽ \
/ ::/ ノ:  ̄/: : : : : : :i: : :i : : :ヽ、 .} \
く :::レ': : : :/ : : : : : : : ::/: : ::i: : ヽ: ::\}. \
\ ::/: : : : /: : : : : : :/: /: : /: i: : : :.i: : : ヽ / ごめんなさ~いですぅ。
Y: : : : :`:く;; : : : :/://: //:/^レ:'":|: : : : :レ'´
|: : : : : :|__>ァ'-.// /_ェ‐ニL;_: |: : : :i:| 色々あって遅れたですぅ。
|: : : : i レイつ^トv" / イブい/゙| : : :i:i
.∧: : : い ヒニソ / ヒ二ソ ./: : :./:| さ、始めるですよ!
,': :(V\:\ 、 /: :/}: :|
,': : :} ヽ. `rー -ー-ァ "フ´ ノ__::|<ツヤツヤ 満腹、満腹ですぅ!
,': : : :{ * .}: `i 、 `'' _. .イi * /::: ヽ.
,': : : : :{. |: : i: :i _| ー‐ .「: i:r┴┐|:::::... |
.,': : : : :.r┤ レー ' ヽ. .ノ `>く⌒ マ:::イ__ク
: : : :.r'´.ハ{ .| ェ=>くェ.く \ ヽ V 「 ヽ|
: : :/ /: ( ハ フ|=="゙ /^Tヽ| ヽ ` ノ | |i
: :/ / ノ |ハ | / |( /\. / | l:|
649 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:22:43.61
ID:3r2/OEko ヽ / /. \ \ \\\\\ \ '、
\ / /\\ \ \ \\\\.ヽ ヽ∨
/ /\\.\\ \ \ \\\\\ V (うわっ…翠星石、すごい臭いがする……)
く /l ト、\ヽ \\\ \ `x.^\\\ヽ.ヽ ',
\ /¦| | .ト\\\\\\/ ,. -‐.┐、\ヽ\ ',
. \/ /.l l//ハ\\ヽ \ヽ ` ィ{:;{i:;jリ.j | | ! | l\}
∨| l|l|l,.. -‐\\ヽ\. ′ヾ`ニ′ハl | | |∧| す、翠星石?もうちょっと真面目に謝った方が───
. '、.{. ! | | | _ z.-‐-、 //l l | | }
\| i ||弋{:{i:;jリ.j 、 /'./| l | |
i\l i \`` ‐′ _,.. ' / .| l l¦
| |\ \\ u / ! l | ー─--
i { \ \` ー----、‐‐´ / |
. \__ \ \\,.'´ ̄ `ー 、r′
/ ̄ \ \ _, イ.{iー-、
,ィf>^厂{爻}勹⌒^下ミ `ヽ、 :'
':rfフ::.::.::.:_`ー'^ー'::.::.::.::ノ レヽ>、ヽ
_fヲ::.::.rxtタ^⌒^⌒^X≧z:::⌒:.:::.:::圦ハ :'
': /r‐v':r彡 |l| l|l| l il li l l| !l| l|トミk::.::.::.:Vfハ
{〈 ィ/^ ,1l l|l !|l| |l|| |l | l | l |l| ! |ヽ>、::.:V! l| :' ……「一時間」遅れだけど、始めるわぁ。
`7/ // ll )レ |l!| l| l | l | |l| ! |//^ヽ:/⌒》
': /丁7 l| l l| ⌒ | |l!| |l |l l|l | |l| | |トミ=彳|厂´| 富竹、資料を配って。
レ⌒l| l| | |l| !l| !l| |l | || |l |l| | l|! | |レ⌒ヽ|レ⌒!
/|l |l! |仆ミ」l l| l |、」 斗 ヒて {{ィ/77ハ\j :'
': //lハト、ヽ f--tミ ::::::::::: f‐‐ア彡 '/// l |! | |
/// 7∧ヽハ .゙==' :::::::::::::::ゝ=‐' //ハ /! j l | | :'
〃 // ハ/小. 、. /〈// l|| | ! | :'
″{ { ,' // |l ヽ、 -‐-‐ /// ハ | | | ト、 , =彡
⌒ヾメ、/,'_川 |`丶、 , イ // ,'l lル' l| | ∨∠/三
:―::.::厂:.:.:/// |!| l|l /`fT!^ヽ ̄} ' / | |l \_!」 / 彡竺三
ー=彳:.:.:.///:`Yヽルヘ /」ト、/:/ /ハ/⌒7:´:.:.:.:`ヽ三三三
'⌒V:.:.:.:.{ l {:.:.:.:\ <ヽ:.:.jj:.:.:.:./ //ノ:.:.:.;':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\三三
651 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:23:48.88
ID:3r2/OEko /\ゝ 〈! ` /〉 /ィ/|リ
i ハ __// イ|: | へえ……逃亡した犯罪者じゃなくて、脱走した囚人か。
/ ヘ ´  ̄`´ / ,|:. |
. i .:.:ヘ ´` イ二|:. |_
. | :.:.:| \ / |:.:.:.:|:. : .| ̄`
| :.:.i | ` _ ´ |:.:.:.:|:. :. |:.`ヽ
!: :.:.|、,.,|_ -――- _| r ''|:. :. i:.:\、\
┌─────────────────┐
│┌─────────────┐ │ 「囚人」じゃなくて「患者」よ。
││ / ̄ ̄ ̄\ .│ │ 患者名は「和厳 オプーナ」。資料の写真は半年前のものだから、
││ / -―、 ―-\ .│ │ 現在とほぼ同じと見て間違いないわ。
││ / ィてフ> i iィてフ> \ ....│ │ アポーツ
││ | (__人__) | │ │ 人妖能力は「物品引寄」。
││ \ ^ / ..│ │ 脱走の経緯から見て、結構な力があると思われる。
││ / \ .│ │
│└─────────────┘ │
└─────────────────┘
652 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:24:46.84
ID:3r2/OEko l:.:.|:.:.レナナ'‐ l:.ト! \:.__:.:.:.:|.:.:.:|
|:.:.:ィ升Krォァ=、 ヾ!\´ _ゝ_ ` .:, .:.:.,'
|:.:.ハ:.:| 辷'ノ 丶 イt::_iヾレ:.::.::, ……かわいい顔してるね、勿体ないなぁ。
|:.:.:.:l:.| :::::: ゞ-' !:.:.:.:.:イ
l.:i:.:.:.|ヽ. _ ′ ::::: ハ:..:./
. |:l:.:.:.|:.:.\  ̄ イ:::::/
ヾ!.:,|ハ..:.:.|ゝ、 _ ...ィ/:.:.レ:j/
_ _ _ゞ\ー- 、 |:./レl:.:..:/
/ : :i : i: : :ト、 : : ヘ : :ヘ. | イ__/
/ : :i : : /,イ イ: :ト、\__,: :∧ : : :| ※゙|.八
l l : : :l_ // ル゙i: :ノィr‐─< 〉: :.,' .l: : \ なんか弱そうだけど、いい男ですぅ。
l l. : :tノ.厶イ ル゙ (て刀ア.,': :./ ※ .l: : \
|∧ : :∨ (てカ` ゞ―゙ /: :/ .ト、 : : \
. ゝ : : \.ゞ┘ , ////,.イ ※ l: \ : : \
. `(>┬-ゝ// r 、 个 ∧.: : \ : : '.,
. ) 人.X゙\ `‐' / .| ※ /.: :',: : \: : l
/./ : : )゙※/゙テ=r‐ャ<.___人. /: : ',: : \: : l
. l l」 i ヽゝ:::::::::::.. ゞ゚ノ//ノ |,イ
! ト、 ! .:::::..´ソ" l:」 ,-'´
i |. 丶 、_ ,、_ ´ /', , // ……まぁ、それは否定できないわねぇ。
. ', ト、 ゝ . ‐/ フ_,, ィ ´ !,〃 ,..-'´:∠_
. ', |::::`:‐-.、`> . _ / /l´ ゙!i lイ/:::::::::::::-= 二、_
、___ヘ !::::::;ィ;==,‐、 ;_/ / ! !| |::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::ff《ヘ i::≪::::::〃!,ィ´`‐-ヾ、l_/_il l、::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::ゞ》 ヘ. ト、::::゙彳/ゞ/r‐---、i/´::::| /:::\:::::::::::::::::::::::::::
/ / / / | |:l ヽ:、:. ヽ \
/ /| /∨ /〃/√/ / / / .:| l :|:|::. |lハ:::: ヽ::ト\_
,' |// /// / /.../ .::i .:/| |! :|ハ::|l:::}l::::. |、:!
,゙ ー=´イ 〃 .:l :l.::/ l |.;;|:⊥|_l_リ }:|!:::}::::|::| j:|
l | /:{ .::|.:|::l /|':|::|:l:! l{:‐`マ十|::::}:/}::| j! (こいつらは目が腐ってるんじゃねえのか)
| ..::::/⌒:| .:::|::l:| / ! |:{_;!__{__ー{, ノ:从ソ ノリ
│ .....::::::::://´r | ::::|::l:l.{ |{`''、_ノ_,~` {((
,..ィイム:::::::::::::::::{〈_ ((\:::l::l:|::| ヾ \ ……能力的には、あたしとアーチャーに近いものがあるな。
/ \ミミヘ::::::::::::::::\_‐\_V|::l:|::| u >
/ ..::::V少ヘ:::::::::::::::::::;}`ー、ヘ\::|! r ´
653 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:25:38.93
ID:3r2/OEko 、_
ヾ\ i
ヽ、__\:.:`¨"'ー、_i\. |:l
\ ̄: : : : : : : :ヾ`\l:ヘ.、 i、
`=ニ二 ̄: : : : : : : : : : : : : : ヘ: ヽ |:!
/´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヾハ /
、_,,,/´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : レi /
 ̄ノ: : : : : : : : : : : : :!ヾ: : : : : : : : : : : : : : レ′ アポーツ
<二: : : : :, ヘ: : : :;;;;ミ ヘ: : : : : : : : : : : / 俺達と同じ「物品引寄」だが特化はしてないのか。
\: : : :((ヘ i彡"" ヘ!: :;: : : : :ノソ/
ゝ: : : i:し ソ \, `ヾヘ:,://′ だが、力比べをしてみるのも面白いだろうな。
∨: : 〉Y 弋ftミ、、 ノ
)ソ" 7 ´`´ ヾ´" ,,、≦" 隊長、この少年の性格を教えてもらえないか?
ソ ヘ iヾソ
__ / ____' , ∨ 敵前にて逃亡、あるいは降伏を決め込むような人妖なのか?
//´ ̄ ̄7/::::::::∧ ー- 、_ /
// ___ノノ==二∧、、,,,、、-/´、_
ノノ´ ̄/::::::::::::::::::::::::::::::,::'':::´::::¨"``ヽ.
ノソ: : : //::;;;:::::::::::::::::::::::::::;':::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
ノ!: : /´""l::::::::::::::::::::::::::::;'::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;ヘ
,. -ュ,ニニ弌垳ト、
/r'^ _rヘ-ヘ/^ヽr宀、
/!7ト、7′ 〃 l ヽ ヽ
、 / l//L」| ∧l | ! |l | ! ヽ
|:l / 〃 ||丁l トH、lV| |l /l } l | ……カルテには、十三年の間に、逃亡一回、喧嘩が一回とあるわ。
ヾヽ / 〃 |l | l抔卞`ヽ{ /-ト/ //リ
\ ヽ:∨ |」 /l| lトヽ ̄ レ'戎シ' / ′ ただし、逃亡を行っただけで、腰抜けというのには想像し辛いわね。
⌒ヽ!ヽ._j\\ / 八 |ヽ __ ' ∠r1=彳
::..::..::..::..::..`::..::ヽ/ ハ ヽ‐ >、 ,. イ| }::..`ヽ、
::..::..::..::. /⌒ヽ、ヽjノヽ.∨r 芥、/:./ /::..::..::.、\
::..::..::.::./:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ⌒Tlヽ}l,ハ/-/ 〈::..::..::.`ヾ\ヽ
654 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:26:31.58
ID:3r2/OEko <二: : : : :, ヘ: : : :;;;;ミ ヘ: : : : : : : : : : : /
\: : : :((ヘ i彡"" ヘ!: :;: : : : :ノソ/
ゝ: : : i:し ソ \, `ヾヘ:,://′ ……逃亡一回、喧嘩一回というのは?
∨: : 〉Y 弋ftミ、、 ノ
)ソ" 7 ´`´ ヾ´" ,,、≦"
ソ ヘ iヾソ
__ / ____' , ∨
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
逃亡一回。それは、わたしが深く関わった事件……お願い、声が震えませんように。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
|::| l| |:| l \ \ 、ヾ' / イl/
l| | ` -\ ′/ ノ 「逃亡一回」というのは……この病院に入院して三年目、
|l |\ u ‐-,,、 / / 八歳の時に起こしたものねぇ。
ハ ト、 、 ` イ
/ ハ l::.\ >_,、 / | 今回の逃亡と違い、金網に辿りついてすぐに捕縛されたと
/ ∧ l:::::/.::7爪 丁 | ……記録にはあるわ。
―- _∠::::ヽ ∨:::/ 小ヽ |l |
―‐ 、 ` マ}__ ト、 ∨/:||:lL)〉ハ |
::::::::::..\「` マ}___\ ∨:||:「く/ | |
::::::::::::::::::::::::::::..マ}___\ ∨| ヘ`ー| ∧
::::::::::::::::::::::::::::::::::..マ}__ \l| ヽ:::::l /:::ヘ
655 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:27:25.71
ID:3r2/OEko ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
──────良かった。うまく、言えたみたいだ。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ヾ:.、 l::{ / / l ト 、 ' / /|:l |:|
\ト、}:ヽ|::::∨/ | | \ ``;' / | ` |:|
::::::::::::::::::::::::〈 l |___\ <| | ` 喧嘩の方は……逃亡直前に起こしたものね。
::::::____:::\ ∧ |::::;;==≧ー< | ,'
/, ――― 、く::::::〉、 l{:{.::.::/;小`l:l | / 今回の事件の間接的要因になってるわ。
/.::.::.::.::.::.::.::.::\\ `\ lヾ='イ |:ト='' /l /
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::\ l:::.`ヽ、ー'|:| |:|\___/ l / 内容としては────
.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.:..\ノ:|⌒Y^y'ヽく:.\
二.,,_ ―- ::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.:..\ | く({廻}>::.:.\
::.::.::.::.:: ̄ ''ー- >::.::.|::.::.::.::.::.::.::.:..\ `¬くヽ::.::.:.\
.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.丶 ハ| l \::.::
::::::::::::::::二::ニ::ニ> `"ヾソ:ノ
:::::::::::::::::::::::::彡" ー、,. i
::::::::::::/⌒;彡" ≧r,、_ ',
:::::::::::{/:ソ"′ `'ヘ 〉 ほう……四対一で、喧嘩に勝つのか。
::::://!ヘ:) ヽ
/// `て \ 人妖能力は病院で抑えられていたとすると、
:::// i 、_ / 注目すべきは身体能力だな。
:∨ 、 `ゝ
\ ,` とすれば、何か武術か格闘技を学んでいるか。
`"''ー-、、,,,_ ヽ:\ !
::::::::::::::::::::i;;丁`'┐ " ̄´
::::::::::::::::::::l;;;;|:.:.:.:.|i〕
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:二7==l、,_
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:(()ヘ\iヘ\
;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヘヾヘ;;;;;;\_ 〉;;`\_
656 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:28:37.62
ID:3r2/OEko {{ /:://:::::|::.:.:.:.:.:.\:.:.:::::::::ヽ、\:::::::::\:::::::::::ヽヽ: ムハ
ン//:::l:::::::|:.:.:.\::::::::\::::>:::::::::`ヽ、::::::::\:::::::::::::::入 | オイオイ、相棒。
// /::::::|:::::::|:::.:.:::::\::::/ 〆_ ̄>:-ァ::ヽ::::::::::\ー-::::: ム、
!:| !:::::/|:::::::|:::::::::::::::::ムrく;._/,ィ杉 〃\::::::\:::::::::::\::く ヽ たかが格闘技や武術がどうだっていうんだ?
l:| l::::l |:::::::ヽ::::::\::::::\`イ! '´ 八::::ハ::|\:::::、::\\‐≦
! !::| |:::\::::\:〈\:::::lヾ゙ j/ リ し \:::、、:ミ::\ニ そもそも、あたしらの「能力」に敵うわけがない。
ヽ ヾ:! l::::::::\::::ヾヘ \! ノ 「ヾ、::≧、::::::`ヾ
ヾ、 \:ト乂|:ヘヾ} ! jハLニ\:::::::::: 軍隊格闘技だって、ここでみっちり仕込まれてるんだ。
/ l:::ハゝ、 ' - 、 / >;;;;;;;;..ム:::::
, ,.ィ
. /l// ―‐ァ___
,ハ __ ´ <
/  ̄ > \ 所感を述べただけだ。
}7l =ァ=,=、‐‐ヽ l ̄
/ソ 〈〈_ハ / | ……まぁ、問題にはならんだろう。
` _ `'⌒l N
. }  ̄ ニ 人!
. ヽ _ .. -'^T/`′
} _ .. ― ユ、
r‐┐r 二 、
L..ノ/ \
l l ノ!
l `ー‐ f r'
l ノ' <フッ……
! /
,' /
 ̄ `ー - /
` 、 /
:.:.:.:.:.:... 、 /
657 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:29:37.79
ID:3r2/OEko /イ::/::ヽ | || | | | | l 、 ヽ
|::| /:/l::ハ::. | |.| |l | | | | | ', ヘ
|::l'::/ |::|_ノ::〉 / | | | | | |l | | | | l | ハ 和厳オプーナに関しては、それくらいねぇ。
. /√l トr-イ |-ト、|| | l |l | | | | | | | l
/:/ l |::| | | \|`\ト、| | | | /; / | /l | | | | で、もう一人。
:/ | |::l l |气f><ヽ|、\ , l /// |./ ノ / / .ハ |
| |::| ヽ | ゙{ l! }`ヾミ ∨//厶-―<./ / / | | 和厳オプーナと行動を共にした人妖の少女がいる。
| |::| ト、 l ヾー< 斗=ミ、_/ /} / |ノ
| |::| | \ _( リノ ''// /ノ/ イ
| ヾ | `¬ / /イ| /:/ ……こちらに関しては、名前も不明。顔写真も、不明よ。
! |\ / ∠ イ L| /. :/
| | \ ―-; / | ィ /. : :/
. l ト、 \ < |// /. : : :/ -―ァ
':: / レ ' ィ /___-`ヽ \ \::::::::丶 |::::: .
|::: i ー…丁イ´ヽ fィ弋バ ` ー\-::: |::::::::| | ど、どういうことなの?
|::: | i ::::: l _ゝフ' ォ=、ヾ:::::Y::::::ハノ
|:::::::::......i:... :::::ヽヽ iハ::ハ!ハ:::::l::::/ その女の子も入院患者じゃないの?
∨:::::ヽ:::ヽ:::::::::::::|\ u _ ' ` ∧':::::レ'
. :::::::::\ ::::::::::::| / ∨ レ::/ 患者なら、何かしらのデータは残ってるはずだけど。
N::::::::::::::ヽ::::::::| `ー′ ハ::l
V小::::V!::::::| 、 イ! V
/:/ | ヾ/ l l l| |l || | | |l |
:/ | |:| | |八 |l | { 川 | || |
: | |::| | | \ | l | ヽ / /l | || | 念の為、最新の患者記録と現在この病院にいる入院患者を、
' | |::| | |ト=≧ミメ、| /_厶lノ / ハ| 私と備武出で照合したわ。織崎院長が言ったとおり、
/ | |::| l | { リヾ | /≦k./ / イ ノ 和厳オプーナを除いてこの病院から脱走した患者は、一人もいない。
| レ′ l |  ̄ 〈ソ´/ //|:|
/ /| | ヽ l ヽ /} ´/ |:|
/ | | \\ ' / /|:| |:| 念の為、警備員や医者、看護士に至るまで、全てカウントしたわ。
| | -- イ |.|:| |:|
l |、 \ / | |ヾ〉 レ それでも……痕跡はどこにも見当たらない。
658 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:30:37.24
ID:3r2/OEko 〈〈__/:ハ::.Vヽ\ | | |、 | ヽ
. /ヾィ/ イヘヽノノ | |ヽ | \ ', | | '.
/ /://ll |:「´ |{ 丁ヾト、| ヽ |! | |l | まずは監視カメラに残っている映像を見て頂戴。
|::| l| |:| |ヽ弋f==,ミメ、 ' ∥ /ハ || |
/|::| || |:|ヽ | 、_{._!ンヾ }ノ|l /厶| , / ハ| この少女、まるで不可解なのよ。
|::| || |:| \ ヽ  ̄¨` l/rテミ|/ / / }ノ
|::| l| |:| l \ \ 、ヾ' / イl/ 全てにおいてありえない状況で存在し、
l| | ` -\ ′/ ノ ありえない能力を振るっている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ー` |イィ´ ォ= \「 ̄ノ ノ':/ !:: 「 `r ─┬ ´
'⌒/! 彳⌒ヾX - < f |::|ノ⌒j |::::|゙ rく⌒ヾ_j
|/ ! i::::::::とハ! -= `ム|::レ、'ー!::::hハ ト-'´
r―┤ 、 _! 弋__つ イ⌒ヾX ヾ|::ト、ー‐|::::::V`′
ノ / ゝ__ j , , , 代::::しハv |小:\ イ:::::::_ゝ
厂 弋ニニイ! ' 弋_つ ' イ⌒レ′レ'´
r'──=─ ノノ人 - , , , /.::|!:ノ
ム--- ー=イ/ rゝ、 ` イ |!′
ノ'´ ̄  ̄ イ´r─┴ く\ . イ´ ̄ ̄:リ\
ー┬── <_ |:「 ̄丁ヽV `r-r―_ァ―'⌒r '三i|-=≦,.ノ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
i ハ __// イ|: |
/ ヘ ´  ̄`´ u / ,|:. |
. i .:.:ヘ ´` イ二|:. |_ ……ハッ。まるで女王様の行進じゃねえか。
. | :.:.:| \ / |:.:.:.:|:. : .| ̄`
| :.:.i | ` _ ´ |:.:.:.:|:. :. |:.`ヽ これがこのガキの能力だって言うのか?
!: :.:.|、,.,|_ -――- _| r ''|:. :. i:.:\、\
r ''|:..:.:| i´:::::::::::::::::::::::::::::::::`| i:.:.: i',、:.:.:ヽ` \ ……ありえねえ。
r ´` ''´ .i:.:.i| r|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト.i:.:/i| `´ '、,,
|:.:.iヾ、,:.:.:.:::::::_:::__;;;;::::::::::::::::::≦_,
l:.ノ `ゞ" ´ ´ /:::::::::::::::::::::::ノ′
催眠術、のような物か……!? !/ ミ::::::::::::::<´
ヾ〉、_ __,,,,,、、__ ミ:::,,、:::::::::く
声を媒介にして、 ヾf!} ヾ彡"f斤ゞ "( ヽ:::iヘゝ
なんらかの力を行使するタイプと見えるが… / `′ `"´ ソ 丿ヘ
_ ___.ヽ/ u イ:|\:!
659 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:31:33.38
ID:3r2/OEko ______| ""''、|"';|/
....| |ヽ___________;| :::|
::::| |:::|""''' ''' '''' ''' '''' ''' '''''''.:::;;| :::|
....| |:::| ...:::;;| :::| 『───いちおう、現時点で分かってる情報は全て伝えたわ。
::::| |:::| . 口 ..:::::::::| :::| 他になにか質問はあるかしら?』
....| |:::|二二二ニ┻ニ二二二,| :::|
::::| |:::| ._____|≡≡≡≡| :::|
....| |:::|___/l l\ ___,|_,,,| ,,,......_
..::|______.|,/ I::/ーーーヽ::I \...::;;l"' 、,"' 、,
:|_|ニニニニ|_| ,.'ニニニニニ| "' 、,"' 、, 『……』
L_____,i "' 、, "' 、,
__________ l\ :: "' 、, "' 、, "' 、
/ \ \ "' 、, ' / |
/ \ \ /二二二二二" .:|
/ \ \ ::| ...::::|
/ \ \| ...::::|
\.::L, -──── -、_|
〈〈__/:ハ::.Vヽ\ | | |、 | ヽ
. /ヾィ/ イヘヽノノ | |ヽ | \ ', | | '.
/ /://ll |:「´ |{ 丁ヾト、| ヽ |! | |l |
|::| l| |:| |ヽ弋f==,ミメ、 ' ∥ /ハ || |
/|::| || |:|ヽ | 、_{._!ンヾ }ノ|l /厶| , / ハ|
|::| || |:| \ ヽ  ̄¨` l/rテミ|/ / / }ノ ……
|::| l| |:| l \ \ 、ヾ' / イl/
l| | ` -\ ′/ ノ
|l |\ ‐-,,、 / /
ハ ト、 、 ` イ
/ ハ l::.\ >_,、 / |
/ ∧ l:::::/.::7爪 丁 |
―- _∠::::ヽ ∨:::/ 小ヽ |l |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
私にとって、彼はもう、抹殺すべき対象でしかない。例え、心の裏側に、どんな想いがあったとしても。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
660 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:32:27.98
ID:3r2/OEko ´ 丶
/ 丶
/ 丶
/ |
/ _..,,ノ/ |
/ =={鬼} ノ ……
/ / / |ヽ
! 丶_ / /
| ̄ ̄ ‐ '─ !_ ノ ´
|::::::::::::::::::::::::::::::`‐ _ /
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐、_ /
__ _ -‐' ̄`‐- 、_::::::::::::::::::::::::::::`‐ <
|::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-、_:::::::::::::::::::::::::::>
__|::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_:::::::::::::::/
───────────────────────────────────────────────
『─────己の命も、獲物の命も』
───────────────────────────────────────────────
/ / / / | |:l ヽ:、:. ヽ \
/ /| /∨ /〃/√/ / / / .:| l :|:|::. |lハ:::: ヽ::ト\_
,' |// /// / /.../ .::i .:/| |! :|ハ::|l:::}l::::. |、:!
,゙ ー=´イ 〃 .:l :l.::/ l |.;;|:⊥|_l_リ }:|!:::}::::|::| j:|
l | /:{ .::|.:|::l /|':|::|:l:! l{:‐`マ十|::::}:/}::| j!
| ..::::/⌒:| .:::|::l:| / ! |:{_;!__{__ー{, ノ:从ソ ノリ
│ .....::::::::://´r | ::::|::l:l.{ |{`''、_ノ_,~` {((
,..ィイム:::::::::::::::::{〈_ ((\:::l::l:|::| ヾ \
/ \ミミヘ::::::::::::::::\_‐\_V|::l:|::| >
───────────────────────────────────────────────
『共に生死は問わず』
───────────────────────────────────────────────
661 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:33:24.09
ID:3r2/OEko \{:.:.:.:.:.!:.:i:.:|:.:.〃 `''ミ::::::/ ヽ::::::::::\|
\,__ヾヘ::::i:::レ:レ′ / ミ{ (、 )}:::::::ヾゝ
\`:.:.:ヘヾ" ,、<,rャソ ) ノ!::::::!:::i
`\ヘ _/<弋歹 ソ::::::::iヘゝ
ヾ、 ヾ彡"´` iヽ::::::::',
弋心 ! ヘ!レヘ
`'" } , ルヘ
───────────────────────────────────────────────
『我々は護国という任務を全うするのみをここに誓おう』
───────────────────────────────────────────────
∧{r米7: :./ :/:. /: :イ: :/: }: : . : : l /:.:.:/:.:.:.|:.l:.:{:.:.:. ヽ:. :.:.:ヽ: :ヽ:.\::.::.: 〉
l: :ri `'/| : :{ /:. . /ィ/ /:イ: :ハ: : :. : | /:.:.:.:l:.:.:.:.:.l:.ト、ヽ、.:.:.\:. :.! :. :.:.:. Y´
l: : } ィ {: | : |!:ァ‐<´ /' // V: :| : :l {:!:.:.:.:|:/:/:ハヽヽ \:ヽ-ヽ:.{ .:}:. .:| :|
! : :{l l:.j:. :l{7テぅト ン/´,≦二 }:..:}: :/ l!:.::.:从≦二ミヽ ヽ ァ孑示}:}:リ:. .:!..:リ
l : : ハl トヽ、:..:l 辷ソ 伀リソノ:.ィ:ハ{ ヽ:.:::.小、伀リ _辷ソj//.:.:.:/ :/
j:./: : :.{、 ヽ\ヽ`_ 〉 `^イ彡 ′ ヽ:.:.ヽ ^´ 〈 ´ ´7:.:.:.:://
───────────────────────────────────────────────
『では───』
───────────────────────────────────────────────
. l " _,, - i-i.i-i ,,, __ ヽ、 l
ゝ ,,__,,, ゝiillliiiiw;;;,,,,,__ l .l l,.'l _,,,, ;;iiiilll>- ,,__/.l
l,,- ll" _,,ii==τiit","''''l'l l-kl.'''"",,--==t= ,.゛'l /"''l
/.i ゝ .l'l,"" .lii";::;l ゛ l"\ .ゝ .lii";::;l ゛l!l /" l l
l l .゛,..l l, ''゛""" .l l ''゛'''"'' / ./ .l }
ゝ 、 'i,.l ヽ‐――――" l. ゛―――――".l / //
l''i, , l\ .l .l/i ./ .l
662 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:34:16.92
ID:3r2/OEko \ ヽヽ ', ,'.: | !:/:.:.:
:.:.. \``丶 / /:.: .!/:.:.:
丶、:...ヽ、 ,. '´ , ':.:.: /:.: / 『────追跡開始だ。』
`丶、 ,ィニ二二.._‐ .._ /.: :.:./: //
〈 、 丁:.:ア´ ,. イ:.:.:.: /,. ィ"/
ヽ二...__‐..二!/ ,.ィ:´:.:!:.:!:.:-'‐:.´ l |
,...:.':´:.:.l:.:.:.:l:.:.!:.: : / /
663 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:35:10.52
ID:3r2/OEko /
|
\ ..::::| 『……話さなかっただろ。あの院長との会話を』
\ /| ̄ ̄ |
\ / | : ::::::::|
| \ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| :| : ::::::::| 『必要な事項は話したわ。問題は無いはずよ』
|::: : | |::::| ̄ ̄| ̄ ̄| :| :| : ::::::::|
|::: : | |::::|._____゙|._____゙| :| :| : ::::::::|
|::: : | |;;::|!iiiiiiii!|!iiiiiiii!| :| :| : ::::::::|
| )::::| / \ | : ::::::::| 『だが、重要な事は隠しただろ?……お互いに』
|::: : |/ \|__ |
|:::./:::.. ..::::::::::|
|/:::::::... ..::|
/::::::::::::...... \ 『必要でない事項を話しても、混乱するだけよ……』
【ドミニオン本部:廊下】
664 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:36:29.86
ID:3r2/OEko / ̄ ̄\
/ _ノ√ ⌒ \
| ={:::::} (⌒) |
. |√ (__人__) | まぁ、確かに。
| ` ⌒´ |
_入 | }人
, イ / ヽ } l\
/ | |ヽ ノ! | ヽ.
| ヽ、 | .V::::` ー ':::::.;. | ∧
_/:/:/ :| ', ,,,,ト、|_ヽ__ト、ト、.ト、:. .::/ /.:/.:://__/l !
.::::/:/ ::| ', |ヽ 二ヽ!ニヽNト、.::/ /ィ/イ ̄7 / / / それより、そっちこそ重要な事を話さなかったわぁ。
フ::/ /リ ト、 ',. `ヽ弋込ミヽ、 V ィ_万孑 フ /
"´ ./ /i: \ ヽ `¨´ ̄ ´ ̄ ̄/ / 備武手さん、貴方は彼に何を教えたの?
/ /.::| \/. i / , イ /
./ /.:::::| |`ヽ ` /ィ´ l. /
ミミヽミミヽ.:.::::::| | ヽ -─- /1 / /
ミミミ斗;;ミミ、.:::| | // >.、 ー ,. .'´l 1 / /.::::::::
665 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:37:43.24
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌―――――‐‐:、 ヽ.:.:._:_:.:.:.:.___:::.:.:.:.:..:::.:.:ノ
| 織 崎 病 院 | \
| | | o
TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTネTTTiヽ、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\
冂冂 冂冂 | || 冂冂 冂冂 冂冂 冂冂 .| \
二二二二二| |l二二二二二二二二二二二二! |
冂冂 冂冂 | || 冂冂 冂冂 冂冂 冂冂 .| |
二二二二二| |l二二二二二二二二二二二二! |
冂冂 冂冂 | || 冂冂 冂冂 冂冂 冂冂 .| |
二二二二二| |l二二二二二二二二二二二二! |
________________
| | |
| | ┌‐─‐┐ ゞヾ;ッ, |
| | |.[__]゙| ,ノノ;;;ソヘゝ |
| | |:: :: :: :: | ii |
| | └‐─‐┘ ┌┴┐ |
|_______|_______|_|_|_|_______|
. / └‐┘
/ /⌒l_ ___/⌒l
/ / / |_ll ____ ll/ ,/ |
/ |'⌒l / /|| / /|| / l⌒l" :|
| └‐ ┐/ ||  ̄ ̄ ̄ ||/」. ┌‐‐┘ | /
|_____|'' |_| ̄ ̄ ̄|_| |___|/
【織崎病院:院長室にて】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
666 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:38:56.14
ID:3r2/OEko ,.、-rァァァァァ‐-,.、
ハシ'"`''ー‐''"`ヾ;ハ
lミ' _ 、__,. _ ゙ミl
|| へ、_`ー '_,._へ ||
rョl ,.=。=゙ '=。=、 h 久しぶりだな…二人とも。
|ヒ|. `二} {二´ :|j.|
. ,ゞ| 人__人 |く
_,,. -‐''"´| : lヽ、{. ̄- ̄.},.イ: :|``'''‐- 、.._
/´l : : : : : : : :|: : |.\`'' ‐-‐''´/|: : l: : : : : : : : 「ヽ
/: : l : : : : : : : |: : :|. \ / |: : :| : : : : : : : |: : l
┌─────────┐
│ 院長:織崎幸雄 ......│
└─────────┘
. /ヾィ/ イヘヽノノ | |ヽ | \ ', | | '.
/ /://ll |:「´ |{ 丁ヾト、| ヽ |! | |l |
|::| l| |:| |ヽ弋f==,ミメ、 ' ∥ /ハ || | (ふたり?私はともかく)
/|::| || |:|ヽ | 、_{._!ンヾ }ノ|l /厶| , / ハ|
|::| || |:| \ ヽ  ̄¨` l/rテミ|/ / / }ノ
|::| l| |:| l \ \ 、ヾ' / イl/ 備武手さん、貴方もここに?
l| | ` -\ J ′/ ノ
|l |\ r‐ァ / /
ハ ト、 、 U  ̄ イ
/ ハ l::.\ >_,、 / |
/ ∧ l:::::/.::7爪 丁 |
. |──√ (__人__)
|, ` ⌒´ノ ……なに、少しここで、教師の真似事をしてただけだろ。
│ }
ヽ、 ソ それだけさ、隊長。
イ斗┴r┐` .;
/ ̄`ーゞ、 / |__ 〈ー─r、
/ \ ∨\ |,ベ._ / |
{ . : : : . ヽ>ー\[ ̄{ 〉\|、_
| `丶}\ __\_]~∨'\`ヽ
667 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:39:48.14
ID:3r2/OEko /r'^ _rヘ-ヘ/^ヽr宀、
/!7ト、7′ 〃 l ヽ ヽ
、 / l//L」| ∧l | ! |l | ! ヽ
|:l / 〃 ||丁l トH、lV| |l /l } l | ……そう。
ヾヽ / 〃 |l | l抔卞`ヽ{ /-ト/ //リ
\ ヽ:∨ |」 /l| lトヽ ̄ レ'戎シ' / ′ ───院長、カルテを。
⌒ヽ!ヽ._j\\ / 八 |ヽ __ ' ∠r1=彳
::..::..::..::..::..`::..::ヽ/ ハ ヽ‐ >、 ,. イ| }::..`ヽ、
::..::..::..::. /⌒ヽ、ヽjノヽ.∨r 芥、/:./ /::..::..::.、\
::..::..::.::./:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ⌒Tlヽ}l,ハ/-/ 〈::..::..::.`ヾ\ヽ
::..::../:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨_ || ヽ:レ':.:ヽ::..::..::.くヽ.j
┌─────────────────┐
│┌─────────────┐ │
││ / ̄ ̄ ̄\ .│ │ (やる夫くん……
││ / -―、 ―-\ .│ │ ちっとも、変わってない。
││ / ィてフ> i iィてフ> \ ....│ │ 体は大きくなったけど、目は、あの頃のまま……)
││ | (__人__) | │ │
││ \ ^ / ..│ │
││ / \ .│ │
│└─────────────┘ │
└─────────────────┘
/ // i l l // /l /_j_|_/ | く:::::: く_l_ |::::!、 \::_:ノ i
/ i / | l l ,/ / j_,. ィ´// / l `ーr-.::` -:::j:::! \!ヽ \
i ,l l l ヽ! _ / ./ ./ /_/,レ''=/ /i ノ ` ーイ:::| ヾ\\ \ 和厳……オプーナ。
l /l l i、 /`jィ / / , イ jr }_,. ,/ / / |::::| ヽ::! \
. l |ヾi |ヽ.イ´ _ゝ_ j / / ー` ´ ´,ノ / /! |::::| i::| \
! │ ヾ. l! ヽ!イ,iriヽ' ´ / /,j. | |:::::ト i::| ヽ
ヽ,l \ {! V ゝ '、 / /,/│! /|:::::| \ i:::|
` >_\ ゝ ヽ /_/ |/ ∧|:::::| \ ヾノ
668 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:40:42.38
ID:3r2/OEko ___________
/´ , -‐- 、. /
. i /:::::::::: `''‐ 、..__,. ‐'´ヽ. /
. ! ,':::::::::: 、 ∨ そう、後天的全身性特殊遺伝多種変性症、第参種、
| i:::::::::: 、 、`''ー---‐''´ ヽ
|. l:::::::: /へ.\` ー---‐ ´/,.ヘ 患者番号860 和厳オプーナだ。
│ \:::::::: _\\, /∠_ |
|. /"ヽヽ:::==。=`,, /=。==│
| { i⌒| |:::::` ー-‐' .::.\-‐ ´│
/|. l ト、|.|:::::: ー-‐ ' ::::::::::: l::-‐'.|
l / .! ヽ l
l ヽ__/ \__/. l 成る程。考えてみれば、この病院で逃げると決意する患者なら、
. l ` ⌒ ´ l
.l l まぁ、この阿呆以外にはなかなか思いつかんだろ。
l l
. l l
/,' ,′.′.′/,' / / l ′ // \:く //!h::ヽ ノ:::ノ
l ′i l i l | / ,イ / / /,′ ,′ヽ∨/ !| lヽ::r‐' !
八 l | | ハ{ / / ノ/_/__/_ / 7′l:||!::| | 備武手さん、和厳オプーナを、知ってるの?
ヽト、 、 ト二ヽ /レ'  ̄二ニ∠」_ノ / ,′ / ! ハ:::、 |
` `7ヽ弋なY '^ぃf{ノ} 彳 / / / /:/ ! l ::Ⅵ
,' ノ ハ ゞ ' ,  ̄´ / イ ,′ /:::l ハ |::::∨
/{ { ′ゝ 〈 _彡 / // └く!| | |::.::」
669 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:41:33.38
ID:3r2/OEko /ー--‐''''"´ 二二ニニ|
,/ー---‐'''"´__ ニニ二二| 水銀燈隊長。やらない夫──いや、備武手先生は、
〈べヽ l. ヾニ-‐'''ヾ> =r-、ニニ|
},-o-> ヽPニニ ミ ス.|ニ二| キミよりもずっと彼との付き合いが長かったよ。
. |二/,' ー― ' `に!|二ニト、
|/,' __ ヽ\ r<二ニ| \
| 「r---一ァ'! | \ニ| |`'ー-、__
| !` 三 ̄ l | \! |
\ _.. -''" /| |
/{ { ′ゝ 〈 _彡 / // └く!| | |::.::」|
、 /ハ ヽ、 \ _ __ ー― '´7 // i | l `了
ヾミ≧x \/ /ンーヘ、` ニ` '′// l ハ /// / (そんな事、今まで一回も言わなかった───)
`ヾミニ∨ ' `> 、 _ -‐ _ _ イ/:l ! ,′∨厶∠
ー==≠二7,′ /\ レ'了」斤く:::ノ/::::l ,′/ ノ三彡'′
_ 二..:.::::.:..;′ /ミ///7| l:ヽ\::.::.:j / /彡仁三三
` ̄ _.::: .::. /ヽ{ く/ / //! |::::l |::.:/ ,' 厶-―v'⌒ ̄
ー===ニ三ミヽ、.:::.:.:.::i ! |::..:::ヽ、/ /∧L二´ノ::/ / /::.::.::.::.: :: :. : . .
/ ̄ ̄\
/ _ノ√ ⌒ \
| ={:::::} (●) | ま、その話は「ブリーフィング」でやりましょう。
. |√ (__人__) |
| ` ⌒´ | 俺が教える事も、あまりないだろ。
_入 | }人
, イ / ヽ } l\
/ | |ヽ ノ! | ヽ.
| ヽ、 | .V::::` ー ':::::.;. | ∧
670 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:42:31.04
ID:3r2/OEko , =/ /==' ' : l : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
|レ ∠ノ: : : : : :..:.:l : : : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :
.イ /l|.: : : : : : : : : :.l l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
V /=='': : : : : : : : : : :.l: :l:.: : : : : : :..:. : | l : : : : : : : : : : :
ィ| /=イ: l : : │ : : : : !: : :l :.l..:: : : : : : : : : | | : : : : : : : : :
,イ! ト ヽ.:.:|: : : :|..: : : : :| : :ト.ヽ : : : : : : : : .∧!ヽ:ヽ. : : : : : :l : : ……彼の能力は、確か、
::| |::ヽ V : : :│ : : :l、 : :l \i : : : : : : :. l__lj__j ハ : : : /l
::| |: ::j ヽ: :.:l\_:_:j__ヽl..__ \ : : : :ィ リ Y: .ヘ : : , 「周りの金属を自由に集める」だったわね。
::| / /\ゝ´ \: :l ー\ \ : :/ l :/| /
::| /: :.| \! ゝ\ ヽ ゝ/ ___,.ィ /:/ ! /
:: : 丁| : : :.ヽ. _____`., ` ̄´ / ..イイ
::.: : |│、 : :\ ´´  ̄ ´ //..: : :|
:: : : ゝ\:ゝ、. . :\ / イ ..: : : |
「 | | | | | |. | | | | | | | | | /// ///\
\ | | | | | | | | | | | |__,-‐、| /// /// /.|
. \,ヘ、. | | | | | | |_l-' :::::\/// /// .///|
/ ヽ、| | | |_l l-' ::::\./// .///.│ その通りだ。だがむしろ、集める、というより操っているように感じる。
/ ` ‐-‐' :::::\ /// |
. /l\ ヽ、 __, -‐'  ̄ __,-‐ll´\::::〉___│ もう一つ問題なのは、あの無節操な集め方だ。
^l\ll\ ヽ、 _ , -‐' __,-‐ll _ll-'´ ̄::/ ──‐ | アポーツ
. | \ll\ _,-‐' ll _- ' ::::/  ̄ ̄ ̄│ 通常、「物品引寄」の人妖能力なら、珍しい物ではないんだ。
| _二二\ll|| ||l_ll二二二_ ::::| /⌒i._|
.. |  ̄ ̄ ̄o >.......≡ ̄ ̄ ̄o ̄ ̄ :::|:ミ|l⌒:|─| だが、「範囲が広い」ことと、物品が限定されるのが普通なんだ。
| ` ‐--/.::::::::: ` ‐---‐ '´ :::| |l⌒l.| ̄|
| 、_/,:::::::::::::::: 、_ ,ノ :::::|: ||⌒l.|_| 瀬戸物茶碗とか、変わったものなら人の目玉とか……
| /,::::::::::::::::::::  ̄ ̄ ̄ 、 :::::|ミ||ノノ ─|
|/./,::::::::::::::::_:::) `‐--- 、 \ ::::|.|`‐' ̄ ̄|\
671 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:44:45.33
ID:3r2/OEko . |√ (__人__) |
| ` ⌒´ |
. | } 目玉というと、「百目事件」ですな。懐かしい。
. ヽ }
,、ヽ ノ-、
/;;;i/ '、!\
_,、-/;;;;;;;;| i i i;;;;;゙、-、_
,-‐'''";;;;;<;;;;;;;;;;;;;!、_`ヽ 、-'_/!;;;;;;ヽ;;;;;`'';;ー;;-,
. !;;;|;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;;;|'ーニ_ー_ニ゙/.|;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【百目事件】
人の目玉に異常な愛情を持った人妖が、他人の目玉を抉って集めていた事件。
その後の経緯で、男は集めた目玉を自分の肉体に埋め込んでいた。その目玉は、彼の体で蘇り、
彼が捕らえられた時、警官を見つめていた。捕まえた警官は発狂した。
ドミニオンが警察と同等以上の力を持つに至った、間接的な要因でもある。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
|/./,::::::::::::::::_:::) `‐--- 、 \ ::::|.|`‐' ̄ ̄|\
|._L__________\ ::::|| l、__|:::::\ そう。通常は物品限定なり、
. |\十|┼|┼|┼|┼|┼|┼|七/ ヽ ::|: ::l、─.|:::::::::::\_ 百目のような偏執狂的なこだわりなりがあるんだが、
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :::|::l:: ::l、ニ|::::::::::::::::|:::‐-
_/:l ___ ::::::::;/:: :|,|::::::::::::::::::|:::::: 860号だけは違った。
._ ─/:::::::l ::::::::::::: ::::::;/:: /|:::::::::::::::::::::|:_:
::::::::::/:::::::::::::ヽ :::;/::: / .|:::::::::::::::::::::::|:: 彼の集めたものには際限がなかった。
:::::::/:::::::::::::::::::::\_______;/::: / |:::::::::::::::::::::::::|: フォーク、スプーン、フライパンからピストル、
::::/::::::::::::::::::::::::::|\:::::::::::::::: / .|:::::::::::::::::::::::::::| ナイフに至るまで。
673 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:45:20.75
ID:3r2/OEko __________
.!ミミミ;;;;;,,..))))))))))))フ7
.!三ミ::::::: ""''==''"\ノ
|三=-:::: "'ー-ー'" \ しかも、しかもだ!
|/rヽi,,-ー-ー'" ,i_,-=''|
|/|ニ||::::===。=;; <=。==.| 860号はあの能力をコントロールしている節があった!
/|/.|:r||::::::` ー ' `〒'"|
/ |/'ヽリ:::::,._ニニ |:-'.| 数時間前、彼が実に数年ぶりに能力を行使した。
/ |//,`|:::r'",_ i~- ._| .|
--ー''"""| .|/,`::::|::::::`-二二二二フ|、 r-=,, 警備員の銃器は全て奪われたよ、しかしだ!
| |,` ::::|::::::::::: .|.|`ー=;,,_ `ー、`,
.,-''つ | |,` `ー-;;:::::::=≡ ../ | ~''-=_ (こ''ー、.丶
"/ | .|\ "''-;;_/ノ| .| r-、 ヽ,.ヽ )
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
警備員がつけてた、他の金属物は . ::} (● ) |
一切奪われてなかった───ってとこだろ? . (人__) |
r-ヽ |
(三) | |
> ノ /
/ / ヽ /
/ / へ> <
r──────‐:┐
. | ,.へ、..___./ヽ. |
. l / ==== ヽ.| ……そのとおり。
. | F=‐-_ll L-‐=ゝ!.|
r:|.l ==。=, =。== |.|.、 ボールペンや眼鏡、時計、
{(!|. `二.l. l.二´ ||).} そういうものは集まらずに、銃器だけが彼の手元へ集まった。
ヽ|!/rー' L__」 ー 、`|!ソ
. _/| l ー───一 | | ヽ._ 他の物品引寄の能力者には、そんな選択する力は無かったよ。
 ̄ | ト.、,. -‐==、 ,/| |  ̄
. | |/ ∠Hニニ、 ´/ |. |
. | / ,r‐|.|==‐'<. | |
| / ,' r‐|,|ー- ' \│ │
674 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:46:13.84
ID:3r2/OEko /_{f7.::::::::::〆 \
/ __{f7.:::::::〆 / \ \
厶イ7:r-、く | | | ヽ \
〈〈__/:ハ::.Vヽ\ | | |、 | ヽ つまり───「指向性」がある、と。
. /ヾィ/ イヘヽノノ | |ヽ | \ ', | | '.
/ /://ll |:「´ |{ 丁ヾト、| ヽ |! | |l | 武器のみを自分の意思で排除した、という事ね。
|::| l| |:| |ヽ弋f==,ミメ、 ' ∥ /ハ || |
/|::| || |:|ヽ | 、_{._!ンヾ }ノ|l /厶| , / ハ|
|::| || |:| \ ヽ  ̄¨` l/rテミ|/ / / }ノ でも、それだけと珍しいだけで、
|::| l| |:| l \ \ 、ヾ' / イl/ 第参種に認定されるにしては───
l| | ` -\ ′/ ノ
|l |\ ‐-,,、 / /
ハ ト、 、 ` イ
/ ハ l::.\ >_,、 / |
/ ∧ l:::::/.::7爪 丁 |
ヾミ || || || || || || || ,l,,l,,l 川〃彡|
V~~''-山┴''''""~ ヾニニ彡| クッ…クククッ…そう、それだけでは弱い。
/ 二ー―''二 ヾニニ┤
<'-.,  ̄ ̄ _,,,..-‐、 〉ニニ| 彼は、その人妖能力で人を一人殺しかけた。
/"''-ニ,‐l l`__ニ-‐'''""` /ニ二|
| ===、! `=====、 l =lべ=| まだ小学生にもなっちゃいない、そんな時期で。
. | `ー゚‐'/ `ー‐゚―' l.=lへ|~|
|`ー‐/ `ー―― H<,〉|=|
| / 、 l|__ノー|
|::| l| |:| l \ \ 、ヾ' / イl/
l| | ` -\ J ′/ ノ ────え。
|l |\ r‐ァ / /
ハ ト、 、 U  ̄ イ
/ ハ l::.\ >_,、 / | (聞いてない。聞いてない。
/ ∧ l:::::/.::7爪 丁 | わたしは───何も、聞いて、ない)
―- _∠::::ヽ ∨:::/ 小ヽ |l |
―‐ 、 ` マ}__ ト、 ∨/:||:lL)〉ハ |
675 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:47:13.84
ID:3r2/OEko / |/'ヽリ:::::,._ニニ |:-'.|
/ |//,`|:::r'",_ i~- ._| .| 860号は、自宅の近くの公園で遊んでいる時に、変質者に襲われた。
--ー''"""| .|/,`::::|::::::`-二二二二フ|、 r-=,,
| |,` ::::|::::::::::: .|.|`ー=;,,_ `ー、`, 彼はどうにかして変質者をジャングルジムへ誘導した。
.,-''つ | |,` `ー-;;:::::::=≡ ../ | ~''-=_ (こ''ー、.丶
"/ | .|\ "''-;;_/ノ| .| r-、 ヽ,.ヽ ) 変質者がそこから出ようとしたとき
/__,,--、 | | .\ ::::::::::/ .| | ( ̄~"''-,, ヽ,! ……ジャングルジムを捻じ曲げたのだよ!
''" ,,--' | .| \ / .| | | ~|~"ヽ, .ヽ ,!
r',,-ーつ .| \, ,/ .| .| | ⊂''ー、, ,! 恐らく、無意識に「引き寄せ」ようとしたのだろう。
''",,-''"┴--ー'"| /ヽ, .ト---┴''/ .| |,~''、 ,! 結果的に、捻じ曲げることになった。
r" _,,-っ | ,,,-へ /`-, | / | ( / / ──同年代の人妖と比べ、飛びぬけた力だ!賞賛に値する!
/||||||||||||||||||||||||/
||||| / ̄ ̄ ̄ ̄\__|||||::__/\ :::/ 捻じ曲げられたジャングルジムは、男の全身を圧迫した。
|||||/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \___/ \/
||||../:::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ 骨は折れ、肉は潰され、眼球は飛び出し……
|||::::/::::::::::::::::::::::::::::: ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ | 命こそ取りとめたが、その恐怖で廃人になった……!
|||:/:::::::::::::::::: ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ l
||:::/::::::::::::::::::::::::::::______ノ\\ _/ ̄ ̄ ̄l
|||\::::::::::::::::::::/ ______ノ |l__/ ̄ ̄l さほどではない力の特異性、
||||.\:::::::::::://::::_____ ___ l
| / ̄\ \:::::::::::::::::_____` /____` | なんと言っても五歳かそこらで人間を破壊した凶悪性……
|| | |::::::::/ ̄ ̄o ̄ ̄` 三 ( ̄o ̄ ̄ ̄ l
|||⌒| |::::::::::::\____ノ  ̄ ::::::\___ノ | まさに第参種にふさわしいじゃないか……!ククククッ!
|||⌒| |::::::::: ::::::::::::::::::\::::: |
|||_| |::::::::\____ノ ::::::::::::::::::::::::|:_ノ |
| \ | /:::::::/_____ノ :::::::::::::::::::::::::::| l
677 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:47:55.95
ID:3r2/OEko l||!ヽ `iiT′/' ィ ′|
ノハ 、__ _彡1/ ,′ l
lヽ `  ̄ /,' / l ……。
! ∧ 〈〈 ,′ ハ
// /ンー┬=≦三N ,′|
. // ∧ /j三三三| /l l
// / ∨/l三三三/ , / l| |
// / /∠三三三l // l| |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
彼を「切り捨てて」から十年。大分大人びたように見える。私は、この子を殺せる?いや、迷うな!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┌─────────────────┐
│┌─────────────┐ │
││ / ̄ ̄ ̄\ .│ │
││ / -―、 ―-\ .│ │
││ / ィてフ> i iィてフ> \ ....│ │
││ | (__人__) | │ │
││ \ ^ / ..│ │
││ / \ .│ │
│└─────────────┘ │
└─────────────────┘
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
単純にして頑強な事実のみに拘れ、瑣末な感情は切り捨てろ……どうせ、既に「一度」裏切ってるのだから。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
678 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:48:49.42
ID:3r2/OEko . / // |:| ̄ | || l | | ト | ∥ ; ', Y /.::∠
/ , / l |:| l┼ヽ\ ||| \ |ハ / | | |: l::.::.::.:/ ……860号については、その位でいいわ。
/ |:| | |:|', |ヽー=≧x、ヽ ゙, //_」./l | ||:リ::.:/ /
/ |:| | |:| ヽ | 弋_リノヾ'ー |/ィ,T7/ /j / /::.::.::.∠ -‐::.::. それで、少女の方のカルテを。
|:| | |:| ト ヽ  ̄ ゝ' /´ |::::/::イ::.:/.::.::.:: -―
/ | | \ \ / /::.::.::.::.:/__ ー―
\/ ∧ |\  ̄ ___,. ' /´::.::.::.::.::.::.<二 _  ̄ ̄
___ \ / ∧ ト \  ̄` イ |::.::.::.< ̄ ̄ ̄ r―一
| 、_/,:::::::::::::::: 、_ ,ノ :::|: ||⌒l.|_|
| /,::::::::::::::::::::  ̄ ̄ ̄ 、 :::::|ミ||ノノ ─| ……カルテなどない。
|/./,::::::::::::::::_:::) `‐--- 、 \ ::::|.|`‐' ̄ ̄|\ 私が赴任して以来、データベースに不備があった事はない。
│v L \ ::|| l、__|:::::\ もちろん、ハッキングによる改竄も無いと断言できる。
. | -----======ニニニニニ⊃ ヽ::::|: ::l、─.|:::::::::::\_
| :::|::l:: ::l、ニ|::::::::::::::::|:::‐- 実際に我々は病院内の人間をカウントした…!
_/:l ━━━ ::::::::;/:: :|,|::::::::::::::::::|::::::
._ ─/:::::::l ::::::;/:: /|:::::::::::::::::::::|:_: だが、860号以外に逃亡した人間はいないのだよ…!
::::::::::/:::::::::::::ヽ :::;/::: / .|:::::::::::::::::::::::|::
:::::::/:::::::::::::::::::::\_______;/::: / |:::::::::::::::::::::::::|: その「少女」は本来この病院に存在していないとしか
::::/::::::::::::::::::::::::::|\:::::::::::::::: / .|:::::::::::::::::::::::::::| 考えられん……
679 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:49:46.86
ID:3r2/OEko / ̄ ̄\
/ _ノ√ ⌒ \
| ={:::::} (⌒) | ……まるで狐か狸に化かされたようだろ。
. |√ (__人__) |
| ` ⌒´ | 「あの森」にその手の類のものでも潜んでたんですかね。
_入 | }人
, イ / ヽ } l\
/ | |ヽ ノ! | ヽ.
| ヽ、 | .V::::` ー ':::::.;. | ∧
. i:三三三/ ,.、_ `ニニゝ、
l===シ '^'''‐-゙ニ7' / ……ふざけるな!
. !三三ニ└- 、 ===t ,,/
. l===r'ニヾミ| u `ニニ \
l:三三三| {こ|ミ|. __,ノ r __ ヽ
イ二 >r< i | , i |廴/:/ / ……この事件に関する貴方の
< </ / 不ヽ ヾ\ | !ヽ ヽ \ l | |Ⅳ:イ /∠ 監督不行き届きについては、
\__'/ /|::| イ/| \\ \ ヽ | ィハ ハ|::::/:::::=≠―― また別個に調査致します。
// / |::|ー' |、ヽ \\ \ |l /,.イ/ / /::jノ:::::::::::::::::::::<二
// / |::| i ', >\"\二 ヽ|レゞ'イ/ イ|、:::::::::::::::::::::::::::二二ニ 何らかの懲罰は、お覚悟を。
/::::/ / i!::! ヽ ヽ >イ l!ノ,.` 7 / |::>:::::::::::::::::::::::::≧=--
\.__/::::/ / /::/ \ \ ` ´ 〉/ /:::::::::::::::::::::::::::::::<
680 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:50:39.43
ID:3r2/OEko . l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:三三!
|;:、:ニニニニニ:::::_;;::、:::::::l三三l
. l´\゙ll::!:::lLニ-‐'' ̄::::::|三三ト、 ……言うようになったじゃないか、「128号」────
}==。ァ ::,, ==。== ::::::r;=、ミ|. \
. l.`ニ! ::::: `ニ二´ :::::rニ||:ミ! ヽ、._
_,... -‐1 ! :::::_┐ヽ._ ::::::-リ ミ| l
l/゙= ---─っヽ ::::下ミ:ミミ| |
l ` ̄ ̄´ | .::::::|:: ヾ:ミ| |
ト、 ゙゙゙゙ ........_;;:::-‐'::: >| |
/ ̄ ̄\ ,, ,,. ,.
/ _ノ√ ⌒ \ . / | /| /| _,,.r':/ /::|
| ={:::::} (○) | . /:::::i /::i |:::::i ./'''"´:::::/ ./:::::::|
. |√ (__人__) | /::::::::i |::::! .i::::::i /::::::::::,,.//:::::::/
| ` ⌒´ | . i::::::::::i i::::i i:::::::i/:::;.r''" /:::::::/
_入 | }人 . i:::::::::i. i::::i,/i:::::/'"´ ./:::::::/
, イ / ヽ } l\ . i:::::::::i. i:::/::::i:::/ /:::::::/
/ | |ヽ ノ! | ヽ. . i:::::::::i i/:::::::i/:| /::::::::/
| ヽ、 | .V::::` ー ':::::.;. | ∧ . i:::::::::"::::::::::/ |:::::::/
i:::::::::::::::/ i::/
i:::::::::/ i/
i::::::::i
. i:::::::i
. i:::::::i
i:::::::i
. i::::/
. i/
681 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:51:35.24
ID:3r2/OEko :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| | j| ||| / l ヾ=イ:| |:| \
、 | / | | ル|斗=く ト |::| ゞ==、 \ __,. _=ニニ二二フ\
、 ヽ ∨ | ./l イ {{ { @ }ノ 小ヽ |lヾ ___\ r-`---ッ___ _,. - '" ヽ
\ {::.\ |/ ゞ `ニ7 / |ヾl || }/ //.::::::::::::〆`っ) ̄\ニニニニ二ヘ ヽ
\`ー:::.ヽ / / /| |:| || /.:::::::::::::::::::::::: ̄Y ̄7ヒi゙、 ヽ レ
\ト:::::::::::} '´ /.::| レ 厶イ ̄ ̄`ー-- _{--{ O:::::`ー- 、___ヽ__ ,. ‐ ''" ヽ
\ \::::::〈 /.:::,′ /.:::/.::/ /.:::::::::::::::::ヽ ヽ__.Or、L__ `Y''"r'_⌒ミ゙、ヽ
` ーヘ::.\ _,,. ノ} /.:::/ /`7.::/ /.::::::::::::::::::::::::: (〉ニ`r、_ヽ_ `ー--ソ { {::::::::} } ゝ
>- ` ´ /r==/ イ . ' /二ィ:l |:::::::::::::::::::::::::::、{`ー-t) ___ ゝ`ー- 、__ メ ヽ└-‐'ソ ノ
/ ∠二` ーヘヽ<|:| }:}// |::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::: `ー´(::::::::\ノノ゙/゙) `ーヽ、`,.-‐"
|_/.:::::::::::〕 {:{ }:| ヾニイ |::::::::::::`|::::::::::::::::::::::::::: /`ー=ニ-‐〈__/)
「::::::::::/ / ヾ'ノ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(` 〈_/
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
───────────────────────────────────────────────
『申し訳ないけど、私をその番号で呼ばないで頂きたいわ。……次は、外す自信が無いの』
───────────────────────────────────────────────
| | |j~ /,.<\ //\
| `‐-//_ゝ" i!/__ヽ. /
. | r‐.//<´ ̄`ヾ u. /´ ̄フ } ./ /
. | レ´,.イ | ヾヽ 。 / `i.゚=彡,.レ´ /
,、-'´,、.'_`| | ゞ三( |j u ト.ァ''´,、-'´
,、i.| f. `| | /二ノ } u ,、-'´,、-'-、|
'´ | l に.|.| r‐t-,.、/,、-'´,、-'´u. ) u\ <シュウウウ……
. /| ゝァ|.| |二ン-'´,、,=;'_,=,=,´,-,‐n i
|::::|. / `!,!-'´,、-,'〒〒〒〒〒〒.ヲ }__
/::::::| !,-'´,、-'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ {:::: (か、かすったっ…!危機一髪ッ…!)
::::::、-'´,、-´| u 三三三 u. !:::
-'´,、-.リ '、__ u /:::::
-'´:::::::|\ u  ̄ ̄"''‐-、._/|::::::::::
::::::::::::::| \ /|::::::::::
. |√ (__人__) |
| ` ⌒´ | <フッ……
_入 | }人
, イ / ヽ } l\
/ | |ヽ ノ! | ヽ.
| ヽ、 | .V::::` ー ':::::.;. | ∧
682 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:52:48.54
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
________________
| | |
| | ┌‐─‐┐ ゞヾ;ッ, |
| | |.[__]゙| ,ノノ;;;ソヘゝ |
| | |:: :: :: :: | ii |
| | └‐─‐┘ ┌┴┐ |
|_______|_______|_|_|_|_______|
. / └‐┘
/ /⌒l_ ___/⌒l
/ / / |_ll ____ ll/ ,/ |
/ |'⌒l / /|| / /|| / l⌒l" :|
| └‐ ┐/ ||  ̄ ̄ ̄ ||/」. ┌‐‐┘ | / バタン……>
|_____|'' |_| ̄ ̄ ̄|_| |___|/
riff7//////〃〃∠ヽ
レ"⌒''ー''"´ `ヾニ三|
l ニ_米‐'_ニ |ニ三| な、なんて目をするんだ、あの女……
. レヘ\ ̄、/,へ }ニ三!
} ==,=> _=,== |r=、 | 10年前の少女とは、まるで別人……
. | 二/ 二´ |.6.| |\
| |_, -` ヽu k‐':ニ| |`''ー- いやはや、逞しく育ったものだ……ふぅ。
_, -‐''| l⊂ニニ⊃ l | \│ :|
ヽ! --- l , ‐' /| |
/` r、-‐ ' ´ / :|. |
/ | \ ./ | |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
683 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:53:43.98
ID:3r2/OEko /
|
\ ..::::|
\ /| ̄ ̄ |
\ / | : ::::::::|
| \ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| :| : ::::::::|
|::: : | |::::| ̄ ̄| ̄ ̄| :| :| : ::::::::|
|::: : | |::::|._____゙|._____゙| :| :| : ::::::::|
|::: : | |;;::|!iiiiiiii!|!iiiiiiii!| :| :| : ::::::::|
| )::::| / \ | : ::::::::|
|::: : |/ \|__ |
|:::./:::.. ..::::::::::|
|/:::::::... ..::|
/::::::::::::...... \
 ̄`フ/:/ l/l. | | | | |:::. .:::/l l.:.:/.:::::/l / !
_/:/:/ :| ', ,,,,ト、|_ヽ__ト、ト、.ト、:. .::/ /.:/.:://__/l !
.::::/:/ ::| ', |ヽ 二ヽ!ニヽNト、.::/ /ィ/イ ̄7 / / / ……でも、貴方はブリーフィングの最中に一言も喋らなかった。
フ::/ /リ ト、 ',. `ヽ弋込ミヽ、 V ィ_万孑 フ /
"´ ./ /i: \ ヽ `¨´ ̄ ´ ̄ ̄/ / 喋ると、約束したはずだけど?
/ /.::| \/. i / , イ /
./ /.:::::| |`ヽ ` /ィ´ l. /
/ ̄ ̄\
/ _ノ√ \
| {:::::} (ー) ……必要が、なくなったからだろ。
. | √ (__人__) 特に、アーチャーとレヴィの前では。
| ` ⌒´ノ
. | nl^l^l
. ヽ | ノ
ヽ ヽ く
/ ヽ \
_,z=====z、
/'´ _, -――- 、\
// / / l l \ハ
lj_/l | l l! / / l ヽ|
くノ! | | l \ ! l / イ l| 必要?
/l:'┘NT ,ヘX ノ _メl /イ|
// | ト ー┘ イ 'ノチ / |
/ ! l、 _' ` / / l, ィ
// :! l|\ ` ´ イ' / / /
/ / __l V {><}__/「Y/ /
684 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:54:38.40
ID:3r2/OEko |:::::::::::::::::::::::::::. ::{ }
{:::::::::::::::::::::::::::、 ::} } 和厳オプーナに闘法を教えたのは、俺だろ、隊長。
|:::::::::::::::::::::::::::ヽ、, .:} , |.
. {::::::::::.i::::::::::::::::::::::ゝ、 :ノ、 / ! ヤツは世界でたった一人、俺と同じ拳を使う男だ。
|:::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::‘ー-‐===ニ=:、__,,ノ ノ
|:::::::i::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::::ー、 `'''゙´ / だがしかし、あいつらが聞いても無駄だと言うんだ、
. |:::::l::::::::::::::::::::::: ::::::::::i ̄´ / ……別に問題はないだろ?
. {::::i:::::::::::::::::::::: ' /
}::i:::::::::::::::::::::: /
!人:::::::::::::::::::. /
| | | |、 | | // / / / | \_/|:| ト-' l
|/ヘヽ !ヽl⊥lヘ// /-‐/_¬ リ / |:| |::| l 人間の身で、人妖を凌駕する拳法……
| l\トーキ .ミ ∨/才弋_ツ/ ′ / :|:|| |::| l ビップ
| | ヽ _ゝ' 〝 ̄ '" / / / | ¦|::| l 「備武流」を、彼も使うというのね。
|゙、 ヘ 〈 / / /ヽ| lヾ| l
| \丶 ,._ //′ /| l l
|l//| |\\ ー /,./ ,イ l l l その……彼は強いの?
ト、 ヘ∨ | | ` \ _ </ /::| l l ノ|
.\ 、 ∠\\ \ l l フ爪\/ /l::.::.:| l イ /::/ /.::
__\::\ \::::.::\\ ヽ l二ニ イ/∧/ へ\l::.::.:ト、 /// :::厶/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【備武流】
備武手やらない夫が編み出した、対妖拳法。中国は北派、円華拳の流れを組んだ我流拳法である。
人妖を相手に、人間が勝利する為の闘法。彼の身体能力とこの闘法こそが、彼をドミニオンたらしめる所以である。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
685 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:55:39.99
ID:3r2/OEko / ̄ ̄\
/ _ノ√ ⌒ \
| ={:::::} (⌒) | 最後に会ったのは四年も前の事だろ。
. |√ (__人__) |
| ` ⌒´ | あれから、どれだけ伸びているかは知らんが……
_入 | }人
, イ / ヽ } l\ まぁ、才能はそれほどでもなかった。
/ | |ヽ ノ! | ヽ.
| ヽ、 | .V::::` ー ':::::.;. | ∧
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
そう、彼はいつだって弱かった。それを聞いて、少し安堵した。
強いやる夫くんなんて、想像できなかったから。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . l: : !: : : |'; : : : : : : : : : :l: : : : l; : : : : : :l . . .l : : . ヤz:l!::
. . . : : : :, : l:, : : l、; : : : : : : : l: i!: : : :l|: : : : : :/: : : l: : : . ヤツ厶
. . : : : : : ト: lヽ: :l ヘ. : : : : : : l:/| : : / l: : : : :/: : : /: : l: : : : . .|:: :K::
; : : : : : : :lヽ!ツヘ:lx、ヽ /|'´l: ./‐-!: : /l. . ./!: : /: : : : : :l:: ::!:ヽ でも、素人とは言え、
ヘ. . :, : : : ', 弋:::;;i㍉.、 〃 j:./ z:ュl/二j.//. :/: : : : : :/|!:: {',:: 四人相手に重症を負わせておいて、
ヽ. ト、: : ヘ 丶ー'、 ヽ' /' ´ i:::::;;;;;::_ト/./: : : : : /: l|:: ::!:';: 「才能はそれほどでもない」と言えるの?
\\: : \ ,/ 丶 ::::ソ/! . : : : : ;.': :/}:: ::! :l
l: ーz ゝ 〈:. /. . : : / : /:〈:: ::l: :!
,. -i: : : :\ ' ,. '´. . . :,. :' : : : / : ト:: {: j:
_, -:. ':. :. !: : : : ; :\ 'ー-、 -=ニ´:__: ; -'. . : : : :/: : :l/::j:/::
:. :. :. :. :. l . : :l: : |:_、 ´ _ , -‐7: , . . : : :,':l : : {:: :!:i::
:. :. :. :. ::,' . .|!: :!:. :. ≧x:--‐_´≧´:: :/ ./ . . : : /: l : : l:: |:l}::
:. :. :: :: ::! . ll: :l:: :. :zヤ:,:-rx':: :: :: :: :/イ . : : /!: l!: : :ヘ::〉l::
686 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:56:48.10
ID:3r2/OEko / ̄ ̄\
/√ ヽ、_ \
. {:::::} ( ⌒) | ……才能はなかったが、弱いとは言ってないだろ。
|(人__) |
| ⌒ ´ |
. | |
. ヽ /
ヽ /
.> <
| |
,.:''::´:: ̄::`:::.、
/; '´T 丁l `ヽ:ヽ
/{:/l |l ト、 l Nトl`iハ
l∞|l kノノヽノ`ヽリil l| え?
|∧l lK ◯ ○ ソイ|
,l (l ぃ ,-┐ ,从!|
l ヽ トゝ、 ニ イ ト、lト、
|/≪T ,バ、:文:`Yラ、ゝ
N≠{〈:::::::〉:;i:::}:::〉≧
´ 丶
/ 丶
/ 丶 才能は無かったが教える時間があった。
/ |
/ _._/ | そして「やる夫」は努力もしただろ。
/ {::::::::} ノ
/ / / |ヽ ならば、ある程度までは才能などなくても上達する。
! 丶_ / /
| ̄ ̄ ‐ '─ !_ ノ ´ ……俺の教え方が、上手かったからな。
|::::::::::::::::::::::::::::::`‐ _ /
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐、_ /
__ _ -‐' ̄`‐- 、_::::::::::::::::::::::::::::`‐ < 俺も聞きたい事がある。
|::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-、_:::::::::::::::::::::::::::> 隊長こそ、ヤツとどういう関係だった?
__|::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_:::::::::::::::/
687 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:58:33.34
ID:3r2/OEko 八 l | | ハ{ / / ノ/_/__/_ / 7′l:||!::| | (今、「やる夫」って──)
ヽト、 、 ト二ヽ /レ'  ̄二ニ∠」_ノ / ,′ / ! ハ:::、 |
` `7ヽ弋なY '^ぃf{ノ} 彳 / / / /:/ ! l ::Ⅵ 私は……
,' ノ ハ ゞ ' ,  ̄´ / イ ,′ /:::l ハ |::::∨ 彼が入院してから、三年間、教育係を努めたわ。
/{ { ′ゝ 〈 _彡 / // └く!| | |::.::」|
、 /ハ ヽ、 \ _ __ ー― '´7 // i | l `了 あそこでは、年少者が入院するとき、
ヾミ≧x \/ /ンーヘ、` ニ` '′// l ハ /// / 女性が母親代わりのように、
`ヾミニ∨ ' `> 、 _ -‐ _ _ イ/:l ! ,′∨厶∠ 教育係を努めるシステムがあったのよ……
l l ノ!
l `ー‐ f r'
l ノ' ……それだけじゃないだろ。
! /
,' / 三年後に、何があった?
 ̄ `ー - /
` 、 /
:.:.:.:.:.:... 、 /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .:.:ヽ _ ´
ー- :.:.:.:.:.:.:.:.. ..:.:.:.:.:.:ヽ
::| |::ヽ V : : :│ : : :l、 : :l \i : : : : : : :. l__lj__j ハ : : : /l
::| |: ::j ヽ: :.:l\_:_:j__ヽl..__ \ : : : :ィ リ Y: .ヘ : : , ……脱走よ。和厳オプーナは逃げ出して、
::| / /\ゝ´ \: :l ー\ \ : :/ l :/| /
::| /: :.| \! ゝ\ ヽ u ゝ/ ___,.ィ /:/ ! / 酷く痛い目にあった……それだけ。
:: : 丁| : : :.ヽ. _____`., ` ̄´ / ..イイ
::.: : |│、 : :\ ´´  ̄ ´ //..: : :|
:: : : ゝ\:ゝ、. . :\ / イ ..: : : |
688 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 20:59:29.06
ID:3r2/OEko / ̄ ̄ ̄\
/ \
/ノ√ ヽ、_ ヽ
{::::::::}( ●) | ……ふむ。まぁ、何れにしろ、問題なかろう。
| { .! ) |.
|. ¨´ `¨´ l. あいつらなら、問題無く倒せるだろ。
. | /.
| /
\__ (
/{ { ′ゝ 〈 _彡 / // └く!| | |::.::」|
、 /ハ ヽ、 \ _ __ ー― '´7 // i | l `了 待って。もう一つだけ、聞きたい事が……
ヾミ≧x \/ /ンーヘ、` ニ` u '′// l ハ /// /
`ヾミニ∨ ' `> 、 _ -‐ _ _ イ/:l ! ,′∨厶∠ さっき、「やる夫」って───
ー==≠二7,′ /\ レ'了」斤く:::ノ/::::l ,′/ ノ三彡'′
_ 二..:.::::.:..;′ /ミ///7| l:ヽ\::.::.:j / /彡仁三三
` ̄ _.::: .::. /ヽ{ く/ / //! |::::l |::.:/ ,' 厶-―v'⌒ ̄
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ヽ ああ、和厳オプーナの事だろ。
| |
| | ニックネームみたいなもんらしい。860号───
| l や、る、お。患者番号をもじった名前。
| /
| 〃/ 「大事な人にしか教えない、大事な人から貰った名前」と言っていた。
\、__ (
_)_ ===\ ……なに、大した事じゃない。
__/ ヾ | \ \ | / / , \ //
-、\ | |  ̄ ∠ イ / /{__/∠ (やる夫くんは、あれからも、ずっと……)
_\\l\l | 、 -- 、 u / | / 厶≦三三
三≧ト __| | \ ´ ̄ / , /∠二三三二
ニ二三三三l | | ` 、 イ / /三三三三二ニ
三三三三三l l |::::::::::::> <:::::::| / /二三三三三三
689 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:00:22.26
ID:3r2/OEko ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
─────駄目だ。割り切れ。割り切るべきなの。
私は此処に至るまで、この狭い世界を守るために、全てを殺ぎ落としてきたじゃないの……!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
// ' / / / // / / イ / / 弋>;:.::.::.〈ヘ
./ イ / | |l | // // / 厶L / / ≫=≪ハ
// / / / /| || | 〃 //斗≦ ノ //| /;イ /::||::、 ヾ\
'/ | || _厶L.ハ| | /ー=彡ィて下¨ゲ | ヾ::∨:::ハ::ヽ 〉::〉 ────そうね。
| || | ,,.≧ミヘ. | 弋_'シ 〝 ' / ト-イ| ト、::ヽイ
| 小|l |ヾ{ じ} ヽ  ̄`=' // / |::| |:::「 | 問題、ないわ。
ヽ { | |ヽ. | _ゝ'´ ノ /' / |::| |:::| l
\ヘ \ ヽ / イ |:::| |:::| ! 彼らなら問題なく倒せるでしょう。
/:::ハ { ∠ ´ | |:::| .|:::|
/::/ /\ ヽ rー-、 | |:::| |:::| '.
/::/ ' ` \  ̄´ | |:::| |:::| '
〈:::{ l \ | 厂 ヾ
690 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:01:19.92
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そう、「彼と過去の自分」への懺悔は、全てが終わったあとでいい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
691 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:02:17.12
ID:3r2/OEko |
| i'i~7ニニニニニニ }II{ ニニニニニニi~i'i
| |,lll::::::::::::::::::::::::::::::::| ||:::::::::://:::::::::::::||l |
| | l|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::::::::::::::::::|i l
| lニ|::::::::::::::::::::::::::::::::| ||::::::::::::::::::/ /::|ニl
| |li|::::::::::::::::::::::::::::::: | ||::::::::::::::::::::::::::::::::::l l|
| l. | ::::::::::::::::::::::::::::: | ||:::::::::::::::::::::::::::::::::|| l|
| ______|,l|l ::::::::::::::::::::::::::::: |_||://:::::::::::::::::::/ i i|___ 『おはよう、やる夫くん』
^ー'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ^ー'
. /´`l
// .l__ ,. ── / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /l───‐- ,
l`ヽ / /l. / //」 . /
| |/ / / / // /
|  ̄ ゙̄l/ l二二二二二二二二二二二二l/ /
 ̄ ̄ ̄ |_|,l |_|,l /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ あ、お、おはよう、カナ。
| /// (__人__)/// |
\ ` ⌒´ ,/ (まじぃお、昨日の夜の事思い出しちまったお)
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
692 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:03:17.72
ID:3r2/OEko /}
_ !l ,.- 、
//|| ̄ `ヽ⌒',
/ / ヘ入ヽ ∨
!| //ー, \, } ……どうしたの?やる夫くん、顔真っ赤かしら。
l .// ○ ○{
\(⌒リ" △"ノ もしかして、風邪でも引いた?
{こ.フ>、ー,.イ
〈二}/ ∞Y_〉
└ 〉 ハ〈┘
/ ヘ
ト:::::::::`''- ..,, ;;;;;;;;;;;;`'' -...., . .- ''´|
i:::::::::::::::::::三 `'' - ..,,;;;;;/;;;,,..-'イ;,
/ニ、::::::::::::::::三 、;;;;;; `"´ ,,,,, i;;;i
{ ( _',::::::::::/ "" |/
', '<i ヾ:::::::i 、、,,三、 ,,.-、 i む、風邪か?薬は入れておいたから、後で飲むとよい。
',、ヾヽi:::::i '-ヽソヾ /,'ッフ、i
ヽ__.. i::::i 、  ̄ノ | ;ニ ノ.i ……そろそろ出発の時間じゃ。
ノ,.-| i::i | i
. i,ィ''"', /、_ :::: / 準備をしておけ。
/',',', ', / ヽ_ノ /
. イ',',',',', ', ', ( ,.---::;;;;、_,. } /
/ '',',',',',', ', ',- 、 ,.__`ー´ノノ
,.-イ ''',',',.',', ',:', ,ノ /、,,、
( {´ ',',',',', :',.','---─ '´リ ', ヽ
694 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:03:56.04
ID:3r2/OEko _,,, ------------------- ,_
, '" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ, ," ̄ヽ ̄`ヾ、、
/ / / 'i, ヾ、==、、
(゙/ / / ,_ 'i, __,,) ゙ー゙゙ヽ
_, -‐,‐'=======────-- ,,,__/ ん<__ノ-‐'、 ̄ ヽ |, 『よし、準備はできたでおじゃるな。
_, -‐ ' ´ `゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙´ , `ヽ ,_、| `" | |} では、出発!』
,、'´, ´ , ' ´ | `' | /,''、ソ'i
/ |',---- ,,,,__ , --───, | _,| -=./:Kル||ノ
, '゙`‐''ニ二‐ {フ----二}/ / /二ヽ, |,_, -‐ ゙´ | _/:;|={).ll゙
i`ー ,,,,_ ̄ ̄ ̄ ̄ `ー────' / ,、"|゙,ゞ,;|゙´| _, -‐' "_, ):;:くll,ソ
{ー--, 「 ゙゙゙゙゙゙̄l二二二===== /;:;i ) "/ || |_, ‐"_, -‐'" ` ー‐'"
ヽ、;:;::;::_!____|:;:;:;:;:;:;:;'i, ,‐、 /;;:;|ニ、・) =l|,_,- ''"
 ̄ `ー 二二二ー─‐`ー'二} 」;:;:;、ソ ハノ,i
 ̄ ̄''''ー──'''''゙l;:;:;:;::ヽムノノ
`゙゙゙ー‐ '´
, -‐' ´ ̄ ̄``
∠´___
, -‐'´~
, ‐'´
.∠-‐', ‐'´ ,,
./_,, / ./::|
./‐'' / /// u ::| | iヘ (これで、おっちゃんの家ともお別れ・・・!
.// / / _, -| |´| |‐'\
///、 _, -‐'´ , -|'´:::|::::::::\ やる夫達の荷物は、
/ \ \_, -‐'´ :::::::::::::::::::::| ほとんどおっちゃんの好意で用意してくれたお・・・
\ __========:::::::::::| /⌒ヽ
/ ''' ! , ‐'´:::::::::::::| |/⌒i | 本当に、本当に────)
/::::::: -‐ '´ :::::::v::::::::::|...|/⌒l |
/:::::::::::v :::::::::::::::::::| .|| .| |
. /::::::::::::::: U U:::::::::::::::::| | ⌒ノノ
<__ ,,,, `) :::::::::::::::::::| `-‐"
. __,ノ ::::::::::::::::::::|
`ー、──────::::::::::::::::::/|
ヽ ::::::::::::::::::/: |
※やる夫
695 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:04:59.46
ID:3r2/OEko lミ′  ̄ ー-'" '=ミニ彡彡/‐、ヽ
l;l ,_-‐ 、 __,,.. - 、 彡彡彳、.//
∥ `之ヽ、, i l´ _,ィ辷ァ-、、 彡彡'r ノ/ これ、泣くでないやる夫くん。
1  ̄フ/l l::. ヽこ~ ̄ 彡彳~´/
ヽ ´ :l .l:::. 彡ィ-‐'′ メイクが落ちてしまうでおじゃるよ。
ゝ、 / :. :r-、 彡′
/ ィ:ヘ `ヽ:__,ィ='´ 彡;ヽ、
_,,..-‐'7 /:::::::ヽ _: :_ ヽ ィ´.}::ヽ ヽ、
_,-‐'´ { ヽ:::::::::ヘ `'ー===ー-- ' /ノ /::::::ヘ, ヽー、
‐'"´ ヽ. \::::::::\ ー-‐‐' / //:::::::::::::} ) `''ー-
-――- 、
, ヽ \ \ ヽ
/ /ヘ 、 , _‐_-、, -_-、
,. / ヘ { l , rー┐、!}
| l´` \ く 人_人 > 全く、しょうがない泣き虫かしら!
l l \ | |l |/!
{!| O O lL!L!.ノ}
Yヽ" 、_ " .ノ{_.」
「二} r― 、/ ̄」ー{_}
〔二!└‐ イl ̄ l {._」
,ィ/`i {._/_|_.ノ r-、}ト、
697 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:06:09.61
ID:3r2/OEko . ゙ ''| :.|゙ '' _ _ _ _
;;''";;;. ' ''| :.|゙ ''=__ニ―'-_ ]__ _;;; ,'.,' ; ; _,.._,,,_
";;、. | :.| ;;;; 、__- 」__, ;;||; ,',,' l l .|.: ::.|
"'', . ;;';;| :.|'';;;;;;,――、ニ| |‐,、 _;;||.,'.,' ,' l._l |.: ::.|
", ";、. ̄| :.|―――、_ | |‐‐_゙;;;|l,'.,' l| |l|.: ::.|
; ";,; ┐| :.| ―――i_,,,| | ';;;;、// l| l |.: ::.|
~ ゙;., _| :.| ̄ ̄ ̄| '| |'゙;;;;;,/./ l| l |.: ::.|
;,' ;、―| :.| ̄ ̄ ̄ ̄|"| ;;,,.‐'., ' l| l |.: ::.|
"、;;. "; | :.|――, ロ ,,、‐'',, '' l| l |.: ::.|ヘ
;、::;;''';_ " | :.L_、.,,、-‐''"_、-'' / .l |.: ::.| 、
--‐‐''''""゙ ̄ _,,、-‐''" l |.: ::.| ヾ
_,,、-‐'' " l |.: ::.| ヽ
l .|.: ::.| ヽ、
l |.: ::.| ヽ
/フ l ヽ
∠/ l ヽ
l .ヽ
l ヽ
.l ヽ
l
───────────────────────────────────────────────
──車で延々と三時間。おっちゃんも、カナも、誰も口を開こうとはしなかった。
窓越しに見える建物が少なくなっていくと、神沢市が見えてきた。
───────────────────────────────────────────────
698 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:07:02.15
ID:3r2/OEko ,.、_,.,、_ \ :;| ::;|
,.:::;,:.\ #; へ ::;;| .:;;;;|
'""```''' \ ::;;| ::;;;;;;|
.,;:. .:;. ..: :. vjiijww \ #; ::;;| _√ |\ ̄"二二二二二.\
.;; :.. \ :;| .| ::\ \ |\\
"~'''' ,,..、_,、 \ × ::;| ::;| ::;;\ \___|:: \
\ ::::;;| ::;;;| ::;;;;\_二\ \::
,,vWWwjjw ,;::.::..:. ''"'"~''' \ ::;;| ::;;;;;| ::;;;;| l\\ \:
\ ::;;| 丶::;;;;;;;| ::;;| | \\
''"´''"""'''''"""''""``'‐.、 ,,..::;,, \ ミ :;| ::;;;;;;;;;;| :;| | \\
,;:,.:;..:. wiijiijjyyv \ :;| ::;;;;;;;;;;;;| ::;;| | ::\
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,\| ::;;;;;;;;;;;;;;| :;| | ::;;
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| / ::;;| | ::
| :;| |
| ::;;| | #;
| :;| |
| ::;;| |
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ,, | :;| |
""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""'\ ∟ ;| | メ
,,::;;.,,;. "'''''"""'''" \ ::;;| |
'"'"~'"'"~'"'"~ ,,.、_,,、_ ,,::. wwiiw \ :;| |
【神沢市:入り口】
699 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:07:54.37
ID:3r2/OEko /r‐'":::::::::| |ヾ /__. l /
_,. -‐"i .|::::::::::::::::::',.',. \ ⌒ヽ、,ノ /ヽ,_ 入り口も見得て来た。もう、あと少しでおじゃる。
" l ヽ:::::::::::::::::ヽヽ. \ _,_,.、〃 /l | `゙'ー-、、
',\\:::::::::::::::ヽ\ \ 、. ̄⌒" ̄/:::::| | `ヽ、 ここからは、麻呂の車で行かない方がよかろう。
\\\;::::::::::::\\ `、.__  ̄´ ̄/::::::::::l | \
ヽ \`ー-、::::::ヽ ヽ  ̄フフ::::::::::::::ノ ./ `ヽ、 歩いて10分位、そう遠くは無い。
`ー-二'‐┴┴、__/‐'‐´二ー'".ノ
 ̄`ー─--─‐''" ̄
_、─-v-─;z_
>:::::`::::::::::::::::: :::::\
/:::::::::.. .:::::::.. ..::::::::::ヽ
イ:::::::::::::::::::::::;、::::::::::::::::::::::l
. l::::::::::::::;:イ::/v:ヘ::lヽ、:::::::::| ……うん。
. |:::::::/|/ニ|/ュ ┌リ_ニヘl::::::::|
j::r=i|==。=,, _=。==|r=、:| (こういう時、なんて言えばいいか、わからないお)
|::|ヒ'|| ` ー":|.|:`ー ' ||J:|::|
. |:::ヾ;l| u r:|」:、 u :|レ'::::|
. ノ::::::::::\ (二ニニ二) ,イ:::::::::::ヽ、
_,∠:-‐ァi:::::::!\ == ./ |:::::::ハ''ー-ゝ、._
-‐'''": : : : :/,/|::::::| ::::\_/ |::::::ハ ヽ: : : : : :``'''‐
',lミシ" ` ̄´ `¨"´ `ーミ三彡7-ヽ
lミミ, :. _,.=、、 . ..: _,.〟、、..: ヾ彡〃//
〉l; ::.彳ヾ゚;ハ、:、 ,:' ,.ィヘ;゚ツゞ::' .::彡/ノ/ その、なんだ。
ヽli. :ヽ.`゙'''"フ`.: l::. ヽ`゙゙"´.:' .::::::彡ゝ/
`li. `゙ " .:: l:::. ` ゙ "´ ..::::::::彡ー'′ ……元気でな。
_,.ト:.. .:' : :::::.、 .::::::::::彡′
,ィ'´r'"::ヘ:::.. /`'=、__,.ィ'' ' ヽ ..:::::::::::;ヲ
,r‐' ./:::::::::::::ヽ::::. : : 、.:::::::::::;ノ ヽ、_
700 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:08:50.90
ID:3r2/OEko /:::::::::::v :::::::::::::::::::| .|| .| |
. /::::::::::::::: U U:::::::::::::::::| | ⌒ノノ
<__ ,,,, `) :::::::::::::::::::| `-‐"
. __,ノ ::::::::::::::::::::| ああ、うん……おっちゃんも、元気でな。
`ー、──────::::::::::::::::::/|
ヽ ::::::::::::::::::/: |
ー─, :::::::::::::::::/: | (これから先、おっちゃんとやる夫の人生が交わる事はないお。
/ U::::::::::::/:: |
./ :::::::::::/::: l ……そう、交わっちゃいけないんだお。
./ :::::::::/::::: l だから……お人よしのこの人を──)
/ ::::::/|::::: ,, /
!、 __/ |:::, -‐'´:/
 ̄ ,、-‐' ´::::::::::/
/∧::::::::::::::::/
i三三ニニ' ̄`゙゙''''' ー- 、;:;:;:;:;:;:-一'" ミニ三i
i三三ニ三 _  ̄ r==、 'ヾ、ミi
_,i三三ニ三ゞ ニ三シ i ゞ"´ !ミ;iヽ
i"゙ヾ彡彡ァ"´ i ノ __ ,,,...、_,,. iミ| | ───お主に、伝えるべき言葉がある。
{ {`ヾ彡;シ′ , _ --‐- 、丿 ィ''"ノ(oツヽ'' |リノ
'、(、ヾ彡リ ィ'でo)'ヽ、 : ';:. 'ー-‐'"″ |リ
',ヽヾ、彡 ゝ`゙゙'''''"´ツ .、 i::.`ヽ、,,,,ノ |i|
ヽ丶ヾリ, ` 、,,,,,,ノ .: i:::. リi
ゝ、,ヾリ , .:: '、::. リ
ヾi, /、 _ ,,' , /
ヾ, / ´``ー''´ 、 ,' /
. / /: /./::: | :| | |: __;:|、 :::|
/.../../ \|/::: |:|__, -||' __,-l、 :::|
///:: \| \ _,- '| __,-|‐' ::::::\.. :::|
/ | ___\|| |||: _二____ :::::::| :::| え……?
.. |  ̄ ̄ ̄oラ ≡  ̄ ̄ ̄o ̄ ̄ :::::::|.../⌒i :::|
| ` ‐--‐/,::::::: ` ‐---‐ '´ :::::::::| .|l⌒l:| :::|
. | ::/,::::::::::: :::u:::::|..|l⌒l:| :::|
. | :/,::::::::::::::: U ::::::::::| ||6: | ::::::|
. │ /,::::::::::::_::) :::::::::::::|.|__ノ :::::|
.. | .(.:: ' ______ ::::::::::/l ::::|
| (______) :::::::::/:::/ :::|
. | :::::::::/: :::/ :::l
l ━━ ::::::::/:: ::/ ::::: :::l
701 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:09:50.69
ID:3r2/OEko --、/ i |ミミ .,,r‐''" | ノ ────十五年でおじゃる。
く'ノ :i ミミ ´ ., ' |' 娘が生きておれば、大学を卒業したくらいか…
、\ .l ヾ .ノ(_,,、. | 長い長い生き地獄のように思えたが、今では短くも感じられる。
:\ヽ, ヽ / `t‐一'
::::ヽ ヽ `::. ,; ' .:i 人妖すべてを憎む事で、自分の精神がギリギリ保たれていると思っていた。
:::::::ヘ ヽ `::. ''"⌒゙''一ノ
::::::::::ヘ.ヽ ヽ、 ` ー'ーノ だがそれは違う。麻呂が憎んでいいのは、娘を殺した人妖だけで、
::::::::::::::ヽヘ `ー┬‐一;;''""´ それ以外の人妖を憎んではならなかったでおじゃる。
\、:::::::::ヽヽ /::ヘ ) `゙'ー、_
〃`゙ー、;;;;\\ /i:::::::丿 ' , ' , '`゙ヽ、
l l三シ´ `゙゙゙゙゙′ `ー'''" ``彡=l: /
',.lミミ 、....__,,,..,,,,,,,_ 丿 、 _,,,,,,..,,,,,,_. l三/./ なぜ、こんな簡単な事に、気がつかなかったかのう。
l.ヾミ '《_ヾ゚ツヽ、 : i:"´,ィ'ヾ゚ツ_,,ゝ lミi l
ヽ_ヾ. ヽ、 `゙'''"´ノ l l::. ヽ``'''" .ノ lミl,ノ 和厳オプーナ──いや、「入速出やる夫」くん。
`ミ, `゙゙゙゙゙"´ , .l |::. `゙゙'''''" .lミ' お主は麻呂に全てを話してくれた。
'ミ ィ .:: l:::.、 lツ
ヽ / r _) ヽ /iヽ 麻呂がお主を救ったのではない。
ヽ / ``'ー‐'" \ / l:::ヽ
_,ヽ.、 ,‐-、 : : _, -、` / /:::::::ヾー-、 ──お主が、麻呂を救ってくれた。
//l.l\ ヽヾミ三三彡',ン´ , ' /:::::::::::::ヽ ヽ わかるか?
_, -‐'"´/ /::::::l l. \ ` ー--一'" //:::::::::::::::::::::::) )、
/// /| |::l .|l |ヽ ヽ\
/ /::::|.|:::l |::| |/\ \\
. | / ./::::::::l|:::::l |".l |/::::::::ヽ、_\ヽ__
(わからない……でも、このヒトは、 |.l.| l /::::::::::::|/ i /l| _,,、、- ~ ::::ヽ ヽ/⌒ヽ、
凄く大事な事を伝えようとしてくれてるお…… || | .|l /\::::: ヽ /,、-'''" :::::::ヽ ヽ'⌒ヽ.ヽ
それだけは、わかる) . | |.| | / \ 〃 i.l ::::::::ヽ ヽ'⌒| .|
. |l |l \ ;;; ヽ、 ,,、' ij :::::::::ヽ ヽ、_ノ |
/::::: ‐''~ ::::::::::::ヽ ヽ、_ノ
/ ,'::::::: :::::::::::::::::ヽ ヽ
/ ,':::::ij:::::: U `ij :::::::ij:::::::::l;ヽノヽ
/ ,'::::::::::::::::: :::::::::::::::::l;;;:::::: ヽ
702 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:10:45.76
ID:3r2/OEko l::l 丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -r==ニ二三三 }
',:i r- 、、` ' ―――― '' "´ ,ィ彡三三三三三/、
|| ヾ三) ,ィ三ミヲ `丶三三三三三ん', 麻呂は医者だ。
lj ゙' ― '′ ヾ三三三ミ/ )} 医者は人を救うことが仕事であり、「存在証明」だ。
| , --:.:、:.. .:.:.:.:..:.:... 三三三ツ ) /
| fr‐t-、ヽ. .:.:. '",二ニ、、 三三シ,rく / そして、麻呂はお主らを救う事ができたかもしれん。
l 丶‐三' ノ :ヾイ、弋::ノ`:.:. 三シ r'‐' /
', ゙'ー-‐' イ: : 丶三-‐'":.:.:.. 三! ,' / その事が、誇りに思える!
', /.: ミツ/ー'′
', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、 誇りに思って、これからも生きていくことができるでおじゃるよ!
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、
,.‐''" ̄`丶、
/ \
/´ \ や、やる夫は、おっちゃんにひどい事しかしてないと思ってたお……
/ |\_>、_ 、r‐、 \
レ! ||_| |/_ ヽ\} \ 迷惑ばかり、かけて……
|八|-/>、∪_ u`i ト、 \
/ / ,くィ夕u' | |/ ``‐- 、_.、__\
|/ / /_ヽ┐u | ,| / ,-,.=====ゝ
ヾ' / r┘|.l__人 | /\// \
\ ) | N / //\./´ ̄`丶
|u | /|(l(l「| | | |
| u| / | ヾ-イ .|| l、
703 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:11:39.88
ID:3r2/OEko ', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、 迷惑をかけたのは、お互い様でおじゃるよ。
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,l l:ヽ
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、 麻呂はお主を殺そうとして、撃った。
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ
_,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'." / / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_
一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶、
ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
`丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '" /
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
────ありがとう。ごめんなさい。ありがとうございます。すいませんでした。
全部が全部、伝えなくちゃいけない言葉……!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
|\ | | // U /\ `, \ \
;;;| \ | | // , / /ヽ 、==\ \ で、でもっ!
;;|\ \|// lj l j / //\ヽ \ \ お、お礼を言わなきゃならないのはやる夫のほうでっ・・・!
|u\//|ヾ|| l| ||´ // \、 ( \
|f゛/.へ| | || lj i|| / | ゝ やる夫の話を聞いてくれてありがとうって!
|// ヽiヾ、;|| ル/ | ( やる夫達の為に骨を折ってくれてありがとうって!
// ヾ)゛ ≡ ○ /
人| ○ / = ニ=_ _=--W ( 学校に行きたいってやる夫に願いを、
ヽー、 / = U U-==_ ( u j ) 笑わずに聞いてくれてありがとうって!
\ lj し-、 ノi = i し ヽ i´
\ u) i/ = u lj ゝ ) U l 助けてくれてありがとうって……
|`ヽu ゝ/ = ゝー´ ゝ
| | / = __-=ニニ ̄ ̄ ̄ー― ̄ ̄ ̄)
ノ ーーニニ==- ̄ ). ̄ ̄ー――― ̄ ̄/
705 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:12:16.26
ID:3r2/OEko / 、ー--‐へ、 (⌒\
. , ' l`i‐r-ゝ v \\、ヾ; ヽーァ─
/イ :ト、!│| ! , ij u \ヽリ ∨
│,イ | u | | l∠ニ u ト、 ヽ / ───やる夫は、おっちゃんに会えてよかったって……!
l/ | ,イ |─ァつ_ ~U~ u/;⌒i |:: \ ヽ /
レ W f/ ノ ,.- // ./ j v |:: u \ V
{ /つ ィ .// / u |::v /ヽ. i
l /つ/ レ' 〈__,.ヘ | ̄7 ヽ |
ヽ ヘ'v ー-、 ノ ヽ | / W
\ ij 0 ヽ. `ー' | r‐¬ |
\ ノ O \ |_!o ol_|
l三三^'ー-:、、;:;:;:;:j::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:-‐イ彡三三i
i'l三Ξ. ,.=ミ`'ー-‐'";ニこ´ ィ彡三三7,.、
',lミシ" ` ̄´ `¨"´ `ーミ三彡7-ヽ ああ。麻呂も……
lミミ, :. _,.=、、 . ..: _,.〟、、..: ヾ彡〃//
〉l; ::.彳ヾ゚;ハ、:、 ,:' ,.ィヘ;゚ツゞ::' .::彡/ノ/ ───お主に会えて、本当に良かった。
ヽli. :ヽ.`゙'''"フ`.: l::. ヽ`゙゙"´.:' .::::::彡ゝ/
`li. `゙ " .:: l:::. ` ゙ "´ ..::::::::彡ー'′
_,.ト:.. .:' : :::::.、 .::::::::::彡′
,ィ'´r'"::ヘ:::.. /`'=、__,.ィ'' ' ヽ ..:::::::::::;ヲ
709 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:12:57.73
ID:3r2/OEko ',i ,-三三三三三、 _,.ニ、ー-、!;: -‐二 ̄彡′
',、、ヾ三三'" ̄ ̄ `ー‐" ヾ-'" .〉′
ヽ ヽヾ三,' :::..,. -‐- 、 _,,..-‐、、,'
`ー',ミミ ::.弋ラ''ー、 i'"ィ'之フ l′ 狐の嬢ちゃんよ。
/:l lミミ ::::.. 二フ´ l ヽ、.ノ ,'
,.-‐フ:::::| |,ミ l / このやる夫くんを、よろしく頼むぞ。
/r‐'":::::::::| |ヾ /__. l / 麻呂の、大事な友人でおじゃる。
_,. -‐"i .|::::::::::::::::::',.',. \ ⌒ヽ、,ノ /ヽ, ……お主も、気をつけてな。
l`ヽ、-―- 、 _
/| l \_ `ヽ、
{, '´い //⌒ヽ \
/ ム \{_レr行ミ⌒ヽ `、 ……フン。言われなくても分かってる。
l ー'´ ヽ、Vヘ_彡ヘ. ノ l
ノ 、_, `ヾヽ _>彳 | それに、心配なんて不要かしら。
「 xx ̄xx _V l l
lr‐1 》⌒! | /
ヽ/7┐ ヾ==彳_,ノ ノ / このカナ様が人間ごときに遅れを取るはずがないかしら。
_rク/ / r'⌒ヽ、__ /
__/)'´ 丿rク{ ̄ _〕仁ニ、 \
/{{くヽ._,.ィ-‐兀/l:レ―ヘ / ̄`ー- 、
_, -‐'´ ||厶|¬t┴ / ゚/└rー、ノ, l
「 ll ノ|く rこ7 。//{三ヲ l n|
〈::::::::::::::::::::`丶、/_:_:_:_:_:_:::::::::::::::::::::::::::
/ミ了`ー- 、::::::/:::::::::::::::::::::::: ̄:::::`::::―‐
lミミ (三シ`‐--- ___:::::::::::::::::
頼もしいな。 lミシ ,. ヾ三) }三三三
fi7 . " `、 : _ _ ヾ三ミ三
───では、さよならでおじゃる。 | ! ' 、==z、ヽ|: , '" 丶 `}ミミミ
|i| ` `二彡/ 、ー==、、: |ミミミ
lリ _/ `二ニ`` |ミミ/
,. ''´ ̄ ̄ ̄`ヾ!:、 f´'′ :^ヽ ,.lミ/
/ l ` :r '´`^'、__,.-、ノヽ、 ,. " }シ
/ _,. -‐ '゙´ヽ { 、-- 、:.:__ ヽ... ' /}\
___/ _,. -‐ ''"´ /,ハ ヾ`ヾエエェェェ>- , 'ノ ハ、
_,. - '"´ //'´ ,. -, {{( ヽ `丶`二ニ´ /´
710 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:13:52.10
ID:3r2/OEko . | / ./::::::::l|:::::l |".l |/::::::::ヽ、_\ヽ__
|.l.| l /::::::::::::|/ i /l| _,,、、- ~ ::::ヽ ヽ/⌒ヽ、
|| | .|l /\::::: ヽ /,、-'''" :::::::ヽ ヽ'⌒ヽ.ヽ あ、あの!
. | |.| | / \ 〃 i.l ::::::::ヽ ヽ'⌒| .|
. |l |l \ ;;; ヽ、 ,,、' ij :::::::::ヽ ヽ、_ノ | お、おっちゃん……
/::::: ‐''~ ::::::::::::ヽ ヽ、_ノ やる夫はおっちゃんに言わなきゃならない事が───
/ ,'::::::: :::::::::::::::::ヽ ヽ
/ ,':::::ij:::::: U `ij :::::::ij:::::::::l;ヽノヽ
/ ,'::::::::::::::::: :::::::::::::::::l;;;:::::: ヽ
/ニ、::::::::::::::::三 、;;;;;; `"´ ,,,,, i;;;i
{ ( _',::::::::::/ "" |/
', '<i ヾ:::::::i 、、,,三、 ,,.-、 i
',、ヾヽi:::::i '-ヽソヾ /,'ッフ、i ────やる夫くんよ。
ヽ__.. i::::i 、  ̄ノ | ;ニ ノ.i
ノ,.-| i::i | i 神沢市に行く前に、
. i,ィ''"', /、_ :::: / 「やらなければならない事」が、一つあるでおじゃるな?
/',',', ', / ヽ_ノ /
. イ',',',',', ', ', ( ,.---::;;;;、_,. } /
/ '',',',',',', ', ',- 、 ,.__`ー´ノノ
,.-イ ''',',',.',', ',:', ,ノ /、,,、
( {´ ',',',',', :',.','---─ '´リ ', ヽ
713 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:14:45.48
ID:3r2/OEko _、─-v-─;z_
>:::::`::::::::::::::::: :::::\
/:::::::::.. .:::::::.. ..::::::::::ヽ
イ:::::::::::::::::::::::;、::::::::::::::::::::::l
. l::::::::::::::;:イ::/v:ヘ::lヽ、:::::::::| (見抜かれて、いた…)
. |:::::::/|/ニ|/ュ ┌リ_ニヘl::::::::|
j::r=i|==。=,, _=。==|r=、:|
|::|ヒ'|| ` ー":|.|:`ー ' ||J:|::| ───はい。おっちゃんの、「記憶」を消さなきゃならないお。
. |:::ヾ;l| u r:|」:、 u :|レ'::::|
. ノ::::::::::\ (二ニニ二) ,イ:::::::::::ヽ、
_,∠:-‐ァi:::::::!\ == ./ |:::::::ハ''ー-ゝ、._
-‐'''": : : : :/,/|::::::| ::::\_/ |::::::ハ ヽ: : : : : :``'''‐
,-、 __
!|`ヾ.、,.ィ ,.´ー-、 :: ::`ヽ、
':、 >く::丶、 :: ::」WL,、_rvト、
゙x/::/゙\、:: ::>fー-.,-、_ニ 'ー,
i:メ/ u `ヽ.>)r‐ッ薔}::ij∠ えっ……!?や、やる夫くん……?
レ'、_ __,-゙i_`'Tfイ 7<
l:i ,ィー、 イ;゚ヾ,レi:H:ir‐'リ ど、どうして……?
/ン,辷リ 弋り' /ソ !トi::/
// ,.i"" ', -、 "" / _,=ミ,く
レ }ミゝ ∨_ノu_"-f―ミ、}
ノニフ >---イト ノミニi^ヽ
__r 、 ヾフィ',ィliiト-、: ! そ=、ノ i
jニ i、ー、__,/「〈 //!| ト、 フj `>- ,_ !
714 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:15:43.47
ID:3r2/OEko ',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡' _,,,,,,、ヽ;:;ィ''|
彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄ `゙゙ー' ;;;:|
. 彡i、ヾ (' ヾミニ三' __,,、 ....ノ / ……仕方ないでおじゃるよ、狐の嬢ちゃん。
彡ゝ `'' " |ミミミ' ,;'´ ,, ァ'
'彳`ー‐i |ミミミ' `゙ニシ' |、ニ' 麻呂は、彼が何処に行ったか、どんな名前を名乗ったのか、
--、/ i |ミミ .,,r‐''" | ノ どんな過去を持っていて誰と一緒なのか、知ってしまった。
く'ノ :i ミミ ´ ., ' |'
、\ .l ヾ .ノ(_,,、. |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
───そう、このままじゃ、おっちゃん自身も危険なんだお。
やる夫はどうでもいい。でも、事が露呈すれば、おっちゃんだってタダでは済まない。
隠そうとすれば、薬で自白させられるし、いずれにせよ罪を背負う事になるお…
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ ,'::::::: :::::::::::::::::ヽ ヽ
/ ,':::::ij:::::: U `ij :::::::ij:::::::::l;ヽノヽ (でも、でも……
/ ,'::::::::::::::::: :::::::::::::::::l;;;:::::: ヽ 『救われた』記憶が消えてしまえば、
/ ,'::::::::::::::::_::`) _,,、-'''´~~`ヽ::::::::::l;;;:::::: ヽ また、おっちゃんは元のように……)
/ :::::::::: ''~ノ __,,、-‐´ _、、-‐':::::::::l;;;;:::::::u ヽ
`'''' `''-'、~ _ 、-‐´ :::::::::::::::l;;;;;;::::: ヽ
`r‐''' ´ :::::::::::::::l;;;;;;;;::::: ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
これは、道理であり正論なんだお……
たった一つ、この人の記憶を消せば、やる夫は悲しいって想いだけをのぞけば。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
715 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:16:40.17
ID:3r2/OEko ! (,、 ..::::::ヽ、:::::::::::::::::::::::::i;;;;;/;;/
'l ,/´ ヽ-r'~`' 'l,::::::::::::::::::::::l;;;;i_,ノ ───なに、心配するな。
l ,/ l :::::::::::::i、::::::::::::::::::l;;;l´
ヽ ,-―-,、_,__ 〉:::::::::::::// 記憶は失っても、あの時の事は忘れないよう……
∧ `'ー===-`ー―::::::::::::::::::/
/( ヾ、 :: :::::::::::::::::::::::::::::::::::/,、 努力するでおじゃるよ。
_/ ! l ヽ ,..:: :::: :::::::::::::::::/::i .l:::\
/ ./ ! i, ヽ、_..: :: :::: ::::::::::::,r'´:::::::l l::::::::l`ヽ、
, - ´ ./ i i, `'ー---―‐':::::::::::ノ }:::::::ヽ:::::\
_,,.-―――'´ < \\ ..:: ::::: :::::::::::::::::::::::/ ./::::::::::::〉::::::::`'ー-,.、_
_、─-v-─;z_
>:::::`::::::::::::::::: :::::\
/:::::::::.. .:::::::.. ..::::::::::ヽ
イ:::::::::::::::::::::::;、::::::::::::::::::::::l
. l::::::::::::::;:イ::/v:ヘ::lヽ、:::::::::| ……カナ、頼む。
. |:::::::/|/ニ|/ュ ┌リ_ニヘl::::::::|
j::r=i|==。=,, _=。==|r=、:|
|::|ヒ'|| ` ー":|.|:`ー ' ||J:|::|
. |:::ヾ;l| u r:|」:、 u :|レ'::::|
. ノ::::::::::\ (二ニニ二) ,イ:::::::::::ヽ、
_,∠:-‐ァi:::::::!\ == ./ |:::::::ハ''ー-ゝ、._
-‐'''": : : : :/,/|::::::| ::::\_/ |::::::ハ ヽ: : : : : :``'''‐
r―<_ \ r― v‐ 、\
/\ \ `f_>‐┴<j‐v‐ト、
. / /\ \_に.| _,二、`い
|// \ 汀______厂|/ミい |-{
〈 / `丶、{__|_____人 いり} |-く{_
. V ._ _,{ | ヽニ不、_|
|  ̄ `  ̄ `匸ト、_,.イし' | ……
. | ,z=ミ、 ァ==、、 弋匸斗'|/,|
f|.仆メ小 イ|弌'小 _|, - 、l//ノ
l| 辷.リ 辷_,リ }! 〃 ィ⌒|_,⊥ ┐
. ,-|.:.:.:.:.:. 、 :.:.:.:.:.:. { _)/ , ‐≦
. / 人 、_ _こ イ / /_,厶-┐
Y / \ ‘ _/ ヽ|/ , -_=ヨ
∨_/ /> .__,. ´/ \≦-┴‐-、
. 丿 \厶┴‐|-‐┬┬-ノ ヽ/_'三ア
/ Y三ニイィ丁 下( |て三三
717 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:17:23.67
ID:3r2/OEko r 、 i´Y ! /
ヽ \j |/7 /リ
', _>'´
ノ .//
. / _〈 l _/
¨´ \_>一 ´/:<スッ…
,‐、
.rヽ, i i /´i
.ヽ '゙ '゙ ./
, -―ヽ._ /
、-‐ ' ヽ::} _`ヽ
j:レ' `¨
/ .リ
_ .. - '
',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡' _,,,,,,、ヽ;:;ィ''|
彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄ `゙゙ー' ;;;:|
. 彡i、ヾ (' ヾミニ三' __,,、 ....ノ / 『自宅に帰ったと同時、お前の記憶から、
彡ゝ `'' " |ミミミ' ,;'´ ,, ァ' 和厳オプーナ、入速出やる夫、入速出カナの存在を
'彳`ー‐i |ミミミ' `゙ニシ' |、ニ' 残らず消して滅せよ────』
--、/ i |ミミ .,,r‐''" | ノ
く'ノ :i ミミ ´ ., ' |'
、\ .l ヾ .ノ(_,,、. |
:\ヽ, ヽ / `t‐一'
::::ヽ ヽ `::. ,; ' .:i
:::::::ヘ ヽ `::. ''"⌒゙''一ノ
718 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:18:23.35
ID:3r2/OEko |  ̄ `  ̄ `匸ト、_,.イし' | ……
. | ,z=ミ、 ァ==、、 弋匸斗'|/,|
f|.仆メ小 イ|弌'小 _|, - 、l//ノ
l| 辷.リ 辷_,リ }! 〃 ィ⌒|_,⊥ ┐
. ,-|.:.:.:.:.:. 、 :.:.:.:.:.:. { _)/ , ‐≦
|:::ヾ;l| u r:|」:、 u :|レ'::::|
. ノ::::::::::\ (二ニニ二) ,イ:::::::::::ヽ、 カナ?
_,∠:-‐ァi:::::::!\ == ./ |:::::::ハ''ー-ゝ、._
-‐'''": : : : :/,/|::::::| ::::\_/ |::::::ハ ヽ: : : : : :``'''‐
_ xx ̄ {ヽ|ト、
二〕 ,.:/ / |ヽ\ 『ただし、お前が感じた想いは消える事はない。
_ 」 -- 、 rァ / ∨ } | 私達の存在が消えても……
:.:.:.:.}>'´ ‐/ { /
∨¨マニト、 _./ ̄{_ レ'
∨.:.:.:.} V.:'´.:.:∠ ……その想いだけは永遠に胸の中に刻み込まれる』
V´.:.:.Y⌒Y.:./.:.:.〉
ノ.:二フ  ̄_」 -i'彳
V.:彡' ,. -┴i
719 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:19:17.70
ID:3r2/OEko r 、 i´Y
ヽ \j |/7
', _>
ノ.r´ r´ r´`
. / _.i '゙ '゙ /ヽ
, -―ヽ._ / ヽ <…パチン!
、-‐ ' ヽ::} _`ヽ ヽ
j:レ' `¨
/ .リ
_ .. - '
-― ´
l;:;:;:;:;:;:;ミ ` ` '' ー -‐ '" ,リ;:;:;:l
l;:;:;:;:;:;:;:ゝ く三) (三シ `ヾ;:t、
fミ{;:;:;:;:f'´ , ---_,, _,ィ 、_,,ィ,.--、 };f }
l トl;:;:;:;:l 、,ィ或tュ、゙:ミ {,'ィt或アチ l:l,/ ……ム?麻呂は、どうなった?
゙i,tヾ:;:;:! `ヽ 二ノ ト ` ‐''"´ l:l:f
ヽ`ー};:l ,r'、 ヽ リ_)<パチ
`"^l:l ,/゙ー、 ,r'ヽ l
゙i ,ノ `'" 丶. ,'
///.: :, く// \!_,> . : : : : :|
'´ /:,:イ`>、\ _,/ /\ . : : : : : |
|/ .kー-。、〉 >-‐'ー。、 |.:|‐-、: : ! ああ…おっちゃんが、家に帰ると同時に
|`ー:/'´ `ー-‐'´ | !か.|: / 記憶が消えるように、頼んでおいた。
|/ __‐、 lノい/:〈
`iー______ ,'/じ:' : :ヽ (カナ…ありがとう)
l `ー―‐---‐' '/: : : : : : :.ヽ
'、 ー //: : : :∧: : : :ヽ
∧. /,.r': : : :,/⌒'ヽ: : : l
721 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:19:47.85
ID:3r2/OEko ', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. jソ,ト、
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 ,ハ l、 …そうか。なら、一刻も早く帰らんとな。
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,l l:ヽ
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、 ───寂しくなるでおじゃるよ。
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ
_,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'." / / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_
一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶、
ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
`丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '" /
_ -―
、_ _ -‐
_ >一ー―――- 、__ , ---―- 、 _ .. -‐
 ̄ } _ -‐ッ' `ー--、}
「 ̄ 「 ,.-、 ', 『ああ、さようなら、おっちゃん』
| } / \ 、
i jノ ノ `丶、 ヽ
| `゙´ ヽ } 『元気で、生きていくでおじゃる』
/ ヽ |
: . . . /ヽ, -‐-、,r"ヽ 丶 .ィ´:、 . : : : :
: : : : : : : : : : / 〈 ⌒/ ゝ /⌒ヽ ヽ ∨ 、: 、. : : : :_ .. -‐  ̄
 ̄ ―- __: : : : / `´{ / ∠、 \ \__ノ \}_ .. -‐ "
 ̄ ―┘ `¨´、 /- /丶、 >‐'
`゙'、__/`--' ̄
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
温かくて、力強い手。この手に、やる夫は救われた。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
723 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:20:50.51
ID:3r2/OEko _,,, ------------------- ,_
, '" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ, ," ̄ヽ ̄`ヾ、、
/ / / 'i, ヾ、==、、
(゙/ / / ,_ 'i, __,,) ゙ー゙゙ヽ
_, -‐,‐'=======────-- ,,,__/ ん<__ノ-‐'、 ̄ ヽ |,
_, -‐ ' ´ `゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙´ , `ヽ ,_、| `" | |}
,、'´, ´ , ' ´ | `' | /,''、ソ'i
/ |',---- ,,,,__ , --───, | _,| -=./:Kル||ノ
, '゙`‐''ニ二‐ {フ----二}/ / /二ヽ, |,_, -‐ ゙´ | _/:;|={).ll゙
i`ー ,,,,_ ̄ ̄ ̄ ̄ `ー────' / ,、"|゙,ゞ,;|゙´| _, -‐' "_, ):;:くll,ソ
{ー--, 「 ゙゙゙゙゙゙̄l二二二===== /;:;i ) "/ || |_, ‐"_, -‐'" ` ー‐'"
ヽ、;:;::;::_!____|:;:;:;:;:;:;:;'i, ,‐、 /;;:;|ニ、・) =l|,_,- ''"
 ̄ `ー 二二二ー─‐`ー'二} 」;:;:;、ソ ハノ,i
 ̄ ̄''''ー──'''''゙l;:;:;:;::ヽムノノ
`゙゙゙ー‐ '´
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
おっちゃんは、それきり車に乗り込んだ。
─────やる夫は、最後にもう一度、お礼が言いたかった。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
725 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:21:38.18
ID:3r2/OEko __
「ヽ ̄\ ゞ_、__
/入 \ _jl´frォ j}
/ / ` ーヽハ-メ_jヽ.
' ,' ,. - ´`ヾヽ !
i イ , =、 ォ= 、 川! ……行きましょう、やる夫くん。
ゞハ, ハォ.j 辷j |メ.
`ハ :::: ' :::: イ_ ヾ
,.,ゝゝ、 ` ´ イミミjノ
l!V:三} ゙>< ゝ-'⌒丶
/ ゝリ! jハ! レ′ l
く :.:! o 〈 - |
ゝ l:.:.|'\ o _ .人 l 〆ノ ブロロロロ……>
// | 」_.ヽ
|_|_|_|=|__|
-=ニ| Mゝ'N〆ヽ
/ (6|' テ 〈 テi` ……ああ。
/ .|、 __ヽl
/-‐/|..| \ = /|_ (おっちゃん、ありがとうございました。
/i ̄ -/ ||\__ヽ||\\ そして、さようなら)
.|,, | ̄ 〈゚.。/|::::::::::|\。/ ||
.|,,,, |_。_\。|DER|/∠。_|,|
|,,, || | | |く|.|:-‐‐:|〉| | |.|,,|
|___|| | | | i!| 38 |。| | |.|_,|
[___] ̄ ̄ .i!|:‐--:|  ̄'|__]
|. |// i!|RAM| ゙|│
| |/ .i!|:::::::::::|。 .|│
. | | γ i!|:::::::::::| T│|
727 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:22:30.88
ID:3r2/OEko | |/ .i!|:::::::::::|。 .|│
. | | γ i!|:::::::::::| T│|
. | |. i!|コl二ll| | | なぁ、カナ。
. |. | i!| ミ| |,,|。 |.|
. |. , 〉 .i!| ミ| |/| | | 人間にだって、いい人はいるだろ?
巛∂ i!|\|_|ノ| |ii」
L____」. |. |。 ._」∥
| !. |  ̄ |∥||
. | ! | |||\\
. | !. | |l|\\\
. | ! || || | | |
| ! | |. | | | |
,' :l :.:./ ` - - _:.ヘ _`¨ー| lー-ヽ \:l
| : l .:.,'  ̄└ヘ|__」へハ/j/:|
∨ : l:.l / ,夫==<l|〈ヘ∨.: .::l フン!し、知らないかしら!
V: ::.{. _ , 〃!ハ:::::::::} ヾ j |.: ;':/
ヽ: :ヘ ,三.. 弋Z:ソ |! /.:// ……さぁ、カナはケースに入るかしら。
\ム{ハ::::::ハ .:.:.:.:.:u /:´.:.' イ
入 ゞソ 、:. /.: :/ .: 」 とりあえず、狐に戻るからね!
{.: ハ .:.:: r_、 /ノ.; ' .: .:/ ̄ ヽ
|:/ /:>‐- ,.__. ' /f.: .: /.:〉: : ',
,!ー{:. `:.ー:.l/j|\ヘ --/.:, :' .::イ: : '. ───あれ?
/ 〈:`:.ー:/ /}{ヽ.\ヽV〉. : .:.イ: : ヘ
,' 〈ヽ:r'/イ \\` Y: , :'.:.:ノ: ハ
729 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:23:11.38
ID:3r2/OEko /T. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ T.\
/_____________/ヅ ̄ # ̄ヾ:;}_____________\
|!´.! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `フ‐ rr‐┬‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄//
. |! i / //
. |! i / // 『やる夫くん、中になにか入ってるかしら』
. |l i / //
|l i / //
|l i / //
|l i / //| 『ん?どうしたんだお?』
. || i / // ||
. |! i _ __ __ __ __ __ __ __ ___ / // .||
|||,/_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _\// ||
||.|i,〉 〈`ヽ.,||
|| |l.´ ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ̄|\ノ_) ))
||./:| l \ノ
. l/ .l l \
. / i i \
./,.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ
!. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄!
!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::┌i======i┐ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::└!======!┘ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
!~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~:!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
BGM:ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm5440594
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
730 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:24:12.17
ID:3r2/OEko ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
─────やる夫は、おっちゃんを侮っていた事を思い知った。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
‐''´ / ,、 .',
〃 /| / l |ヽ、 |
.,' ,ィ ムf / l .L 」 ,、 |
|// _,,、v‐'l/ ij ', ┌-、 _ |
. ,' /| ./__,,r-、 u u ヽ|、-ヽ| ヽ | あ、ああああああっ…!
|/ |/l(_ ヾ、 〃 `)| |-‐ 、 |
. l.(´ O ) ;; 、 O )| |ニヽ ヽ|
l..ヽ、 r-/..:: ι┐ rl'´ |.| -、| ..l l
.l;;;;..`/..::::::::: u し'/ .l.|__,ノ / l、
l (__:::::::::::u::`) /_ ||-- '′ ヽ、
l r‐---‐---~'´__`l | lヽ、 ヽ、
l.l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( | l ヽ、_ ヽ
ll二二二∠二二二ノ.ノ | l  ̄
_ヽ ,,,,,,,,,,,,,,,u ./ | l l
,、-''´ ,ヽ ij ;;;;;;;;,, /;; | ,'| .l
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
やる夫がお人よしの感動屋だとしたら、おっちゃんだって間違いなくそうだ!
っていうか、やる夫以上に図抜けたお人よしだっ!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ \ `ー {|v‐fi、{薔}i ,l}
i 7ー--、 ヾヘ二ニ!\∠}
! ,/ `゙ー\,,..-‐'" !
', ,/ ,..-‐ ー‐`゙ー-、 | ねぇやる夫くん、こ、これって……
! ,/ ,.- 、 ィ´;;;`ヽ,!,-、 !
レi /ト;;;;i.j. 弋z_ ノ i リ′
. ⊂ ヾ! 弋zノ 、 ` ´ .!ノ
⊂ i ト、 /! ̄`) __
ヾ > 、⌒ヽ ィ'i-r==ニニ´
r‐、 / _〕ー rァ、イ‐-〔_,,.-―|
r 、. ヽ \/!ヽ,ァフ `ヽУ .〉!Ti--' i´,==′
734 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:26:13.07
ID:3r2/OEko ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
おっちゃんは、カージャックしたときのやる夫の言葉を覚えていた。
「お金が欲しい」と言った事を。あとから数えて、五百万円。札束が、そこには積まれていた。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
__ __
/壱//万 :/|
|≡≡|__|≡≡|彡|
|≡≡|__|≡≡|彡|
|≡≡|__|≡≡|彡|
|≡≡|__|≡≡|彡|
_____
/ ヽ____//
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
────そんな大金の他には、手紙が一枚。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:26:58.55 ID:jpFK.D.o
ああ・・・やべぇ・・・やべぇ・・・
736 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:27:10.40
ID:3r2/OEko /::::;'⌒゙``ゝ
,.. -‐':::........... ::`ヽ
/:;;;;;::: ..:::::::::: ...::::::::::\
/ '" /: ;::::::::::::::::::::::::::::::::::,..\
. /::;;::::,,...::::::ト、ヽ:::メ>'、くィ,\`≧,,,_ _,,. -‐''¨ ̄
i::/,'::::::::::::A| .>// }ト、、))-‐'''" ̄_,,. -'''": : : :
|,' |::/|:::::rニミ ,,! 。_.ノノ u\:ヽ-'''": : : : : : : : : : : :
l/ .l::i::| 。! u ,.'⌒へ. i:::ヽ: : : : : : : : : : : : : :
.Vヽ!\`7 , ノ/ ,)}:::::iヽ: : : : : : : : : : : : :
ソ-</ ,. ‐'´ ハ::| :!: : : : : : : : : : : : :
\`'´<.フ ハ V :l: : : : : : : : : : : : :
/ /:` 、 ___/\〉: : | : : : : : : , -‐―<ガサガサ……
/}
_ !l ,.- 、
//|| ̄ `ヽ⌒',
/ / ヘ入ヽ ∨
!| //ー, \, } やる夫くん……?
l .// ○ ○{
\(⌒リ" △"ノ 何が書いてあったかしら?
{こ.フ>、ー,.イ
〈二}/ ∞Y_〉
└ 〉 ハ〈┘
/ ヘ
i、 〈l〈l r,==¬
-=| |=‐ |.| |.| o o o
/ i7 |.| 「/ L===」
〈 ゙'
/ 、ー--‐へ、 (⌒\
. , ' l`i‐r-ゝ v \\、ヾ; ヽーァ─ ううっ・・・!
/イ :ト、!│| ! , ij u \ヽリ ∨
│,イ | u | | l∠ニ u ト、 ヽ /
l/ | ,イ |─ァつ_ ~U~ u/;⌒i |:: \ ヽ /
レ W f/ ノ ,.- // ./ j v |:: u \ V
{ /つ ィ .// / u |::v /ヽ. i
l /つ/ レ' 〈__,.ヘ | ̄7 ヽ |
ヽ ヘ'v ー-、 ノ ヽ | / W
\ ij 0 ヽ. `ー' | r‐¬ |
\ ノ O \ |_!o ol_|
737 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:28:19.80
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/ミ了`ー- 、::::::/:::::::::::::::::::::::: ̄:::::`::::―‐
lミミ (三シ`‐--- ___:::::::::::::::::
lミシ ,. ヾ三) }三三三
fi7 . " `、 : _ _ ヾ三ミ三
| ! ' 、==z、ヽ|: , '" 丶 `}ミミミ
|i| ` `二彡/ 、ー==、、: |ミミミ
lリ _/ `二ニ`` |ミミ/
,. ''´ ̄ ̄ ̄`ヾ!:、 f´'′ :^ヽ ,.lミ/
/ l ` :r '´`^'、__,.-、ノヽ、 ,. " }シ
/ _,. -‐ '゙´ヽ { 、-- 、:.:__ ヽ... ' /}\
___/ _,. -‐ ''"´ /,ハ ヾ`ヾエエェェェ>- , 'ノ ハ、
_,. - '"´ //'´ ,. -, {{( ヽ `丶`二ニ´ /´ | |
,. '´ / / i //ヽヽ、 ,ヘ , '´ //
'´ / / 、ヾ、 \\| ヽ、 ,. -,:'´ //
/ / /ヽ、``ー`、_`丶>---_彡'"´ //
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
. | llllllllllllllllllllllllllllllj 丿lllllllllllllllll_lllllllllllll
| :;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;( (;;;;;;;;;;;;;;;;:::://v::;;;;;:::
| ;:::::::::::::::::::::::::::::::) ):::::::::::::/:::::::::::::::::::
| ,:::::::::::::::::::::_;:::::::::ゝ )::::::/::::::::::::::::::::::::: あの、人は……
. | ,::::::::U:::::::::::::)::::: ) )/ U ::::::::::::::::::::
. | ,::::::::::::::::/:: (./) ::::::::::::::::
.. | ,::::v:::::::/l /( j ::::::::::::::::
| ,::::::::/ .丿 /ヽ ∪ ,ヘ :::::::::::::::
| ::::/  ̄ ̄ \_/ | :::::::::::::::::
し'´ `´. | :::::::::::::::::::::
∪ | ::::U::::::::::::::::::
|::::::::::::::::::::::::::/
. |:::::::::::u::::::::/
|::::::::::::::::::/
. |::::::::::::::
\_ノ
738 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:29:15.05
ID:3r2/OEko ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────────────────────┐
│ ...│
│ 約束の有り金だ。忘れているだろうと思って入れておく。 .│
│ ...│
│ 大事に使うでおじゃる。節約しろと言ってるんじゃない、 │
│ ・ ・ │ 『底抜けの、お人よしだ・・・!』
│ 大事に使うでおじゃるよ。 ..│
│ ...│
│ お主ならば、この無駄な金を、 ..│
│ 有用に使ってくれると信じている。 ..│
│ ...│
│ ...│
│ 被害者より ....│
│ ...│
└──────────────────────────┘
つづく
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
原作:propeller:東出祐一郎:「あやかしびと」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
739 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:30:12.84
ID:3r2/OEko つづく。
読んでくれて、ありがとう。
ニコニコのアカもってない人、ごめんなさい。
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:31:42.60 ID:usIWIXAo
乙!
やっぱこのシーンはいい!
あやかしびとはこういう人の心で素直に泣けるシーンが多くて大好きだ!
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:31:42.65 ID:OpP5iIoo
乙一
序盤最大の見せ場だよなあ…。
おっちゃん、格好良すぎるだろ。
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:32:53.83 ID:MJXuhq6o
乙
ビップ
備武流wwwwwwwwww
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:33:12.93 ID:TcczO4oo
乙ー!
ああ、くそう…未プレイなのに!
何だこのいいおっちゃんは!
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:33:28.00 ID:wAwATroo
乙!!!
おっちゃああああああああん
あんたいい人すぎるよおおおおおおお
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:34:04.35 ID:eoJBE5Yo
乙です
この辺グッとくるんだよなー
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:34:39.25 ID:c/IRXSEo
乙でした!
五位鷺はやばい、マジ泣けてきた……
おっちゃんほんといい人なんだよなぁ。
島から出て最初に出会った人間がこの人だったってのが、この2人の幸運だったよな……
754 : ◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/13(火) 21:35:18.71 ID:3r2/OEko
乙コメ、合いの手ありがとうございました。超励みになります。
ようやく導入部は終わりです。次回よりレイプが始まるかもです。
次回はまた7~10日後の予定です。
これ作ってる途中で自分で泣いたから俺もキモメン
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:35:44.75 ID:cu1.Dy.o
やる夫の葛藤とか、それを笑って受け入れてくれるおっちゃんとか
すずの思いやりとか、もうこの辺は涙腺崩壊ゾーン…
巧くあの空気を描いてて、1GJ!
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 21:42:29.80 ID:hAVcLyUo
乙でした!
やべえ、麻呂なのに格好よすぎるだろ・・・
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 22:05:54.09 ID:nKL7e7Ao
乙でした!
原作知らないんで、この麻呂は良い人すぎて死んでしまうんじゃないかとずっとハラハラし通しだった。
おっちゃんにとっても良いことだけが残るという最良の結果で、本当に良かった…
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 22:27:28.37 ID:O0Tr7lco
乙!
やっぱおっちゃんはいい人だなぁ
読み直すと泣いちゃうから神沢前はなかなか再プレイできないww
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/13(火) 22:49:49.52 ID:cOHqEawo
>>1乙
このシーンはあやかしびとの中で一番心に残ってるシーンだわ…
曲聴くたびに涙腺がやべぇす
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/14(水) 00:04:02.05 ID:iZ78xQco
もう乙としか言えない
導入部でやる夫に感情移入できちまったから
やる夫が泣くたびに自分も泣くはめになっちまった
次回も期待してます!
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/14(水) 22:51:48.21 ID:h8GzZ9go
ここまで綺麗な麻呂も珍しい
乙
782 :
◆VA2n4pNbBI[sage]:2009/10/20(火) 22:48:52.79
ID:/ldrL.6o rァ_ィ ‐-、
,,,,,,,,,,,,,,,イ ,イ
j ,,,,,,,, 斗イ
""" | |/`ーi__
/ ィ-、 `ヽ
//i / | |
( 厶/ .|. | |
‘ーイゝ_ア ノ ノ
/ イ
/ィ
/
,,,,, ト、
| " ,,`,,==,ヽ 「やる夫は人妖として生きるようです」
r-‐二",ィ 「 _ノノ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
`゛゛ i, i  ̄
,, ゙ソ 「次回予告」
,| !
_| |,,,,,,,, __ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(_ r-, ) `ヾ. ) __ ,. -;z_
|,,| ,,l / __ヽ. `' `ヽ.
|,/ ,> ` l
_ x'⌒ヽ .r┐ ∠- ,.ヘ、、 |
(,´ ̄´ )イ ) .| | . /イ./ ,4/ュ r_ニゝ、_ |
""フ / 'r-イx'⌒ヽ| | lイ/l=。ァ f'。 ラ|fr} |
i / / l 八_ノ.| | l:`/ _、二ノ |レ' ヽ.
| | / /゙、ヽ、 | | ハヾニニフ ,イ |\_ヽ
ゝ `ー' / ^^゛ | | ,、-‐ '"7ヽ. ー ./ l / l `''ー- 、.._
`ー‐'´ r-、. l ヽ . / l / トヽイ レイ l l ハ
| | ヽ、ヽ、 / l / _⊥.|:ヽ.__,ノ:|⊥._ l l ヽ
〉 Lつ ヽ、ヽ、 〉 !  ̄ o.l::::::::::::::| - ,二..___ ! l、
( ( ヽ、ゝ . / \ l |::::::::::::::| l L_o_」 l| | / ヽ
`-ニ二ゝ
783 :
◆VA2n4pNbBI[sage]:2009/10/20(火) 22:50:05.41
ID:/ldrL.6o l|ヽ= 从;;l |l|;;ll;;;;;l|;;;;;l;;;イl;;;;;;;;;;;;;| l|;;;;;;-〈、|;;;;;;;;;;;;;;,,三
ヽミ三从;;从|;(;;;;|l;;;;l|;;;((;;;;;(ヽ乂;;;;;;/ノ人、从;;;;;;;;ヽ
ミ二ミミ从 ; ;;;;;;゙;;;;゙;;;;;L{{ミ|Y;;";;;;;rテ'';''i゙''ミ゙ イ;;;;{ミヽ
゙ヽ乏゙゙从゙ ;;ヽ、、_;;;;;;;;;;;;;{≧Y;ノノ=-゙'''"´彡 ';;;;;;ヾ,,',
<彡l|;;;;;;;l、;}:/;r't;;;)>| 彡 ̄""´ |;;;;;;〈 |.|
ノノイ;;;;;;之"゙"''"´ |、 _,,、::::: |;;;;;ノノリ; きさまらに今日を生きる資格はありますか!
イ彡l|;;;;ヽ ゙:::::::: j _,、 -)゙ヽ::... |;;/- /;;/ミヽ
l|//l|;;;l~、'、 :::: ゙''::ヽ,/ |(,,ノ;;;ヽ〉ミ/
リノイ;ヽヽ'、 `゙'、l__,,、、、,,_,, / l||;;;;;;;;|
"´ノ|;;;;`'-;', (t -'''ヘヘ)}} リ リ;;;;;;;/从ミ
|/l|;;;;;;;;ヽ レ- '''""´ /:::" {;;;从;;;;;;;;)"
l|l||;;l|;;;;;;;;'、 ,,、;;''";; ̄:: ,/:::::" ヽl|リ;;;r''、リ
───────────────────────────────────────────────
19××年、世界は核の炎に包まれなかった!
───────────────────────────────────────────────
t、i':::: :::::::| ,' j"" :::リ'、/イ'(,, 、、 -ー '",、 ~ヽ
ヽt::::::: :::::t,,ハ ,、) ;;;;:::i-ー'"t))::::: ..;、-'",, " ヽ
i;t :::::::::::~'- '":" 了 ,i;;;;::: t:::;、-'" '" /
,,, 、 - ーt;ヽ ::::::::;;、、、:::,,, ;;'" /;;;;::: ,、'":::::彡
,,、- ''":::::::::::::::::::t:;ヽ :::::":::::::::::::`' / , ';;;;;;;r''":::::::... この拳王に、料理勝負で挑むというのか。
,,、-'"::::::::::::::::::::::::::::::::::t::;;ヽ ;;;::::::::: "/;;;;/::::::::::
,,、- '"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;ヽ :::::::::::: 、';;;;;r'"::::::::
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t:::;;;;;;'、;;;;;;;;;,、-';、-'":::::
/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ:::;;;、 - ーー'''"::::::::::: ....::''"
./ ;;;;;;;;;;、 -ーー ''''' """ '''' ー,-ー''''::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::
""" ー ニ"、,,,,,,,,_:::,,,,,,,,,:::__,,,、 -ー'"
785 :
◆VA2n4pNbBI[sage]:2009/10/20(火) 22:50:31.27
ID:/ldrL.6o / ィ /| ∧ i、 lヽ |
/// 〈 .レ ヽl > ´ |
/ // /\\ il´ ,、へN\ |
レ / /| /|==`。! ´===。‐ラ | |⌒i |
. レ レ lゝ -/ ゝ -‐ ´ | |う | | ククク・・・愚問っ!
. |/ / | |ヲノ .|
( __ - ` --‐'´ |j |.|" |
. l ---------一 /| |
l ≡≡ / l ∧ ',
|l / ィ /"´ヽ ヽ
| ', .イ / l / ,.、-ヽ ヽ
│ ヽ_/ │/ リ// ヽ.ヽ
───────────────────────────────────────────────
暗躍する黒の騎士団に「魔弾の射手」やる夫が死のゲームを持ちかける!
───────────────────────────────────────────────
::::::::::::::,:イfkァ.:::∠ミ 、V.:::/ /.::::.:::: イ____,/.::::/-‐ ¬.::
.:::::::/ff /∠ vハ}イ /.:::ィ7 //.::::::/.:::::/-──‐ァ.:::i
:::::/ {L//{{℃ik}} vハ/.:::/ { レ'/⌒`イ.::::::/_ ー──ァ.:::/|
.::/ \メ、 `¨¨¨´ v.:::イ ゝ一ァ' /.::/ _xkァ==イ::::ムミ バ、馬鹿なっ!
:/ ` `三≡==一zl.:/ / // >'"´ _ _」:/
′ ‐ ==ァ斗 ´ /L_ イ {{℃fL}{} プリンクリームパンが売り切れだとっ!
| / ヽ、ヽ、 `¨¨¨|l ,ィ/
、 { \ `≧xz={彡イ: ファミリーマート!何をやっている!
::ヽ | 、 ` `≧´.::::
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/20(火) 22:51:22.49 ID:nNQDNKco
なんて愉快なメンツだ
787 :
◆VA2n4pNbBI[sage]:2009/10/20(火) 22:51:25.63
ID:/ldrL.6o ,.イ^ヽハヽヽ ////,イ
l !レ'´..ゝ、 ` .ィ--、`!
ゞ/ > ニ __..イ ,. -__レ′
,,..-‐'''77ノ ,,.r'",ノ `-ィ_,ノ
,/ ',. '、,_,,..‐''",,.r'" .`ヽ,
/ , `'ー‐'''"~ .'、 そ、そんな目でみないで欲しいかしら……
/ ,r' !
/ / ,' ,'" .,'
i,. i ; ; / /
'、 ! '', ./ /!
i`''! ', .i、 i ',
,' ! ./ヾ、、,_ ,.-"
! .! / `''7''"
i ! / /
───────────────────────────────────────────────
後の世に語られる事になる「クリスタルバレーの決闘」が今幕を開ける……!
───────────────────────────────────────────────
\ ,ィ_
ト、 {{f´r二ミx._
- 、ィ1!: |三二ニハ、{: :r=yリ入
/: :\l|: 厂 >、: :ゞミド<-‐;リノ
/:, -一ァリム-- 、: ヽ: : :>、:`ニく
/:////:/i: ナ:⌒: : :l-=彡イル彡) ……あなたが、好きです。
l:イ:|/_ !' |/ l: : : : : |:´: : : /|´ ノ
l: : lレミ | -‐|: : : : |: : : ://l なので一緒に死んで。
|: :/rリ ァfy、: : : : |_:/://
l: :// ' ヒソ イ: : : : ハ)/イ
l: ハ ‘ー /// /: : : :/イ:/ |
l: l:ハ __ ,/: : : ://
l: l: / ノ| /: : ://_
V:/ -┴ノ: /≠┘\
789 :
◆VA2n4pNbBI[sage]:2009/10/20(火) 22:52:04.30
ID:/ldrL.6o //: .::: . :::::::/ : : .::/: .:|. : : | .:::: : : : : :.:::: : |:: : : |. |:. : : : |:::::. : : : |: : :i: : : :
. / /: ;:::::::: ::::::/: : .:::::l .:::|、: : :|.:::i::: : _: : .::l::. :|::: : :|:::|::. : l : |::::::. : | :| : : |:.: : :
' .l: l :::i::: ::::::l |: .:::::::| ::;|::;:\|:::::|r'´ヾi .:::l|:: :|:::: : |:::|:::::. :|: :|::::::: .:|: |: : : :|: : :
.| l| :::|::::::::::| | .:::::::;l.:::l|:::|:. :|\ト:: : :/.:::/|::::l|::::: l|:λ:::. |:. :|::::::: :|:: | : : : |::. :
.|:l.| :::|l::::::::| |゙.:‐-:A,,|_|::|:::.|l::::l|\ /:::/ |::/.|:::::/.|/ |:::: l::::|::::::::::|:::;l: : : : :|::::.
l| l:::::|.|:::::::|l| :::::/ .|:| ゙|ト:、|::| |::::.゙ト:/ |/,,|=:/‐|゛'''|:‐:|-:|、:::::::l|:::l: : : : : :|:::
───────────────────────────────────────────────
学園青春恋愛伝奇バトル!やる夫篇 「やる夫は人妖として生きるようです」
───────────────────────────────────────────────
./:/: : ヾlヘ:|::|. ゙´ ̄` \ ヾ、ヾ二'_ノ/'´ |.': : :::::::::. : : : :
//: : ..::::/ .::::l , ヽ、._,>.ィ'゙\ ||.: : ::::::::::.. : : : 予告と本編は大幅に異なる場合あり。
/': : : .::::/ .::::::ヘ ヽ ,, ,}l \ -|:|: : ::::::::::::.. : : 本編内のAAでお送りしました。
/': : : .:::/: .:::::::::::丶 _ ゙''-‐'' ., |.゙´|:|: : ::::::::::::::.. :
/ : : : .:/ : .:::::::::::::::::::\ ` ゙'''''''' /--‐''|:|: : ::::::::::::::::..
./ : : : .:/: : .:::::::::::::::::::::::::〈.ヽ、 ゙ ,.イ : : .::::::::_|:.| : ::::::::::::::::
、_,. -'‐'''゙´ ̄ ̄`゙''‐-.、_:::::::::::,rヘ. :゙lヽ. __,, -‐ ‐-'ァ:'' : ..::::/,ハ::| : :::::::::::::::
ヽ,`ヽ : : : : : : : : : : : : : `ヽ、く;;;:::::\ヘ-`'''ヾi´:: : : ;/ : ,r''´ ̄`゙`ニ=l:ヘ: ::::::::::::::
790 :
◆VA2n4pNbBI[saga]:2009/10/20(火) 22:53:04.51
ID:/ldrL.6o ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第四話 『 Reckless 』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
10月21日、帰ってきたら夕方頃投下予定
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/20(火) 22:53:11.17 ID:bNeRK0ko
本編がシリアス気味だからって、予告ではっちゃけすぎだろww
793 :
◆VA2n4pNbBI[sage]:2009/10/20(火) 22:54:12.90
ID:/ldrL.6o むしゃくしゃしてやった
今は投下準備している
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/20(火) 22:54:23.82 ID:1EQtKU2o
カナのシーンだけはあると信じて待ってるぜ!
- 関連記事
-